『クオ・ワディス』のペトロニウス

完訳を最初から読んでたら
恐らく平静に読み進めるだろうが
読み慣れた児童版には
「隠されてた秘め事」があって
それが露見すると思いつつ読むと
無駄にどぎまぎしてしまう

幼少の砌
偕成社の世界少女文学全集を愛読してたが
その中に『クォ・バディス』があった

ポーランド人作家シェンキェヴィチが
ネロの時代のローマを描いた歴史長編小説で
ハリウッド映画『クォ・ヴァディス』の
原作となった

児童版は何度も読んでて
映画も何度も観てて
その差異にずっと違和感を感じてたのに
完訳版の『クオ・ワディス』を
岩波文庫の上中下巻で読んだのは
恥ずかしながら四十路を過ぎてからだった

児童版として改訳したモノだと
削除(省略)されてる部分は
通常は暴力とかセックスとかの描写で
子供の教育上よくナイ
=子供がそれを真似たら困るからだ

初めて読む本へのときめきとは別に
児童版で既知の物語の完訳版を読む時には
何かしらの【禁忌】を破るはずなので
妙な興奮が伴うのはそのためだ

まるでパンドラやイヴになった気分だw

しかし完訳版『クオ・ワディス』を読んで
児童版と映画とで同じ箇所が
意図的に省かれてたのに気付き
【禁忌】を破る以上に衝撃的だった

例えば
この物語はネロの頃のローマ帝国だが
主要都市やそこに実在した人物についての噂話など
譬え話や際どい洒落に悉く引用されてて
無垢な子供には当然ながら意味不明だろうが
大人でも教養や経験値がなければ
まるで面白味を感じられまい

そんな危惧のために省かれた描写であり
物語の筋には直接関係ナイワリに
註釈が冗長になり過ぎるきらいがあるせいか
そのほとんどがスルーだったのだ・・・バタリ ゙〓■●゙

It’s Greek to me !
(それって、自分にはギリシア語だわ!)

てのは、ちんぷんかんぷんって意味だヽ(゚∀。)ノ

英語を母国語とする民族に
そんな表現があるくらいなので
無教養な一般大衆にとって
古代ギリシア(ローマ)の古典は
ちんぷんかんぷんなのだw

で、マイケル・マクローンの
古代ギリシア・ローマの古典由来の
慣用句の解釈本の原題が
まさに『It’s Greek To Me !』なのだ!

ともあれ
まだ無分別な子供以上に
インテリジェンスと無縁な大人には
ちんぷんかんぷんの応酬が続く映画なんか
総スカンを食らうのは明らかで
そりゃあ省くよな。(´д`;)ギャボ

自分からしたら
その無教養さからゴーインに展開するような
所謂アメリカン・ジョークの方が
理解不可能だがな。(゚д゚lll)ギャボ

両者は笑いのツボが違うのだよ
疑似体験も含めて
当て嵌まるエピソードが脳裏に浮かぶと
思い出して重ね合わせて
「なるほど」とほくそえんでしまうのだが
無垢な子供や無教養な大人は
奇を衒ってるだけでおかしくて笑うし
むしろ意味があっても
その意味がわからなければ笑えず

そう考えると
真に享楽的な人間とは
勤勉で教養があり
人生経験豊富で
とりわけ失敗談に尽きナイのが
望ましいかもしれナイなw

自分にとっては本でも映画でも
【It’s Greek to me !】な部分こそが
わかれば楽しいし
わからなくても謎を解く愉しみがある

『クオ・ワディス』においては
ペトロニウスが登場してる場面では
これが凄まじいほどで
さすが「趣味の審判者(アルビテル・エレガンティアルム)」と
うっとり失笑するのだwww

ペトロニウスは身分的には貴族で
地位は執政官ではあったが
ネロに重用されてたのは
政治的な立場においてではなく
あくまでもペトロニウスの芸術的趣味が
世間から持て囃されてたのを気に入られたのだ

ネロとペトロニウスの趣味趣向が
具体的にどうだったのか
その最も知りたかったコトが仔細に綴られてて
著者のシェンキェヴィチも
相当なヲタだと改めて感服した・・・ホゥ(*-∀-)

特にペトロニウスの容貌についても
まだ1段落目の終わりくらいで
決定的に胸熱な表現があり・・・

《神のごとき》アレクサンドロスがあなたに似ていたとすれば――ヘレネがああなったのも不思議はありませんね

アレクサンドロスキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !

この場合のアレクサンドロスとは
トロイの王子パリスで
葡萄の房の巻き毛を持つ美麗な王子だ

しかもこれはペトロニウスの姉の息子
ウィニキウスの台詞なんである

実はウィニキウスこそが
この物語の主役の美青年なのに
叔父のペトロニウスの美貌について
お世辞抜きでそう言ってるワケで
参考画像はアルフォンス・ミュシャ作の
『Quo Vadis(クォ・ヴァディス)』

美しい巻き毛もアレクサンドロス・パリスらしい
ペトロニウスの彫像(左)と実物(右)

これはご主人様ペトロニウスを慕う奴隷のエウニケが
こっそりと彫像にくちづけをしに来てる図で
この時エウニケは主人に逆らったので
鞭打ちされた後なんである

それはペトロニウスが
甥のウィニキウスを元気付けるために
美女の奴隷を賜ろうとしたのを
当のエウニケが断固として拒否したからだが
想いが叶わずとも罰に鞭打たれようとも
ペトロニウスの傍を離れたくなかったからだ

そうしてエウニケは最期まで・・・
ペトロニウスがネロの命で自殺をする時も
一緒に自死する

その2人の身分を超えたロマンスの
始まりの場面をなんと美しく切り取ったコトかと
ミュシャの感性に絶対的な信奉を齎したのが
この作品である

実物を観れた時は
2時間近く並んだ甲斐があったと
この1点だけでも狂喜乱舞モノだった!

話が逸れたが
《神のごとき》とは
もちろんその美貌が人並み外れてるからだが
「趣味の審判者」と呼ばれる程に
美意識の高い人間が
自らもその美意識に適ってるのだp(-_-+)q

そんな男なればこそ
アレクサンドロス・パリスは
世界一の美女ヘレネが一目惚れした末に
9歳の娘を置いて駆け落ちするに至り
それが元でトロイ戦争が始まったとな!!

児童版や映画ではいかんせん
ここの詰めが甘かったので
自分はペトロニウスを侮ってたが
今や完璧な敗北感を味わってるるる~
但しとても気分が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ負けだが♪

児童版の人物紹介の
ペトロニウスの項を読み返してみると・・・

ローマでもっともすぐれた貴族。その賢さのために皇帝ネロの信頼が厚い。ネロの詩の先生であり、また辛辣な批評家でもある。(後略)

訳者である野田開作の苦心を考えると
申し訳ナイが笑ってしまう!

「すぐれた貴族」なる表現自体が不可思議だが
「賢さのために~信頼が厚い」も
「ネロの詩の先生」も
ペトロニウスの奥深い人物像を
人生経験の浅い子供に対して
わかるように解説するコト自体が
不可能だろうてヽ(゚∀。)ノ

TABOO~パンドラ随想~

3月26日はSteven Tylerの誕生日で
なんと70歳だそう!

