白百合

白い花と言えば、真っ先に思い浮かぶのは百合だが
日本に自生の白百合となるとテッポウユリ(鉄砲百合)で
学名はLilium longiflorum

テッポウユリ
(上野不忍池付近で7月下旬に撮影)

テッポウユリは花冠筒(花弁の根元の筒部分)が長細くて
横から見ると鉄砲のような形状なのでその名がついたのだろう
ササユリ(笹百合)との比較スケッチがわかりやすい

ササユリとテッポウユリ

ササユリはその名の通り葉が笹に似てるが
学名がLilium japonicumでまさしく日本原産だ

稀に白百合(アルビノ)も存在するが
花弁が淡いピンク色で花粉は赤褐色がデフォなので
ササユリの原産地である四国・九州辺りでは
もしかしたら百合のイメージはピンクなのかもしれナイ?!

いや、鹿の子百合とか・・・

鬼百合とか・・・

山百合だってベースは白だけど
毒々しいほどの斑点模様があるるる~

百合が白いってイメージを植えつけられたのは
自分の場合は間違いなくキリスト教の受胎告知図だろうて

マリアが神の子を宿したコトを
大天使ガブリエルが告げに来る際に手にしてるのが
純潔の証しの白百合なのだよ
以下のガブリエル画像コレクションを参照してくれたまえw

バプテスマのヨハネ / 大天使 / 大天使ガブリエルとの出会い

ところでこれはダヴィンチの描いた百合のデッサンで
彼の潔癖なまでの精密さからしたら
現物と寸分違わずに描かれてるのだと断言できるが
自分には一見して百合の花と断定しづらい

いかんせん、葉が日本の百合にはナイ形で
花弁も短かめで巻きが甘いカンジ?
これはwikiの日本語版にはなかったが他言語版ではあった

英語でMadonna Lily、学名はLilium candidumで、和名はニワシロユリだ
このwikiページには数枚の写真がアップされてるが
その中の1枚のキャプションにShoshan(ショーシャーン)とあった!
ショーシャーンとかシューシャーンてのは
ヘブライ語で百合の意だ(と、『聖書植物大辞典』、『聖書象徴事典』にあった)!!

聖書植物大事典聖書象徴事典

なぜ覚えてたのかと言えば
古代ペルシアの都スーサもヘブライ語ではシューシャーンとなり
語源が百合と同じだとされてるからだが
このスサの王が『古事記』に出てくる「スサノオ」で
スサノオの別名スメラミコトは「スメラ(シュメール)の神」で
日本人のルーツが実は・・・って話に繋がるるる~

と、話が逸れた、白百合のルーツだったw
小石川後楽園の庭内のそこかしこに咲いてる白百合が
台湾固有種のタカサゴユリ(高砂百合)と知って驚愕したのは数年前のコトだ

タカサゴユリ
(小石川後楽園で8月中旬に撮影)

それとゆーのも小学生の頃に図鑑でテッポウユリとの違いを調べたら
タカサゴユリには花冠筒に薄紅色の筋が入ってる、とあったので
筋がナイ=テッポウユリ、と固く信じてたのだった(-_-;)

これがアルビノだったりで筋はなくとも
葉の形状(細い葉)でタカサゴユリであるのは明らかだったのだ。(´д`;)ギャボ
ちなみに学名はLilium formosanum

タカサゴユリ
(都市センターホテルで8月上旬に撮影)

そうと知って以来、よく注意して見てみれば
都心で見かける白百合は殆どがタカサゴユリなのだった。(゚д゚lll)ギャボ

タカサゴユリ
タカサゴユリ
タカサゴユリ

紅百合

上野の東京都美術館のウフィツィ美術館展
ボッティチェリの『パラスとケンタウロス』を観に行ったが
他にも数点めぼしいモノがあったので
それらについても書き留めておく

が、その前に
メインの『パラスとケンタウロス』について
昨日書いた記事[パラスとケンタウロス]の追記を

図録を買ってきて解説を読んでたら
目録では以下のようなタイトルもつけられてたそうだ

古い順にまず『カミラとサテュロス』とな(゚ ゚;)???
カミラって名とこの武装からしたら
ウェルギリウスの『アエネイス』に出てくるアマゾネスか?!
いや、でもこれ、サテュロスは違うね
下半身が馬ではなくってよ。(´д`;)ギャボ

アエネーイス

次の『二人の人物像の大きな絵画』って・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
これまた随分とテキトーなw
ケンタウロスがどうしたら人物に見えたんだwww

そして『ミネルヴァとケンタウロス』となるワケだが
こうしてこれまでの変遷を考慮したればこそ
この女がパラス・アテネかどうかは疑わしくなった
とはいえ、それなら誰なのかはいくら考えてもわからん。(゚д゚lll)ギャボ

ボッティチェリよ、魅力的な謎をありがとう!

