アリストテレスを識るための1冊

アリストテレスの著作はどれもやたらと小難しいと思い込まれてる節があるが
それは後世のスコラ哲学者の解釈のせいではナイだろうか?

例えば『ニコマコス倫理学』なんかには語彙の補足として
語源を大切にするためか耳慣れナイギリシア語が次々と出てくるのだが
それがなければアランの『幸福論』から例えがなくなったくらいのレベルかと・・・

まあそれってのは確かにとっつき難いとも言えるかヽ(゚∀。)ノ

自分は本の読み方が完全に自己中なのでそんなの気にならナイが
最初から最後までを順番にきっちり読む几帳面な人で
しかも理解しながら読み進んで、読み終わったら総て理解してなくては
なんて真面目に取り組む人にはもれなくきっち~かもな。(´д`;)ギャボ

アリストテレスでなくても本との付き合いは人との付き合いと同じだと思うから
最も興味深い部分から読み始めて
必要な箇所を拾い読みしてはウザイと感じた部分は飛ばし読みで
肝心の部分が抜けてる気がすれば飛ばしたトコロも読んでみたりして
毎度同じくだりに共感したり
また読む度に新たな発見にも胸踊らされたり
そこまでいってやっと理解できるモノなのではナイか?

そか、本でも人間でも内容が濃くナイと飽きるのも同じか・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

とにかく新年を迎えて今年1年=これからの生き方を考え直すのに
手にしたのはアリストテレスだったのでまとめてみた

タイトルに1冊、と冠しておきながら3冊だったりするが
まず1冊目は講談社学術文庫の今道友信著『アリストテレス』である

その生涯や学術の体系の基本的な部分は網羅されてる感があるし
アリストテレスが敬遠される所以の『形而上学』や『倫理学』についても
これだけで随分理解できるので初心者にはうってつけの良著だ

しかし改めてこの本の目次を見て驚愕するが
個人の扱う研究対象にしては分野が広過ぎるし、それぞれの量が膨大過ぎるるる~
そんな世界観の広さと深さこそがアリストテレスの魅力なのだがね(*^^*)

一通り理解して通り過ぎるような単なる知識ではなく
地道な観察力と独創的な考察力に導き出される理知と美意識による世界の理(ことわり)で
これに感嘆するとアリストテレスの虜になってしまうのだよ

次に挙げるのは個人的に想い入れが強い『詩学』だが
初めて読んだアリストテレスの著作で概要はギリシア悲劇についての考察だ

例えに出てくるのがホメロスの『イリアス』に『オデュッセイア』
ギリシア悲劇の『メディア』や『オイディプス王』等々で
ギリシア古典劇に興味があってこの本を読まナイなんて在り得ナイ・・・ホゥ(*-∀-)

訳者(松本仁助と岡道男)がそこまでやらなくてもと思うのだが
本文約100ページに対して100ページ以上も訳注を付けてて
訳注をチェックしながら読み進めばツボがわかるようになってるのだ!

岩波文庫では¥700でホラティウスの『詩論』とのカップリングだが
ホラティウスは紀元前1世紀のローマの人でウェルギリウスと同世代人だ

ラテン文学華やかなりしこの頃には
ヘレニズム期の、要するにアリストテレスの頃のモノは
古典だったのだ。(゚д゚lll)ギャボ
そうして時代の差まで読み解けてより一層おもしろくなるともう立派にヲタだなw

巻末にホラティウスからの引用文(ラテン語)が60句余り収録されてるのも
読んでわかるワケでもナイのにわくわくするるる~

心は量子で語れるか (ブルーバックス)

3冊目は20世紀末のある日
「21世紀物理の進むべき道をさぐる」が副題の『心は量子で語れるか』(※)を購入
元は講談社のハードカバーで出てたのが、少し表現も簡易になってブルーバックス版で出た方

天才数学者ロジャー・ペンローズを中心に
スティーヴン・ホーキングなどの他の学者との
「宇宙はどうなってるのか?」から考察する「世界とは何なのか?」の討論で
第1部「宇宙と量子と人間の心と」の第3章「心の神秘」において
プラトン的世界観が引き合いに出されながら最新理論が展開されるのだが
自分はこれで初めてプラトンの数学的な世界観を知ったのだった

さすがに常人とはレベルが違う賢さの人たちは
プラトンには全く難解さを感じてナイらしく
一刀両断にぶった切ってあるべき位置に収めてしまってたが
アリストテレスはここでは全く無視されてた

結局、自分がこの本に求めてた「心とは何か」とゆー問題に対しては
この本では答えを得るコトができず未消化に終わった
(まあ同じレベルの賢さの人なら理解できたのだろうが・・・無理っつ!)