Aerosmithの音源は
CD1枚(※)しか持っておらず
グレイテスト・ヒッツ1973-1988

ヒットした曲には馴染みがあるが
アルバムのタイトルが思い浮かばなくて当然だw

40年近くも好きでいて
LIVEにも何度も足を運んでるワリには
筋金入りのにわかファンだったりするるる~

たまたま「パンドラの箱」とアマゾンで検索してみて
初めてAerosmithのBEST盤に
『パンドラの箱』てのがあると知った

これが「箱」ではなくて
『パンドラの匣』となるとRod Stewartだ

「匣」の字を使ってるトコロからして
この邦題をつけたディレクターは
太宰ファンかと睨んでた

それにしてもRod Stewartのアルバムは
原題が『Foolish Behavior』で
「愚かな行動」って意味で
パンドラなんてどこにも見当たらん

これってパンドラが禁忌を破ったのを
「愚かな行動」だとしてるとしたら
その太宰ファンのディレクターは
読みが深くても思考は短絡的なのだろうか?

パンドラはギリシア神話に出てくる人間の女の名で
「パンドラの箱(もしくは壺)」の挿話は
日本でもお馴染みで以下が概略だ

☆・・・☆・・・☆

プロメテウスが天上界から火を盗み
火が生物の中で唯一人類にだけ齎されたが
大神ゼウスはこれを許さなかった

プロメテウスの弟エピメテウスの結婚祝いに
ゼウスは箱(壷)を贈るが
これを開けるコトは許さなかった

花嫁が好奇心に勝てずに
この箱を開けてしまった途端
7種の災いが飛び出したので
人々は大いに憂えた

花嫁が慌てて閉じた箱の中には
前兆(または希望)だけが残った

この箱を開けた花嫁がパンドラだった

☆・・・☆・・・☆

プロメテウス(先に考える男の意)と
エピメテウス(後から考える男の意)の兄弟は
人間ではなく巨人族(Tytan)で
イアペイトスの子らだ

Tytan:ティタン(もしくはタイタン)と言えば
80年代のNew Wave of British Heavy MetalのBANDで
擦り切れる程、アルバムを聴いてたが
アマゾンで検索してみたら
唯一のアルバム『Rough Justice』が
今更(2017年に)CD化されてて
オンタイムのファンの自分には驚愕だった。(゚д゚lll)ギャボ

さて
人類初の女はパンドラでなくイヴ(エヴァ)で
更にパンドラはエピメテウスの嫁ではなく
『旧約聖書』のヤペテの息子の嫁とされてると
トマス・ブルフィンチは『ギリシア・ローマ神話』で
至極当然とばかりに以下のようにのたまう

 プロメーテウスとエピメーテウスとはイーアペイトスの息子でしたが、ミルトンはイーアペイトスをヤペテに変えているのです。

要するにエピメテウスの父親の名が「イアペイトス」で
「ヤペテ」と語感が近いって・・・
それだけかいなw

ノアの方舟で有名なノアには
3人の息子がいて
1人がヤペテ(他の2人はセムとハム)だが
ヤペテの息子となると
ゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、
トバル、メシェク、ティラスと7人いて
いったいこの中の誰と誰が
プロメテウスとエピメテウスなのだ。(´д`;)ギャボ

またギリシア神話でも
ノアの方舟級の大洪水があったりするのだが
それはエピメテウスとパンドラの娘が
プロメテウスの息子と結婚した後の話だ

ノアとその息子ヤペテの時とは別に
子孫が再び大洪水にあったとは
『旧約聖書』の記述にはナイ

旧約聖書・創世記ギリシア神話
ノアの代ノアウラノス(妻はガイア)
ノアの息子の代セム、ハム、ヤペテイアペイトス
ノアの孫(ヤペテの息子)の代ゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラスプロメテウス、エピメテウス(妻はパンドラ)
ノアの曾孫(ヤペテの孫)の代省略デウカリオーン(プロメテウスの息子)
ピュラ(エピメテウスとパンドラの娘)

ブルフィンチはどうも
ギリシア神話の辻褄が合わナイ部分を正すワリに
キリスト教には従順で
どんなに矛盾を孕んでても
『旧約聖書』には突っ込まナイようだヽ(゚∀。)ノ

まあパンドラのエピソードなど
所詮はイヴと同様に
単に【禁忌】を破った女の話として
その肝心な部分が伝われば
瑣末なコトは気にしなくて゚+.(・∀・)゚+.゚イイ
てのが男の身勝手な言い分なのだよ

女は【禁忌】を遵守して
男に仕えるべし!
不貞は禁ずるるる~!!

でも、むしろ男に貞節は守れまいw
美女に誘惑されれば
すぐさま破るだろうからなwww

そんな男の世迷言の呪縛に
初めて打ち勝った女が
ギリシア神話で世界一の美女と謳われた
スパルタ王妃だったヘレネだろうか?!

夫の留守中に他国の王子と駆け落ちをして
トロイ戦争の原因となったのだが
その双子の姉のクリュタイムネストラも
後に元夫を殺した現夫を
不貞の相手と共謀して殺害し
復讐を遂げた

むしろこの姉妹の母親は
スパルタ王妃レダで
白鳥に化けたゼウスと不貞して
この姉妹を産んでるので
もれなくレダこそが
夫である男(ましてや一国の王)に対して
裏切り行為をした初めての女だったのだろうか?!

世界観を構築した10冊(子供の頃の愛読書)

人生において最良の本を
10冊選ぶとしたら?

まず、小学校高学年の時に
選んでたと思われる10冊(タイトル)

生きている地球(学研学習マンガ)
ビーグル号航海記(チャールズ・ダーウィン著)
シートン動物記(アーネスト・T・シートン著)
ハックルベリー・フィンの冒険(マーク・トウェイン著)
宝島(スティーヴンソン著)
幸福な王子(オスカー・ワイルド著)
にんじん(ルナール著)
クォ・バディス(シェンキェビチ著)
埋もれた世界(A・T・ホワイト著)
キュリー夫人 愛と科学の母(清閑寺健著)

これらは人生の初期段階で
世界観を構築するのに役立ったが
後に人生の岐路においても
常に道標となった

虚弱体質だった幼少の砌に
お世話になった小児科の待合室に
置いてあったのが『生きている地球』

【ビッグバン】から始まり
地質時代の様子が年代を追って描かれたマンガで
それはまさに知りたかったコトばかりで
毎度、熱心に読んでは
興奮して更に熱が上がってたw

その本への病的な執着が
遂に医師の妻で薬剤師の女性の心を動かし
「よかったらどうぞ持って帰って
差し上げますから」と言わしめた時
熱意が人の心を動かすと
奇蹟が起きるのだと
初めて確信したのだった

生命の誕生から
人類への進化までを
理路整然と説いた【進化論】には
魂を揺さぶられたが
とりわけ生命の誕生については
オパーリンの【コアセルヴェート説】で
神々しく美しい生命のスープが
干潟になって濃縮してく様子を思い描いては
生命の神秘に涙した