そしてボッティチェリのもう1つの秀作があった

『聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルとガブリエル』だ
これはもう見た瞬間に誰がどれだがすぐわかるように
アトリビュート(特定の持ち物)を携えてる

剣を持つミカエルと十字の杖を持つヨハネ
そして百合の花を持つガブリエル

それにしてもこの絵(トンド)は初めて見た!
ググっても引っかからなかったからネット上にはナイ?
としたら、もしかしてこれが1番の収穫だったんだろうか?!
このガブリエル、表情もレアだし、なんと美しい・・・ホゥ(*-∀-)

次のもボッティチェリで聖母子像だが
この天使がカメラ目線(?)でカワ゚+.(・∀・)゚+.゚イイ
巻き毛も愛らしくて好みのタイプの美少年だなあ♪

ここまでの3枚のボッティチェリのポストカードがあったら
それらを買って帰る、か、なかったら図録を買おう、と決意した

で、結論から言えば、図録購入した
さすがにケンタウロスのはグッズも色々あったけど
残念ながらトンドの聖母子像のポストカードはなかったし
3枚目の聖母子像はポストカードがあったものの
聖母子像がクローズアップされてて美少年天使がちょん切れてたりで
納得行かなくてそれは買わず・・・

他にはこのラファエルとトビトも
足元の子犬が可愛かったんで気に入った

これは人物でなくて
フィレンツェの紅百合の紋章が目に留まった

そう、フィレンツェの百合の紋章は紅いはずなのに
売ってたトートバッグは白百合だったりしてヽ(゚∀。)ノ

まあ買ったけどね~

カサブランカ

CASA:家
BLANCA:白い

スペイン語で「白い家」の意

ユリにこの名の品種があるがもちろん白さが際立ってるし
とにかくでかくて堂々としてるるる~

< 誕生日 結婚記念日 フラワーフラワーギフト 贈り物におすすめ> 花束 百合の女王カサブランカ

と思いきや、花屋には白くナイカサブランカもあり
疑問に思ってググってみると
ネット上でもゴールデン・カサブランカなる黄色いのがあれど
それはあくまでもゴールデン・カザブランカであって
カサブランカではナイと思われヽ(゚∀。)ノ

そんなカサブランカ事情をすっきりと説明してくれてるのが
JUNK STAGEのコラム「花ビト人間模様」にあった

☆・・・☆・・・☆

どういう経緯か仏領モロッコにはカサブランカとゆー町があり
同名タイトルの映画によって有名である

カサブランカ [Blu-ray]

この映画は第二次大戦中の1942年に制作されたが
当時のナチスが席巻したヨーロッパの状況が反映されてて
イングリット・バーグマン演じるイルザは
レジスタンス運動の指導者ラズロの妻で
この夫婦はフランスからアメリカへの亡命を望んでいたが
そういう人々がまずやってくる経由地がカサブランカだったのだ

ボギーことハンフリー・ボガートの役ドコロは
カサブランカでクラブのオーナーをやってるリックなる伊達男だが
世知に通じてて裏では亡命者に通行証の手配などしてるので
ラズロとイルザもリックの手を借りに店にやってきた

そこでイルザが『As Time Goes By』をリクエストするも
リックはその曲を演奏するのを禁じてた

テナーサックス ジャズ・スタンダード名曲選ベスト~As Time Goes By~ 豪華生演奏CD付き

イルザにとっては懐かしい佳き日の思い出に浸れる曲だったが
リックにとっては苦い過去を思い出させる曲だったのだ

ネタバレしてしまえば、イルザとリックはかつて恋人同士であり
実はその時既にイルザはラズロの妻でもあったが
ナチスに捕らえられたラズロが死んだものと思い込んでて
失意の渦中に出会ったリックと愛し合ったのだった。(゚д゚lll)ギャボ

ここでイルザが拙かったのは、まずリックに夫の存在を隠してたコトだろう
しかもリックとフランスから脱出する手はずが整ったトコロで
ラズロが生きてたと知ったからって、忽然と姿を消すのもどうかと。(´д`;)ギャボ

裏切られた、以外にリックには納得行く理由が見つけようもなかろうて(-_-;)

