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デーヴィッド・ハーバート・ロレンス(以降D・H・ロレンス)の
『チャタレイ夫人の恋人』を読むのは人生3度目だが
実は1度目も2度目も読了するに至っておらず
2度目なんか回数に入れて゚+.(・∀・)゚+.゚イイのかどうか?!

チャタレー夫人の恋人 (ちくま文庫)

最初に読み始めたのは四半世紀前の高校生の時で
誰の訳だったかは失念したが恐らく削除部分がある版だっただろうが
それでも不倫関係の男女の濡れ場の描写には吐き気を催し
とても続けて読み通すコトができず放置した。(´д`;)ギャボ

ベランジェという詩人がいた―フランス革命からブルボン復古王朝まで

次の機会はワリと最近になってから(2008年)で
『ベランジェという詩人がいた』を読んでたら
ポール・ルイ・クーリエの裁判記録の最後の一文に
次のようにあった

 ロレンスの『チャタレイ夫人の恋人』は、四十年以上前に摘発され、最高裁で有罪が確定した。現在、新潮文庫版の訳本は、今なお問題となった十数か所が削除されたままである。

21世紀の日本で猥褻が理由で削除されたままとか在り得んてw
アマゾンで検索すると1996年には新潮社の伊藤整訳も完訳版になってた
それにしてもそれまででも削除されたままって凄い不思議www
『ベランジェ~』は1994年に出てるので確かに執筆時点までは削除されたままだった

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

この時(2008年)、手元に伊藤訳の『チャタレイ夫人の恋人』があり
しかも有罪判決から2年後の1959年発行の筑摩世界文学大系【56】だったので
開いてみるとあとがきに裁判の過程の詳細があった♪
また、伊藤による解説「『チャタレイ夫人の恋人』の性描写の特筆」
一緒に収録されてるオルダス・ハクスリーによる「ロレンス論」
そしてこのシリーズの巻末に必ずある充実した作品解説と詳細な年譜
更に月報まで附いてて以下が掲載されてた

「ロレンス覚え書」南博
「ロレンスの旅行記」篠田一士
「ロレンス論」(スティーブン・)スペンダー[村上至孝訳]

これらを一通り読んでロレンスについてすっかり心得た気になって
本文は削除部分のアスタリスクを確認して終了・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

新訳 チャタレー夫人の恋人

この時点まで、1996年の伊藤整訳の完訳版が
削除前の元のままのだと思ってたのだが
息子の伊藤礼が削除版に対して補訳を行ったモノだと
今回初めて知って(てか、気付いて)
数多ある訳の中でこれを読むべし、と決心するも
結局は電子書籍版があったので飯島淳秀訳にしてしまった

チャタレイ夫人の恋人について・性の虚偽と真実 (1951年)

『チャタレイ夫人の恋人について・性の虚偽と真実』
なんて著書があるから訳も精確に違いナイ
そうして期待を込めて巻末の解説から読み始めて
本文に差し掛かる前に疑問が浮かんだ

ん?これって完訳?削除部分あり?

奥付けは2005年4月25日になってるが
調べてみたら最初に三笠書房から出たのは1955年で
伊藤整の有罪判決より前だったりして?!

遡れば1950年の小山書店から出てるロレンス選集の第1~2巻が
伊藤整訳の『チャタレイ夫人の恋人』完訳だったが
それが1951年から裁判沙汰になってて1957年に有罪になって
その後に新潮社から削除版を出してたワケで
飯島淳秀訳の初版は1955年で裁判中に出してるコトになるるる~
微妙なトコロだが裁判中では削除部分は謎だったのだから
完訳で出す準備を進めてたに違いナイが
裁判になってるのは周知の事実で
完訳だとしても表現を抑えてたかもしれナイ

色々と思い巡らせながら飯島淳秀訳の電子書籍を
伊藤整の削除部分と照合してみたらアスタリスクがあった!!

飯島訳の初版は間違いなく完訳で出てただろうが
裁判後には発禁になってか、もしくはなる前に伊藤に倣ってか
削除部分をアスタリスクにした版で出し直したのだろう

とにかく完訳ではなかったコトが判明したので気が楽になって
今回は一気に半分ほどまで読んでしまえたが
そこまでで放棄したくなるドギツイ性描写は見当たらず
もちろん、高校生の時と今とでは受け止め方に差はあるだろうが
もしかして前に読んだのは実は完訳だったのだろうか。(゚д゚lll)ギャボ

初稿 チャタレー卿夫人の恋人

☆・・・☆・・・☆

ところで今回は初めてYAHOO!で電子書籍を購入してみたが
KindleにもSONYのReader StoreにもBookLive!にもhontoにもパブーにも
「チャタレー」及び「チャタレイ」で検索してみてなかったのを
ダメ元でYAHOO!で検索したらあったからだ♪
但し、買ってから気付いたのだが対応デバイスが
パソコン、スマートフォン、タブレットはOKでもアプリ未対応で
ダウンロードしてアプリから直接オフラインでは読めず
オンラインでYAHOO!ブックストアにログインして
[わたしの本棚]ページから開くコトしかできなかったヽ(゚∀。)ノ

そうして探してる間に伊藤整の『女性に関する十二章』が
SONYのReader Storeで「チャタレイ」で検索に引っかかったので購入し
試しに「チャタレー」で検索をかけたら以下も見つかった

宮本百合子『「チャタレー夫人の恋人」の起訴につよく抗議する』
『あなたの知らないロレンスとチャタレー―新潮45 eBooklet 教養編5』

後から改めて『女性に関する十二章』のタイトルで検索したら
KindleにはなかったがBookLive!にもhontoにもあった?!
つまり、SONYのReader Storeについて
検索機能が利用者にとって最適化されてる、と言えるるる~