そんな風に理性と感動によって
自分が世界観の外枠を構築した後で
旧約聖書の冒頭の創世記による世界の始まりを
キリスト教かぶれの母親から
いくら恭しく押し付けられたトコロで
突っ込みドコロ満載な寓話としか思えなかったw

【進化論】を構想するに至った経緯を
ダーウィンが綴った『ビーグル号航海記』は
自然の厳しさ(ある意味無慈悲さ)と
そこに生きる生物の
力強さと儚さ、強靭さとしなやかさといった
地球が織りなすドラマに感じ入った

そうして【進化論】を踏まえて
動物の生態に興味を持つようになり
『シートン動物記』も読むべくして読んだが
中でも「狼王ロボ」でオオカミが大好きになり
今に至るるる~

『ハックルベリー・フィンの冒険』や『宝島』は
『ビーグル号航海記』からしてそうなんだが
後に海洋小説とそれを原作とした映画を
格別に好むきっかけになった

まあ自分自身はからきし苦手で
酒より船の方が酔うんだがね( *゚Д゚)つ[酒]

典型的なお人好しの江戸っ子だった自分は
『幸福な王子』でワイルドのペシミズムに衝撃を受け
母親に嫌悪されてると悲観し始めた時
『にんじん』で同士を見出してほっとした

歴史小説『クォ・バディス』(※)は
ローマ皇帝だったのがネロの時代の
キリスト教に傾倒した長編で
実在した登場人物のネロとセネカ
そしてペトロニウスが魅力的だった
映画のタイトルでは『クォ・ヴァディス』、新訳(岩波文庫)だと『クオ・ワディス』

当時はまだキリスト教に対して
今ほど反感は抱いておらず
もれなくこの小説こそが
不信感を募らせる要因になったのだったヽ(゚∀。)ノ

『埋もれた世界』は
トロイア、エジプト、メソポタミア、マヤの
遺跡を発掘する考古学者たちについて
子供にもわかりやすく書かれて(翻訳されて)たが
古代文明の中でも自分は特にトロイアに惹かれた

たくさんの伝記を読んだ内では
『キュリー夫人』に1番感銘を受けたが
それは化学者としてノーベル賞を受賞した女性が
既にいるのは心強かったからだ、なんて
自分もキュリー夫人の後に続くつもりでいて
化学だけは執り憑かれた様に勉強してた

但し、物理学(の数式)を理解できるほど
知能を持ち合わせておらず断念。(´д`;)ギャボ

『クォ・バディス』の著者シェンキェヴィチも
キュリー夫人と同じく
ノーベル賞を受賞してるポーランド人だが
受賞時にはポーランドは地図上から消えてて
2人とも祖国独立を悲願してたのだった。(゚д゚lll)ギャボ

結局、シェンキェヴィチは
独立を目にする前に命尽きたが・・・

上記10冊の他にも
世界観を構築するのに
補助的な役目を担ったのが
山川出版の日本史用語集と世界史用語集と
旧約聖書・新約聖書、古事記、ギリシア神話などで
愛読書と言うよりは便覧のように
何かにつけ参照しまくった

自分はこの時点で最早
読書の醍醐味は
1冊の本を最初から最後まで読みこなして
単体で消化するだけに非ず
一言一句から
著者の真意を汲んで
改めて世界を読み解くコトに
意義があると気付いて
生真面目に読書をしなくなった・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

40年近く経った今
改めてこれら10冊に感謝したいのは
与えられた知識はもちろん
感動、信条、希望、霊感・・・etc.etc.
そしてノスタルジーも加わり
人生をスピリチュアルな面から
支えてくれたコトだ

気のふれた母親に
押し入れに閉じ込められても
電気スタンドで照らされた文字から
確信してた

世界は広く美しい(はず)

いつも心を希望で満たし
明るい未来へ導いてくれ続けた

親友(著者)と時空を超えて
共有してる宝物のような存在が
愛読書だと自分は思う

ロマンスとは何ぞや?

愛は甘美な倒錯である

酒のように
ほろ酔いが望ましいが
陶酔も泥酔も
惜しみなく愉しめるのが
若さってモノ

破滅的な恋愛に飛び込むなら
泳ぐ練習より溺れる覚悟が必要

いったい誰に
生涯の忠誠を誓うべきか?

若者の甘やかな苦悩は
ロマンスの香り

Ralph Lauren のフレグランスには
ロマンスてのがあって・・・

トップノート:ライチ、ジンジャー、マリーゴールド、イエローフリージア、カモミールオイル、サンゴッデスローズ
ミドルノート:ナイトブルーミングリリー、白スミレ、ロータスフラワー
ラストノート:オークモス、スキンムスク2000、リッチエキゾチックコンプレックス
タイプ:オードパルファム/レディス

瑞々しい香りを予想できたので
テスターで確認してから買いたいと
常々思ってるも
どこの百貨店にも売ってなくて
ずっと買えずにいたりするw

☆・・・☆・・・☆

さて
【ロマンス】なる語は
すっかり日本語になってて
「(男女の)恋愛に纏わる事件や物語」を
誰もが思い浮かべる

他にも類似の語で
【ロマンチック】とか【ロマン】とか
前者はより乙女風味が強まり
後者は「男の【ロマン】」など
対象が恋愛限定ではなくなったりする

しかしこれらは日本独特の使い方で
何か釈然としナイので
元の語源や世界標準的な正しい意味合いや
どのような経緯で日本に定着したのか
気になって調べた(のは2005年)時のメモ

まず、【ロマンス】の語を
片っ端から辞書でひいてみると
英語と仏語以外には
該当する発音の単語がなく
日本人の解釈に近いのが
英語の【romance】だったので
この語を輸入したのは英語圏からと
推察してたのが確信に変わった

【romance】 [英]
━━n.中世騎士物語,伝奇小説,恋愛[冒険]小説;≪楽≫ロマンス(曲);情話;小説的な事件,ロマンス(love affair);作り話,空想(物語);ロマンチックな雰囲気[気分];(R-)ロマンス語(派).
━━a.(R-)ロマンス語(派)の.
━━vi.作り話をする,空想する((about));求愛する((with)).
→三省堂のエクシード英和辞典より

【romance】 [仏]
━━f.恋愛詩,小詩曲≪楽≫無言歌.
→白水社刊の杉捷夫編新仏和小辞典より

単語の romance が形成されたのは
8世紀以降の中世西欧においてなのは確かだ

ローマ帝国が分裂~崩壊してくと同時に
ローマ人の日常語だったラテン語が
各地でそれぞれ(※)に発展
現在のフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語に至る途上の段階で、まだ「ラテン語の方言」と言った方が似つかわしかったかもだ

それらローマ人の諸言語は総括して
【ロマンス(ロマン)語】と呼ばれたが
複数を指すので【ロマンス諸語】が正しいが
便宜上【ロマンス語】とする

また、発音には地域差があるので
【ロマンス】だったり【ロマン】だったり
語尾の変化は多様だったが
便宜上【ロマンス語】とする

口語はロマンス語へと移行したが
文献は依然としてラテン語で書かれており
ダンテがトスカナ語(ロマンス語の1つ)で
『神曲』を著すまで
殆ど総てラテン語表記だった

そもそもダンテの頃(14世紀)の西欧では
製紙法が広まりつつあっても
印刷術はまだなく
本はとても高価だったので
庶民が手にするコトは稀だったし
手にしたトコロでラテン語では読めず
文芸はとても敷居が高かったのだ!