そうした奇妙な運命の巡り合わせによって
出会い、別れ、再会し、女は再び選択を迫られるるる~

イングリッド・バーグマン―時の過ぎゆくまま

信条を持って愛し続けてきた夫ラズロの故に
已む無く裏切って傷つけてしまった過去の恋人リック

この時代の女は自立して生きるなんて選択はナイに等しく
そもそも男ほどロマンティストではいられナイので
愛情よりも損得勘定で男を望むのだろうが
イルザの場合にはそうとも割り切れナイ複雑な事情と心情が絡み合い
どちらも選べずにいた・・・恐らく

結局、そこでキツイ選択をしたのは実際にはイルザではなく
リックが選択して、それをイルザに受諾させたのだった・・・バタリ ゙〓■●゙

カサブランカ (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)

リックは深い愛情ゆえに女を追い詰めたくナイのだろうて
見せ掛けだけのフェミニストは多いが
本トの優しさを隠し持つ男には滅多にお目にかかれナイので感慨深い

☆・・・☆・・・☆

それにしてもそんなリックの有名な台詞

君の瞳に乾杯

これは日本人に言われたら不気味だが、もう1つの名台詞

昨夜?そんな昔のことは覚えてない
今夜?そんな先のことはわからない

美しい人にこんな風にさらりと交わされるのなら悪くナイ♪

ドイツ軍歌『ラインの護り(Die Wacht am Rhein)』と
フランス国家『ラ・マルセイエス(La Marseillaise)』が
効果的に使われてるのも特筆すべき点だが
今回「漫画・世界名作ムービー」を入手したため
これにドイツ語とフランス語で歌詞が載ってたのがお得だった

カサブランカ (漫画・世界名作ムービー)

ヒュアキントスとアイアス、オウィディウスとブルフィンチ

美少年が死ぬと花や星になるのが常だが
無骨な武人が死んで美少年と同じ花になるコトもあるとは。(゚д゚lll)ギャボ

アポロンに愛でられた美少年ヒュアキントスも
巨漢でボンクラで美しさの欠片もナイトロイ戦争の勇士アイアスも
実は同じヒアシンスの花になったらしい?!

(前略)また、いつか、名にし負う豪勇のアイアスが、やはりこの花に身を変じ、同じその花びらに、彼の名前が読みとれるだろう

これはオウィディウスの『変身物語』の中で
アポロンがヒュアキントスの死を悼む台詞の一部だが
予言の能力を持つアポロンがヒアシンスとなってしまったヒュアキントスを前に
後にアイアスも同じ花になるだろう、と言及してるるる~

ムキ~p(-_-+)q

初めて読んだ時には耽美主義者として
美醜を一緒くたにしてしまったオウィディウスの美的感覚に憤慨したね

愚鈍な大男が空威張りしてる醜悪さは何にも増して醜いありさまだが
トロイ戦争においてはその最たる人物がこの大アイアス(※)だ
頭に血がのぼるのは早いが頭の血の巡りは遅いタイプで
悪意はナイのだろうが大男にありがちな乱暴者と見做されてて
嫌われ者でもなかったろうが恐らく煙たがられてた向きはあったかと思われ
アイアスとゆー名の武将がもう1人いるためにその体位から大アイアスと称されてた

自分は悪辣で薄情なオデュッセウスも虫が好かナイが
それでも亡きアキレウスの武具の取り合いでオデュッセウスが勝って
アイアスざまぁwww、くらいに思えてたのだから
いかにアイアスが生理的に好かナイってか無意識の嫌悪感があったか・・・

このアキレウスの武具の取り合い~アイアスの自殺までは
オウィディウスの『変身物語』にはなんと26ページにも渡って描かれてるのだが
アキレウスの死後なのでホメロスの『イリアス』にはナイ場面だし
他のギリシア神話の挿話集には詳しく載ってナイ。(゚д゚lll)ギャボ

メタモルフォーシス ギリシア変身物語集 (講談社文芸文庫)
ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)
ギリシア悲劇〈2〉ソポクレス (ちくま文庫)

特に【アイアスのヒアシンスへの転身】はオウィディウスのオリジナルなのか
近代に至ってトマス・ブルフィンチが『ギリシア・ローマ神話』で取り入れてるのみだ
但しオウィディウスがオデュッセウスの主張(言い訳)に16ページも費やし
アイアスの自身の武勲とオデュッセウスの非についての演説にさえ8ページ使ってるのに対して
ブルフィンチはアイアスとオデュッセウスの台詞は総てカットしてるがね
それでもブルフィンチはヒュアキントスの死後のアポロンの長台詞は
オウィディウスをそっくりそのまま引用してるので
このアポロンの予言に辻褄を合わせて仕方なく(?)取り入れたのかヽ(゚∀。)ノ

