常夏随想

常夏とは撫子(なでしこ)の異名である
なでしこJAPANの優勝がこの時季なのは偶然だろうが
折りしも撫子は満開ヽ(´▽`)/

清少納言は『枕草子』の中で
唐撫子はもちろんだけど大和撫子もとてもステキ、とか
絵にすると見劣りする=絵にも描けない美しさ、とか
なでしこを愛でてるが
自分はどうも撫子にはギクッとくるモノがある

撫子に蝶〃白し誰の魂

正岡子規のこの印象的な句のせいだろう・・・

写真の河原撫子は東御苑の二の丸の休憩所前で撮ったモノだが
ここには並んで桔梗(キキョウ)と女郎花(オミナエシ)が咲いてて
桔梗の紫と女郎花の黄色と撫子の淡いピンクが
まるでお互いを引き立て合ってる仲の良い三姉妹のよう(*^^*)

源氏物語―付現代語訳 (第10巻) (角川ソフィア文庫)
与謝野晶子の源氏物語〈下〉宇治の姫君たち (角川ソフィア文庫)

『源氏物語』の「手習」にこの三姉妹が並んで咲いてる情景の描写があるが
この場合は三姉妹ではなく
1人の美女浮舟と彼女を愛する2人の男薫と匂宮だ

「手習」自体も最後から2巻目だが
要するに浮舟は『源氏物語』における最後のヒロインで
光源氏の死後の話なのはもちろんだがだからこそこのヒロインは異色で
立派な2人の男に愛されながらどちらも選べずに身を引き
遂には自殺を図る・・・ものの一命を取り留めたが後に出家(-人-;)

モテる美女なんてのは
こうしてえてして不幸なのだが
それに比べて光源氏に愛された女が
例え一夜限りでもどれほど幸せだったか・・・いや、それもどうかとヽ(゚∀。)ノ

この浮舟が女郎花に例えられてるが
確かに女郎花は繊細で儚げで何とも美しいだに物悲しい・・・

与謝野晶子の新訳『源氏物語』の「手習」冒頭では
晶子が次のような歌を詠んでる

ほど近き法(のり)の御山(みやま)をたのみたる女郎花かと見ゆるなりけれ

東御苑の三姉妹の背後には萩が
ピンクの小花をたくさんつけた枝を風にそよがせてる
花札では7月の絵柄だが満開はもう少し後で
9月になれば向島百花園で萩のトンネルをくぐるコトができる

萩、女郎花、撫子は秋の七草に数えられてるが
これは『万葉集』の山上憶良の次の歌からきてる

萩の花 尾花葛花 瞿麦の花 をみなへし また藤袴 朝貌が花

瞿麦が撫子(の異名)で尾花はススキのコト
桔梗が入ってナイのがなんか残念だな