そんなだからルネサンスまでは
唯一の文芸が聖書だったりしたのだ。(゚д゚lll)ギャボ

とはいえ
ラテン語の聖書を所持してたとしても
都度、読んでたんでなく
実態は丸暗記してたのだよ。(´д`;)ギャボ

だから「中世文学」てのは
実は口承文学なのだなw

古代ギリシアで
『イリアス』や『オデュッセイア』が
ホメロスの名の下に書物にまとめられるまで
吟遊詩人が連綿と歌い継いできたように

中世の吟遊詩人(※)も
騎士道に名を馳せた英雄の伝承を
文字に綴ったのでなく
ロマンス語で歌ってたのだ
仏語でtroubadour(トゥルバドゥール)、独語でMinnesinger(ミンネジンガー)、英語でBard(バード)

そしてその「中世騎士物語」が
【ロマンス】と呼ばれたが
騎士道を説いてなくとも
「ロマンス語で詠われた物語全般」の意で
広義で使われるようになった
(より精確には
吟遊詩人が歌ったロマンス語は
主に南仏で使われてたプロヴァンス語

ところでどちらも解さナイので
想像しづらいのだが
ロマンス語とラテン語の隔たりは
どの程度だったのだろうか?

上記の辞書からの引用で
【romance】[英]を見てて思ったが
イギリス人からしたら
ローマ人がラテン語に代わって
話すようになった言葉も
その言葉による「中世騎士物語」も
「ローマ人の言葉(で詠われた物語)」で
【ロマンス】だったのかも?!

同じ語圏でも独語では
【romance】の語はなくて
英語や仏語の【ロマンス】の意味に近いのは
Roman と Romanze だった

【Roman】 [独]
━━m.(-s,-e)散文の長篇小説,物語;情話風の;『比』作り話,虚構.
→研究社のポケット独和辞典より

【Romanze】 [独]
━━f.民謡調の物語詩(Balladeと似た詩形式でスペインから起こった);≪楽≫ロマンス(感傷的な性格を持った愛の歌で、美しい旋律を主体としたゆるやかな楽曲).
→研究社のポケット独和辞典より

大雑把に訳せば
文芸の方が Roman で
音楽の方が Romanze だが
この独語の Roman と Romanze にあたるのが
伊語では romanzo と romanza だ
また、独語の Romane(ロマンス語を話す民族)は
伊語の romano(ローマ人)
独語の Romanisch(ロマンス語)は
伊語の romanzo(ロマンス語)だ

【romanzo】 [伊]
━━m.長編小説)作り話.
━━agg.ロマンス語の.
→大学書林のイタリア語小辞典より

【romanza】 [伊]
━━f.≪楽≫ロマンス,華想曲.
→大学書林のイタリア語小辞典より

なぜかイタリアとイギリスとでは
発想が似てるようで
「ロマンス語=ロマンス語で詠われた物語」
なのだな

Hermione

オオカミの名前ならハリーに決まってる

ヘルマン・ヘッセの『荒野のおおかみ』のハリー・ハラー由来だが
そう思って作ったこのピンク色のオオカミは
どうやら女の子だったらしく、ハリーってカンジではなかった

名前には謂れがなくてはならナイって信条があるため
テキトーにはつけるコトができず
次の候補はアーネスト・シートンの『狼王ロボ』から
雌狼の名を借りてブランカとしようしたが
あれは白いからブランカ(Blanca)なのであって
モモイロだったらロサーダ(rosada)だw

しかしそれではまるで意味がなくなってしまうので
『荒野のおおかみ』に戻って、相手役の女性の名にしようかと・・・

荒野のおおかみ (新潮文庫)狼王ロボ シートン動物記 (シートン動物記) (集英社文庫)

Hermine(ヘルミーネ)、これはHermanの女性形だから
作中ではハリーの相手役なれど、実質的にはヘッセのアニマ像だろう
もちろんヘッセが自身をハリーに投影したのは言うまでもナイ

既にHermineから「へるちゃん」と呼び始めてたので
確定する前に今一度Hermineを調べてみると
フランス語読みだとエルミンだのアーミンになってしまうと知って
Hermineにするのを躊躇しつつ、ふと頭をよぎった

あれ?
HermineってHermioneとは1文字だけ違うけど
もしかして元は同じ???

ググりまくっても確たる証拠は得られなかったが
むしろHermineと関係なくともHermioneが好い気がしてきた

Hermioneは『ハリー・ポッター』のせいで
日本では英語発音のハーマイオニーが主流だろうし
名前からくるイメージもハーマイオニー=エマ・ワトソンで
知性を兼ね備えた美貌の魔女なのだろう

ハリー・ポッター コンプリート セット (8枚組)(初回生産限定) [Blu-ray]

でも『ハリー・ポッター』以前なら
Hermioneはギリシア語読みのヘルミオネーで
トロイ戦争の際にヘレネーに捨て置かれた娘の名だ

いや、ヘレネーが留守の夫を裏切って
ハンサムな他国の王子(これがトロイのパリスなのだが)と不貞の末
娘のヘルミオネーを捨ててまでの逃避行を決行したせいで
トロイ戦争が勃発するに至ったのだ

まあ、そうしてヘレネーがトロイ戦争の引き鉄を引いたのも
アフロディテの差し金なのだがね

The Trojan War トロイ戦争

それにしても改めて考えるとなんか似てね?!

ハリー・ハラー(Harry Haller) / ヘルミーネ(Hermine)
ハリー・ポッター(Harry Potter) / ハーマイオニー(Hermione)

これだけ見てると作者がヘッセのファンで
リスペクト的にこの名前を使ったように思えてくる
そうだとしたら、ハリー・ポッターとハーマイオニーはハッピーエンドにはなるまいて
実際、ハーマイオニーはロンと結婚したらすぃし

ところで『荒野のおおかみ』は原題がSteppenwolfで
カナダにはかつてそんなバンドがあった
とはいえ、そのバンドのメンバーがヘッセ・ファンだったワケではなく
プロデューサーがそう付けた、とWikiにある

Steppenwolf (BORN TO BE WILD)イージー★ライダー コレクターズ・エディション [DVD]

そうと知ってがっかりしたが
それとこれとは別にして、Born to Be Wildは好きな曲だ

パラスとケンタウロス

3連休は雨模様らすぃと予想されてたので
土曜日の夜のバイト以外には外出予定は入れずに
手芸三昧できたら゚+.(・∀・)゚+.゚イイなと思ってたが
日曜日は思いの外晴れたのと
ダンナが二日酔いで寝たきりなのを好都合に
チャリンコで上野の東京都美術館まで行って来た