アリストテレスは「心とは何か」をどう捉えてたのか?

ふと思い立った時に本屋の店頭で
アリストテレスの『心とは何か』を目にし
その共時性だけで読む前から感動に打ち震えたのだった・・・バタリ ゙〓■●゙

今道の『アリストテレス』などでは「霊魂について」と訳されてたが
桑子敏雄が【プシュケー】を一貫して「心」と訳し
非常にわかりやすくなった新訳が同じく講談社学術文庫から出てたのだった

宇宙のスケールから人間を解釈した最新理論と比しても
人間のスケールから宇宙を推し量った古代の思想は素晴らしかった!

どちらにも正しさも誤りもあるのだろうが
どちらも「生」への想いに満ち溢れてるのは確かで
科学は偏見や妄信を排除した理性的な目で世界を解き明かす学問だと思ってたが
その謎解きの目標は「生」への想いにあるのだった!!

そこを見失ってしまっては科学は成立しナイし
非情な科学者など在り得ナイ(※)、と改めて思い知った。・゚・(ノД`)・゚・。
非情な科学者に見えるなら、それは科学者を装う詐欺師なのだろう

それにしてもアリストテレスはプラトンのように【対話篇】も書いてるし
一般向けのテキストだって著してたらしいが
惜しむらくは残存してナイのだよ!
尤もプラトンのように完璧に揃って残ってる方が稀な事態なのだがね(-_-;)

ギリシア奇談集

タイトルに「ギリシア」とあるが書かれたのはローマ時代になってからだ

筆者はAelianus・・・ギリシア語読みだとアイリアノスだが
本トはローマ人だからアエリアヌスが正しいのでは?
しかし本編がギリシア語で書かれてるので作家名もギリシア語読みなのだろう

また時代的にはラテン文学の頃なのだが
前述のようにラテン語で書かれてナイのだからラテン文学ではナイ(のか?)

ギリシア奇談集 (岩波文庫)

『ギリシア奇談集』の原題は単に『ポイキレ・ヒストリア』で
ポイキレ(色とりどりの)・ヒストリア(歴史)なので『多彩な歴史』で
内容は確かに多彩で何でもありの様相を呈してるが
例えれば電車の中吊りにあるようなゴシップネタの宝庫なのであるるる~

古代ギリシアからローマ時代までの様々な逸話が460余り掲載されてるが
本文が415ページで注釈がたっぷり付いてるので1つの話は数行のモノがほとんど!
なので最初から最後までをきっちり読破するタイプの本ではなく
目次や索引から興味を引いた部分だけを飛ばし読みするのが愉しい♪

内容的にも現代の雑誌を読む感覚に近いので
なんとなく傍らにおいといてぺらっとめくっては1人ほくそえむ(*^^*)
そんな読み方が似つかわしいのだが書かれてるコトの真偽についても
週刊誌くらいの信憑性と認識しておけば゚+.(・∀・)゚+.゚イイ
この著者の肩書きは政治家でも学者でもなく・・・もしかして著述業か。(゚д゚lll)ギャボ

特筆すべきは古代ギリシアでは非難されなかった男同士のカップルが
以下のように取り上げられてるのが喜ばしい・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

ソクラテスとアルキビアデス
アキレウスとパトロクロス
アレクサンドロス大王とヘファイスティオン
その他諸々ヽ(゚∀。)ノ

まあローマでもキリスト教なんかが蔓延る前は罪を問われなかっただろうが。(´д`;)ギャボ
徹底した男尊女卑の宗教ほど同性愛を認めナイのはなぜだろうw

アレクサンドロス大王についてはカナ~リ載ってて
その師傅(しふ)アリストテレスや父王フィリッポス2世についても然りである
ちなみにこの時代にはアレクサンドロスと言えば大王なので
トロイのアレクサンドロス・パリスについてはパリスとして区別されてる

その他にも
哲学者(ピュタゴラス、プラトン、クセノポン、エピクロス)
英雄(ヘラクレス、アイネイアス、スキピオ)
詩人(サッフォー)
芸術家、僭主、名士、美少年に遊女の四方山話
アテネ、スパルタ等のポリスやその他の諸民族の特性
etc.etc.・・・興味深い話題満載だ