毎年11/3の文化の日を挟んで2週間が読書週間だが
常日頃、隙を見ては本を読んでるような人間にとっては
むしろ意識しづらいイベントだったりする

それでも今年は3連休で呑みの予定もナイので
そこは引き籠って非日常的な読書をしようと思い立った

サテリコン [DVD]サテュリコン―古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫)

例えば、葡萄酒と乾酪を用意して
フェリーニの『サテリコン』を観ながら(繰り返しかけながら)
ペトロニウスの『サテュリコン』を通して読むとかね♪

とはいえ、連休前後は日常生活を全うしなければなので
その間には普段だったら読まナイような本を読もうかと・・・
もちろん読む意義のナイモノを読みはしナイワケで
過去に必要性を感じて読み始めたのに途中で放棄してしまった本
換言すれば、読む意義に到達できナイままになってる本を
改めて読み直そうとゆーワケであるるる~

D・H・ロレンスの『チャタレイ夫人の恋人』
ギョーム・アポリネールの『一万一千本の鞭』
『青髯ジル・ド・レー―悪魔になったジャンヌ・ダルクの盟友』

自分、近代の官能小説(伝記)が苦手なのだろうか。(´д`;)ギャボ

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

確かに、ロレンスの『チャタレイ夫人の恋人(無修正版)』は
男女の性描写が吐き気を催すほどキツかったのでやめたのだがね
そしてアポリネールの『一万一千本の鞭』も『青髯ジル・ド・レー』も
凄惨な場面の連続で悪夢に魘され続けて断念したのだが
マルキ・ド・サドの著作なら読めるのはなぜだろうか。(゚д゚lll)ギャボ

とりあえず再読してみるコトにして
既に電子書籍で購入してあった『一万一千本の鞭』から読み始めた

☆・・・☆・・・☆

それにしても今更『一万一千本の鞭』なのは
アポリネールの『若きドン・ジュアンの冒険』を読んで
こっちは何も問題なく最後まで読了できたからで
むしろ表現にツボな部分が多く、愉しく読み進めたし
余りにも清々しい終わり方には感動さえした

若きドン・ジュアンの手柄ばなし (河出文庫)
BookLive!の電子書籍版(グーテンベルク21)では『若きドン・ジュアンの冒険』となってた

そもそも『若きドン・ジュアンの冒険』を読むきっかけは
ジョージ・バーナード・ショーの『人と超人』で
これでドン・ジュアン(ドン・ファン)について再考したくなって
モリエールの『ドン・ジュアン』を読み返したりしてた際に
BookLive!で検索に引っかかったのだった

アポリネールの描くドン・ジュアンの人物像は
『一万一千本の鞭』から想像するだに恐ろしかったが
ググってみるとドン・ジュアン当人の物語でなく
映画化されたモノが日本でも『蒼い衝動』として公開されてた

『蒼い衝動』なら深夜映画で観た記憶があった
うろ覚えだが少年が家庭教師と初体験、みたいなカンジで
その原作だったら読めナイレベルではなくね?

ドン・ジュアン (岩波文庫)

怖いもの見たさも手伝って電子書籍を購入して読んでみたら
先述の通り、フツーに、いや、愉快に読めたし
モリエールの軽妙な『ドン・ジュアン』と比しても
ラストは断然こっちがよかった!
(尤もモリエールの時代には当局が検閲にうるさかったので
ましてや脚本ともなると上映禁止にされるのは不味いからってコトで
あの終わり方しかやりようがなかったのかもだがね)

とにかく俄然『一万一千本の鞭』の結末が知りたくなった!!

☆・・・☆・・・☆

最初から最後まで3日かけて読了した感想は
頑張って読んだ甲斐はあった・・・バタリ ゙〓■●゙

1万1千の鞭 (河出文庫)
BookLive!の電子書籍版(角川文庫)では『一万一千本の鞭』と「本」が入ってた

とにかく主人公のプリンス・モニイ・ヴィベスクが
あらん限りの在り得ナイ非道を尽くすのだが
汚なさの点では食欲も性欲も喪失するレベルに不潔極まりなく
潔癖症の人間に読ませたら憤死するコト間違いナシ(-_-;)
残虐さの方はさすがに読み飛ばさずにはいられナイシーンもあったが
ずっと許容範囲を超えた状態だと憐憫の情も尽きてくるし
想像しナイように思考を止めてしまうスイッチも入るようになり
機械的に文面を追ってやり過ごしてしまえたヽ(゚∀。)ノ

途中から日露戦争の戦場に舞台が移動すると
戦地に娼館があって、そこにいる日本人の娼婦が境遇を語るのだが
アポリネールはまるで日本の文化に造詣が深そうに
色々織り交ぜてきて、結果的にちぐはぐになってて可笑しいし
日本軍の捕虜となったプリンス・モニイ・ヴィベスクが
処刑を言い渡されて惨殺されるラスト・シーンは
こう言っちゃあ何だがやはり清々しかった・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

一切の虚飾を剥ぎ取って、恥辱の限りを与え
息の根を止めるに飽き足らず、血肉まで削ぎ落として

さあ、この骨も露わな肉塊が人間の正体だ!
どうだ、皆いずれこうなる!!

う~む、実に清々しいヽ(´▽`)/
タイトルの謎も解けて読後は爽やかな気分にさえなったが
誤解のナイように付け加えれば、決して人間の尊厳を蔑にしてるワケではナイ
断じて・・・(-人-;)