とゆーのもウフィツィ美術館展をやってて
今回の目玉はボッティチェリの『パラスとケンタウロス』で
ケンタウロスが好きな自分にはこれだけでも観に行く意義があったのだ

それにしてもケンタウロスとパラスとは変な組み合わせだ
パラスとはギリシアで言うアテナ、ローマで言うミネルウァの別名だが
この知恵と闘いの女神がケンタウロスと対峙してるシーンは
ギリシア・ローマ神話には記述がなく
ボッティチェリがいったい何を描きたかったのか
もしくは依頼主がどういう趣旨でこんな絵を描かせたのか
様々な憶測が飛び交ってるが自分には決定的と思われるモノはナイ

それに専門家らの概ねの見解にありがちな
悪のケンタウロスが善のパラス・アテナに懲らしめられてる
なんて単純な図式を当て嵌めたかったら
何の係わりもナイこの2人をわざわざ描きはしナイだろうに
ましてやケンタウロスが肉欲の象徴なら
アトリビュート(象徴的な持ち物)が弓矢であるのも腑に落ちナイ
そう、専門家らの解釈に沿うならば、例えば
シュリンクス(パン・フルート)を吹くサテュロスに向かって
弓矢を構える処女女神アルテミスならわかりやすい

あれこれ考えを巡らせながら
遂に本物の大きな絵の前に立った瞬間
ケンタウロスの繊細な表情には憂いが読み取れたが
それはパラス・アテナに懲らしめられてるからではなく
もっと深い悲しみに沈んでるようだった
確かにパラス・アテナはケンタウロスの髪をつかんではいるが
いかんせん懲らしめてるようには見えなかったのだ

そして2人の間にある一艘の船の存在に気付いてみると
アキレウスの命運がトロイ戦争で尽きたのを嘆くケイロン(※)と
諦めを諭すパラス・アテナに見えてきた
この辺りの詳しい事情は[アキレウスとケイロン]参照

パラス・アテナはトロイの守り神として
そのパラディオン(神像)がトロイ建国時に神殿に祀られたが
これがある限りトロイは不落であるとされてたので
例の木馬作戦を実行する前にオデュッセウスらが盗み出した

パラディオンがギリシア陣営にあって
トロイの守護を放棄せざるを得なくなったパラス・アテナは
地理的には遠く離れてはいたが
アキレウスの訃報(※)に悲嘆にくれるケイロンと
お互いに守り育てた大切なモノを失う
その喪失感を共有してるのを感じて通じ合った
そんな図に思えてきた・・・
映画によってはトロイの木馬にアキレウスも参加してるが、知り得る限りの文献ではとっくに死んでて
アキレウスの代わりに息子のネオプトレモスが戦地に赴き、トロイの王を討ったのはこのネオプトレモスとされてる

人の子を育てた獣神であるケイロンと
人々の営みを育んできた女神であるパラス・アテナ

と、ここまでが頭の中で一気に展開して
何かが怒涛のように押し寄せてきて魂がスパークした
時間軸と空間を結ぶ点から存在が解き放たれると
現実や真実や事実より真意の重みを感じる

絵の前にいたのはほんの1分程だろうが
時空を超えて魂が旅をしてた
こういう感覚をまさにトリップと言うのだろう

薬物などでこの感覚を得てる人が
抜けられなくなるのはわかる、確かに爽快だ・・・
なので、この感覚を呼び覚ますモノでなければ
芸術として完成されてるとは自分には認められナイのだ

そんなだから、あとは数点しか
自分にとって有用な作品がなかったので
まあいつものコトだが15分ほどで会場を後にしたヽ(゚∀。)ノ

帰路、冷静になって考え直してみれば
ケイロンとパラス・アテナが手塩にかけた対象を
無慈悲に奪い去ったトロイ戦争が
開戦に及んだきっかけとなった大元の原因はと言えば
3柱の女神らの誰が1番美しいかの諍いで
その女神の内の1柱は誰あろうパラス・アテナだったし
戦争での勝利を約束するコトで審判を買収しようとさえした

とすると、パリスの審判でパラス・アテナが選ばれてたら
トロイは滅亡しなかったのだろうか?

九十三年

ヴィクトール・ユゴーの『93年』を読み返しながら
アキレウスとケイロンに想いを馳せる

秋の夜長・・・

ブルフィンチの『完訳 ギリシア・ローマ神話』

今現在、どうやらソチ・オリンピック開催中らすぃ

自分は現代のオリンピックには余り関心がナイとゆーか
スポーツとしてはサッカーとテニス以外に全く興味がナイので
オリンピックは基本的に観ナイ主義だが
寒いのが大嫌いで雪を見てると憂鬱になるので
例えテレビ画面においてでも冬季五輪はまず観たいと思わなくて
母親がフィギュアスケートを観てるとチラ見するレベル

そんな自分がうっかり開会式まで観てしまったのは
2004年にギリシアの首都アテネでオリンピックが開催された時で
古代ギリシア的な風情を期待してたのだろう

それでもアテネ五輪の開会式がどんなだったかまるで記憶にナイが
今年の開会式は観てなくても印象深かった
なんせ五輪の輪っかの1つが輪にならなかったのだからしてヽ(゚∀。)ノ

☆・・・☆・・・☆

そんな記憶に薄いアテネ五輪の真っ最中に
本屋の店頭でこんな帯タタキの本が目に留まったコトは
今でも鮮烈に覚えてるるる~

オリンピックもトロイの木馬もすべてはここから始まった!

同年、オリンピックより一足お先に映画『トロイ』が公開され
これがブラピ効果か、予想以上に日本でもヒット(※)してたのだ
自分はトロイ戦争ヲタとしてDVDを購入予定だったので
わざわざ混んでる映画館にまでは足を運ばずにいたのだがw
2004年の配給収入がなんとドラえもん超え(ポケモンには及ばず)!

トロイ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

いかにも、流行にだけは敏感で無教養な日本人に対して
盛り上がってる間に売り切るつもりのキャッチコピーってカンジで
胸糞悪くなりながらも手に取ってみれば
タイトルは『完訳 ギリシア・ローマ神話』で
著者はトマス・ブルフィンチだった。(゚д゚lll)ギャボ

トマス・ブルフィンチと言えば『中世騎士物語』が愛読書だったが
ギリシア・ローマ神話にも造詣が深かったとは知らなんだ!
しかも訳者が大久保博とな!!

☆・・・☆・・・☆

完訳 ギリシア・ローマ神話〈上〉 (角川文庫)完訳 ギリシア・ローマ神話〈下〉 (角川文庫)

あれ?!
自分が持ってるのは上・下巻とも表紙がアングルだったが
いつからこんな安っぽい表紙になったのだろうか?
ブルフィンチ(大久保博訳)の格調高い文体にこのイラストは
余りにも不似合いで萎えるのだが。(´д`;)ギャボ

【上巻】
  • はしがき
【第1章】
はじめに
【第2章】
プロメーテウスとパンドーラー
【第3章】
アポローンとダプネー、ピューラモスとティスベー、ケパロスとプロクリス
【第4章】
ヘーラーとその恋仇のイーオーとカリストー、アルテミスとアクタイオーン、レートーと農夫たち
【第5章】
パエトーン
【第6章】
ミダース、バウキスとピレーモーン
【第7章】
ペルセポネー、グラウコスとスキュラ
【第8章】
ピュグマリオーン、ドリュオペー、アプロディーテーとアドニス、アポローンとヒュアキントス
【第9章】
ケーユクスとアルキュオネー、かわせみの話
【第10章】
ウェルトゥムヌスとポーモーナ
【第11章】
エロースとプシューケー
【第12章】
カドモス、ミュルミドーン
【第13章】
ニーソスとスキュラ、エーコーとナルキッソス、クリュティエー、ヘーローとレアンドロス
【第14章】
アテーナー、ニオベー
【第15章】
グライアイ、白髪の処女たち、ペルセウス、メドゥーサ、アトラース、アンドロメダー
【第16章】
怪物――ギガンテス、スピンクス、ペーガソスとキマイラ、ケンタウロス、ピュグマイオイ、グリュプス
【第17章】
黄金の羊の毛皮、メーデイア
【第18章】
メレアグロスとアタランテー
【第19章】
ヘーラクレース、ヘーベーとガニュメーデース
【第20章】
テーセウス、ダイダロス、カストールとポリュデウケース
【第21章】
ディオニューソス、アリアドネ
【第22章】
田園の神々――エリュシクトーン、ロイコス 水の神々――カメーナイ、風
【第23章】
アケローオスとヘーラクレース、アドメートスとアルケースティス、アンティゴネー、ペーネロペー
【第24章】
オルペウスとエウリュディケー、アリスタイオス、アムピーオーン、リノス、タミュリス、マルシュアース、メラムプース、ムーサイオス
【第25章】
アリーオーン、イービュコス、シモーニデース、サッポー
【第26章】
エンデュミオーン、オーリーオーン、エーオースとティートーノス、アーキスとガラテイア
  • 読書案内[上]
【下巻】
【第27章】
トロイア戦争
【第28章】
トロイアの陥落、ギリシア軍の帰還、オレステースとエーレクトラー
【第29章】
オデュッセウスの冒険――ロートパゴス、キュクロープス、キルケー、セイレーン、スキュラとカリュブディス、カリュプソー
【第30章】
パイアーケス人、求婚者たちの最後
【第31章】
アイネイアースの冒険――ハルピュイアたち、ディードー、パリヌーロス
【第32章】
下界――シビュレー
【第33章】
カミラ、エウアンドロス、ニーソスとエウリュアロス、メーゼンティウス、トゥルヌス
【第34章】
ピュータゴラース、エジプトの神々、神託所
【第35章】
神話の起源、神々の彫像、神話の詩人(うたいて)
【第36章】
近代の怪物たち――ポイニクス、怪蛇バシリスコス、一角獣、サラマンドラ
【第37章】
東洋の神話――ゾロアストラ ヒンドゥー教徒の神話――カースト、ブッダ、ダライ・ラマ
【第38章】
北欧の神話――ワルハラ、ワルキュリアたち
【第39章】
ソールのヨツンヘイマル訪問
【第40章】
バルデュルの死、妖精たち、ルーン文字、スカルドたち、アイスランド
【第41章】
ドゥルイたち、アイオウナ
  • 解説
  • あとがき(増補改訂版によせて)
  • 読書案内[下]
  • ことわざ集
  • 索引

上巻は古代ギリシア・ローマの神々と英雄のエピソードで
下巻(※)はトロイ戦争が時系列に物語られてて
なぜかギリシア・ローマ以外の神話も収められてるが
原題が『The Age of Fable;or,Stories of Gods and Heroes』で
訳すと『寓話の時代;もしくは、神々と英雄の物語』なので
確かに古代ギリシア・ローマ限定ではナイのだな
巻末に上・下巻合わせての索引と諺集があり、本文自体は上巻441頁/下巻290頁

目次には登場人物(神)名が概ねギリシア名で記されてるが
本文中にはこれにローマ名と英語名も併記されてて

アプロディテ→アプロディーテー(ウェヌス)(ヴィーナスのこと)

てなカンジで初心者にはわかりやすいかと思われ

白黒なれど有名な絵画や彫刻が豊富に掲載されてるのも
もちろん自分のような美術愛好家には嬉しいが
それ以上に初心者がイメージを捉えやすい

オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)オウィディウス 変身物語〈下〉 (岩波文庫)

著者のブルフィンチはヲタだったが
この本は決してそういう向きに書かれたのではなく
無教養なアメリカ人に向け教養便覧のようなモノを目指してたので
オウィディウスの『変身物語』を典拠としてる部分が多く見受けられるが
娯楽的要素の長台詞などはカットして概要のみにとどめて
その分、英文学からの引用が挿入されてるるる~

☆・・・☆・・・☆

それにしても帯タタキで煽ってるワリには
オリンピックについては僅か1ページだったりして(-_-;)

古代オリンピック (岩波新書)驚異の古代オリンピックギリシアの古代オリンピック

Edward Burne-Jones Exposition

岩波書店、紀伊國屋書店、勁草書房、東京大学出版会、
白水社、法政大学出版局、みすず書房、未來社の出版社8社が
合同で「書物復権」(※)なる復刊事業に取り組んでるのを知ったのは
ジョージ・バーナード・ショーをググったのがきっかけだった
書物復権2012書物復権2013

バーナード・ショー名作集

これで復刊されたのが『バーナード・ショー名作集』
以下の代表作6篇が収録されてた

カンディダ
悪魔の弟子
人と超人
ピグマリオン
聖女ジョウン
デモクラシー万歳!

¥7,000近かったが迷うコトなく購入し
念願の『聖女ジョウン』と『ピグマリオン』を読み
併行してショーの戯曲の解説書『バーナード・ショーの劇』や
ジュール・ミシュレの『ジャンヌ・ダルク』や
オウィディウスの『変身物語』の挿話『ピュグマリオン』と
梯子酒ならぬ梯子読書を大いに愉しんだ末に
奇妙なシンクロニシティに見舞われた・・・のは昨年の夏

『ピグマリオン』の第3幕に次のような一節があるのだが
この描写だけでヒギンズ夫人が趣味の良い女性であるのがわかるるる~

ヒギンズ夫人は、ウィリアム・モリスやバーン・ジョーンズの雰囲気のなかで育てられたので、ウィンポール街の息子の部屋とはちがい、家具や小さなテーブルやこまごまとした物が、雑然とおかれているようなことはない。部屋の中央には、背のない大きな長椅子が一つ。これと、じゅうたん、モリス風の壁紙、モリス風のサラサの窓かけ、長椅子にかけた錦のカバーとクッション類が、立派な装飾となっているので、つまらない物をごたごた並べたてて、その美しさをかくすことはないのである。三十年前グローヴナー・ギャラリーに陳列されていた、いい油絵が数点(ホイスラー派のものではなく、バーン・ジョーンズ派のもの)、壁にかかっている。(後略)

息子のヒギンズがヲタになったのも独身主義を貫いてるのも
きっとこの出来過ぎの母親のせいなのだろう
そんな考えを巡らせながら新宿の地下街を歩いてた際に
バーン・ジョーンズ展のポスターが目に入った

ポスターにあったペルセウスには全く興味なかったが
予感がしたのでサイトをチェックしてみると
ウィリアム・モリス商会で製品化したタペストリーが展示品目にあった!
バーン・ジョーンズに原画を描かせて刺繍させたタペストリー・・・ホゥ(*-∀-)

シンクロニシティだ((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル

これだけでも手芸好きの自分には観に行く理由として十分だったが
連作『ピグマリオン』も一揃い(4枚)あるらしい!!

シンクロニシティしまくりだ((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル

そもそもバーナード・ショーの『ピグマリオン』は
モリス夫妻によってインスピレーションを得て描かれたに違いナイ
とゆーのもウィリアム・モリスの妻ジェーン・モリス(旧姓バーデン)は
バーン・ジョーンズとロセッティによって見出されたモデルで
ウィリアム・モリスにもモデルとして紹介したトコロ
2人が恋に落ちて婚約してしまったのだが
この婚約→結婚の間に恐らく極貧で教育を受けてなかったジェーンは
上流社会の一員としての教養を一から身につけた・・・
なんて、まるで『ピグマリオン』のイライザそのものだ!!

☆・・・☆・・・☆

会場に着いてすぐの展示室へ向かうエレベーターの前に
連作『ピグマリオン』の一部のプリントがでかでかと貼られており
この迫力に比べたら実物はしょぼいかと思いきや
そこは連作ならではの見応えだった
(唯一、女神が鳩を踏んづけてたのが気になったのは自分だけかね?)

しかしラファエル前派は一見すれば繊細な作風なのだが
ダヴィンチのような精密さには事欠いてて
背景の花などがワリと杜撰に描かれてたりするので
近寄ってじっくり愉しむよりは遠見で全体的に観るとか
現代ならネットで観るのにうってつけだと思われ

それに比してタペストリーは期待以上に素晴らしく
絹糸1本の寸分の狂いもナイのに感動した。・゚・(ノД`)・゚・。
改めて考えたらウィリアム・モリスは日本の柳宗悦みたいな人なのだな?!
美意識にお国柄がそれぞれ表れてるのでそこに違いがあるが・・・

またジェフリー・チョーサーの『チョーサー著作集』の
ウィリアム・モリス商会によるケルムスコット・プレス刊(※)があり
豪華装丁本の現物を目にするコトができたのは収穫だった♪
※LINK:ケルムスコット・プレスの『チョーサー著作集』

おみやげには『ピグマリオン』連作のワイドプリントにブックマーク
そして『チョーサー著作集』のポストカードとノートにしたが
もしケルムスコット・プレスのグッズがなければ図録を買うつもりだった
自分は究極的には紙の書物が何にも増して好きなようだw

↑改めてじっくり見てみたら『Troilus and Criseyde』だった(゚ ゚;)
これチョーサー版は『トロイルスとクリセイデ』だけど
シェイクスピアになると『トロイラスとクレシダ』になって
逆にボッカッチョのはタイトルが『フィローストラト』でトロイオロとクリセイダ
もちろん時代順にボッカッチョ→チョーサー→シェイクスピアだ

あとの2枚は残念ながら何かわからなかった・・・うぅ(-_-;)

Women of Troy

エウリピデスの『トロイアの女たち』の新訳が
なぜか、突如として昨年末に出てた

そう、なぜ、エウリピデスの悲劇の中でも
今、これだけが単品で出るのか、訝しく思ったが
ちょうど蜷川幸雄演出の『トロイアの女たち』の公演があり
それに合わせてだったのだろうか?!

いや、WOWOWで観たらサルトルVer.だったw

トロイアの女たちギリシア悲劇〈3〉エウリピデス〈上〉 (ちくま文庫)

そう言えば『トロイアの女たち』は
エウリピデスのなら松平千秋訳のをダブって持ってるし(※)
『サルトル全集【33】トロイアの女たち』を
神保町の古本屋で奇跡的にゲトできたが
肝心のセネカ版が未だ手元になかったと思い出した
ちくま文庫のギリシア悲劇【III】エウリピデス(上)筑摩世界文学大系【2】ギリシア・ローマ古典劇集

セネカの『トロイアの女たち』は
京都大学出版の西洋古典叢書の『セネカ悲劇集』に収められてるるる~

セネカ悲劇集〈1〉 (西洋古典叢書)

セネカ悲劇集【1】
狂えるヘラクレス(小川正廣訳)
トロイアの女たち(高橋宏幸訳)
フェニキアの女たち(大西英文訳)
メデア(小林標訳)
パエドラ(大西英文訳)

セネカ悲劇集【2】
オエディプス(岩崎務訳)
アガメムノン(大西英文訳)
テュエステス(宮崎徳也訳)
オエタ山のヘルクレス(竹中康雄訳)
オクタウィア(木村健治訳)

【1】は『トロイアの女たち』以外にも
『フェニキアの女たち』も『メデア』も『パエドラ』(※)も
エウリピデスと比較して差異を読み解きたい
エウリピデスの『ヒッポリュトス』に当たる、ラシーヌだと『フェードル(とイポリート)』

しかし最も興味深いのは【2】の『オクタウィア』だ!
なんせセネカのオリジナルでネロが題材の史劇なのだからして!!

久々にアマゾンで両方チェックしてみたら
【2】が半額以下で出品されてたのでそっちをポチったった♪
トロイヲタとして【1】も絶対いつか購入するだろうがw

とりあえず蜷川の『トロイアの女たち』はサルトルに倣ってたが
現代日本人の常識の範疇に「トロイ戦争」はナイので
そりゃあ誤解のナイようにポセイドンが説明せねばなるまいて
改めてサルトルの手腕に脱帽しつつ
蜷川の奇異なアイディア(3ヶ国語でコロスを繰り返し)にも
よくもこんな鬱陶しいコトをやり通したモノだ
と、感心したし、感動した。・゚・(ノД`)・゚・。

☆・・・☆・・・☆

蜷川はちょっと前に『トロイラスとクレシダ』もWOWOWで観た(※)が
シェイクスピアの全作をオールメールでって試みの一環で
その発想からして素晴らしいと思ったね
しかも『トロイラスとクレシダ』は中でも1番厄介だったろうに
納得の行く出来映えだったのには度肝を抜かれた。(゚д゚lll)ギャボ
参考URL:http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/102292/

クレシダには穢れを知らナイ澄んだ美しさがあり
絶世の美女ヘレネの方が蠱惑的ではあるが
決して見劣りはしナイ美貌なはずと思われ。(´д`;)ギャボ
その点、2人とも性別を乗り越えた以上に美的に釣り合ってたが
恐らく女性がやると想像すると
主役のクレシダはでしゃばって美貌から儚さを失するだろうし
ヘレネも美しさよりいやらしさが目立ってしまいそうだ(-_-;)

でも何よりもカサンドラにはぞっとさせられた
『トロイアの女たち』でも運命に憤り、怒りながら舞うカサンドラがいたが
『トロイラスとクレシダ』のカサンドラの方がしなやかな動きで
巫女の資格を失った悲しみが舞踏に表現されてたし
狂気もそれらしく見えた

基本的にカサンドラは狂ってるのではなく
予言を口にすると狂ってるように見えてしまうだけだから
発狂してるだけだと白けてしまうのだよ
カサンドラはアポロンから予言の術を授かったが
引き換えにアポロンの恋人になる約束だったのを破ったので
それでアポロンによって予言が信じてもらえナイようにされたのだ

☆・・・☆・・・☆

宮本亜門の『サロメ』もWOWOWでやってて(※)
観る前はキャスティングに仰天したが
もれなく多部未華子ちゃんのサロメこそがサイコーだった
サロメは無垢ゆえに残酷なのだな・・・
参考URL:http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101601/

サロメ (岩波文庫)

古典劇はハリウッド映画とかブロードウェイ・ミュージカルでも
原作の魅力が減退しまくりなのが多くてウンザリするが
日本の新劇が魅力を損なわずにやってるなんて
目にするまで思いもよらなかったね

とにかく戯曲は本で読んでるより
舞台で演じてるのを観る方が断然゚+.(・∀・)゚+.゚イイ
てのは、当たり前かヽ(゚∀。)ノ

ここは一つ、宮本の『キャンディード』のDVDを購入すべきか?!

ラシーヌの『ブリタニキュス』、そして全集

ローマ皇帝の中でもとりわけネロが好きな自分は
ネロについて書かれてる本を蒐集してるので
ラシーヌの『ブリタニキュス』もいつかは欲しいと思ってた

だから岩波文庫から出てる『ブリタニキュス』を古本屋で見かけては
購入すべきかどうか何度も迷いに迷ってた
迷いがあったのはこの本がちょうど岩波文庫の紙質が悪い時代に出てて
その後に重版されずにいたコトによる
時を経て紙面はすっかり褐変してるよれよれのモノばかりで
どうしてもコレクションに加え難い品質だった

だからいつかこれが奇跡的に復刊されるか
もしくは更に望み薄だが新訳が出たりした折には購入しようと決心してた

とはいえ、いずれにしろ随分気の長い話だと思ってたが
2006年夏に先に渡辺守章訳の『フェードル / アンドロマック』が復刊され
続いて2008年に遂に『ブリタニキュス / ベレニス』が同じく渡辺守章訳で出た!

ブリタニキュス ベレニス (岩波文庫)

古く『ブリタニキュス』は『星の王子さま』の訳で名高い内藤濯の訳だったので
きっと真意を深く追求した意訳だと予想できて魅力的だったが
『ブリタニキュス / ベレニス』の渡辺守章訳の方は
実際に脚本として用いられた口語訳なのがむしろ非常に読み易かった!!
これは既に『フェードル / アンドロマック』で馴染んでたせいもあるだろう

しかし渡辺訳版の秀でた点は本文以上に訳注と「解題」にあるるる~

ためつすがめつ購入を迷い続けた『ブリタニキュス』には
『ベレニス』が未収録であったのは言うまでもナイが
これが『ブリタニキュス / ベレニス』に比して1/4くらいの薄さだったのは
『ベレニス』が途轍もなく長い戯曲だったからではナイ
(実際『ブリタニキュス』より短い)

『ブリタニキュス』と『ベレニス』とで訳注が合わせて100ページ以上あり
「解題」がこれまた100ページ以上に及ぶために
200ページ強分の厚みが増してたのだった。(゚д゚lll)ギャボ

200ページとゆーページ数からも歴然としてるが
訳注も「解題」もとにかく詳細で隙がナイ。・゚・(ノД`)・゚・。

とりわけ「解題」の中の「ラシーヌの生涯と作品」には
各作品の紹介と共にその作品に対する当時の評価などもあったので
これを読んだら元の話を知ってるだけに(※)
ラシーヌの脚本をちゃんと読んだような気にすっかりなってしまえてたが
既出の4作(フェードル、アンドロマック、ブリタニキュス、ベレニス)以外は
後に筑摩書房の『世界古典文学全集【48】ラシーヌ』を入手して読んで
そういえば全く未読であった、と改めて気付いたくらい
渡辺の「解題」は詳し過ぎたのだったヽ(゚∀。)ノ
『アレクサンドル大王』は伝記の邦訳本を総て持ってたし、『アタリー』も『エステル』も『旧約聖書』にある

そうなのだ、ラシーヌにすっかり魅了された自分は
絶版の全集をついに手に入れたのだった!

しかもかねてから中公世界の名著と筑摩世界文学大系は
「解説」の充実度で他に比肩するモノはナイと確信を持ってたので
迷わず筑摩書房の『世界古典文学全集【48】ラシーヌ』を購入したのだが
これが予想以上に素晴らしい内容だった!!

ラシーヌ執筆の全作品がもれなく年代順に収録されており
時代背景、公演の評判、ラシーヌが参考とした資料などの詳細が
各作品の冒頭の「解説」にあり
それとは別にラシーヌ自身が書いた序文や
時の権力者に送った作品についての書簡などもあり
要するにこれ一冊でラシーヌを完璧に網羅できてしまうのだ

それでも『ブリタニキュス / ベレニス』も買っておいて損はなかった
てか、この岩波文庫版新訳の訳注と「解題」は
ネロヲタの自分としては最強に俺得で死ねる・・・バタリ ゙〓■●゙

それにしてもラシーヌの扱う題材は
どうしてこうも自分のヲタ趣味と合致するのだろうか?

トロイ戦争ヲタには既読の『アンドロマック』も俺得だったが
未読の中にも『イフィジェニー』があり
ゲーテの『タウリス島のイフィゲーニエ』と読み比べれば
一粒で2度美味しく愉しめるってモノだ♪

そして未読の目玉はなんと言っても『アタリー』と『エステル』だが
これはフローベールの『ボヴァリー夫人』の中で
最も個性的な登場人物オメーが娘にアタリーと名付けてるのが
まさしくラシーヌの『アタリー』由来なのだった
ましてやそうと名づけたオメーの真意を推し量るためには
実際に読んでみナイコトには考察のしようもナイ以上に
作中でオメーが信仰する神ヴォルテールの著書『ルイ十四世の世紀』で
『アタリー』を高く評価しつつ『エステル』を貶してる
と知らなけらばいかんせん意味不明なのである。(゚д゚lll)ギャボ

『エステル』と『アタリー』はプルーストの『失われた時を求めて』でも
「スワン家のほうへ」第一部の「コンブレ」で比喩に使われてるが
もちろんこの2作品をただ読むだけでなく
完璧に理解してなければやはり意味不明なのである。(´д`;)ギャボ

しかしアレクサンドロス大王ヲタである自分にとって
未読の中で真っ先に読んだのは『アレクサンドル大王』だったがw

それとゆーのも自分の読書の仕方がいつも決まってて
未読の本はまず目次や索引からアレクサンドロスを探して
そこから読み始めるからだ