またブルフィンチはその注釈に
その花がLarkspur(ひえんそう)の一種であり
学名がDelphinium Ajacis(デルフィーニウム・アイアーキス)だとしてて
つまり、ヒュアキントス≒ヒアシンス、アイアス≒アイアーキス
とゆー類似性も指摘してる
尤も学名の「アイアーキス」は近代になってから
むしろアイアスが転身した花を想い起こした学者(リンネか?)の方が
オウィディウスに倣って付けたのだろうから何の信憑性もナイがw

まあ今と違ってググれなかったのだから
ブルフィンチが該当する花を探し当てるのは大変な作業だったろう。(´д`;)ギャボ

Larkspurでググってみるとなるほどヒアシンスぽい花だね

Delphinium Ajacisでググってみるといかにもってカンジの鮮紅色のがあった

アイアスの自殺に焦点を当てたソポクレスの悲劇『アイアス』では
やはり【アイアスのヒアシンスへの転身】はナイのだが
その名に悲しい際に発する「AI:アイ」の音があるコトをアイアス自らが嘆いてる場面ならある

わしの名がこの不幸と、これほどぴったりとその音を合わすことになろうとは、(後略)

ヒアシンスのどの辺りが「AI」なのかは謎だが(-_-;)???

ところでアイアスの死を嘆き悲しむアイアスの妻テクメッサについては
オウィディウスにもブルフィンチにも全く記述はなく
ソポクレスの悲劇『アイアス』を読むまで知らなかったが
そんなだから既にこの悲劇が大アイアスの方だと知った時には驚愕した!
アイアスの自殺って全然悲劇的には思えなかったからね!!
アリストパネスなら喜劇になるかも、なんて意地悪な見方さえしてたのだ(゚*゚;)

しかし『テクメッサの嘆き』とゆー音楽によって導かれ
アイアスについて色々と読み返してみたら改めて可哀想に思えてきて
特にオウィディウスの『変身物語』は180度見解が変わった

ただでさえ血の巡りの悪そうなアイアスだから
狡猾なオデュッセウスと言い争って勝てるワケもナイと思うのだが
アイアスは確かに力は強かったのは間違いナイし
それをギリシア勢の中で認められてるコトが彼の誇りだっただろうし
認めてくれてるはずの仲間を信じてた

だからアイアスはあえて武力に訴えずに権利を主張したのだろうが
むしろオデュッセウスは弁論術なら絶対に勝てると思って挑んだのだろう
実際アイアスのオデュッセウス批判は尤もだし
オデュッセウスが非を覆すのに述べてるコトは雄弁とゆーよりは詭弁でしかなく
よくぞそこまで恥も外聞もなく開き直れると感心するくらいだが
そんなオデュッセウスの主張が通ってしまうのは
なんせアガメムノンが総大将なくらいだから
ギリシア勢の知的レベルがいかに低いかってものだ(;つД`)

しかしそれでいくらオデュッセウスに騙されてたからって
同胞のアイアスに対してギリシア勢の情け容赦がまるでナイのは酷いし
孤立無援となったアイアスがギリシア勢に抱いた復讐心と
その復讐を果たせなかった末に自殺に至った無念さは確かに悲劇だ、泣けてきた。・゚・(ノД`)・゚・。

キュパリッソスとヒュアキントス

1番好きな曲は『アポロン讃歌』だった

母親が来日した『ミロのヴィーナス』を1964年に観に行った際に
会場で買ってきたソノシートに入ってたフルートとハープの協奏曲で
『アポロン讃歌』と書いてあったのでそういうタイトルの曲なのだと思ってたのだ

いつの間にかこのソノシートが行方不明になってしまい
ググって見つけた『アポロン讃歌』目当てで
『古代ギリシアの音楽』なるCDを購入したのが数年前・・・
購入してすぐに『デルポイのアポロン讃歌』と『太陽神への讃歌』を聴いてみたが
自分が探してた曲とは違った・・・

珍しく落胆しつつも頭からかけ直してみると
古代ギリシアの楽器を再現して演奏してるだけあって
なんとも不思議な気分になる音楽だ
例えれば雅楽に1番近い
歌もお経ぽいw

ふと弦楽器のメロディーに捉えられて次の瞬間に震撼!
まさしく『アポロン讃歌』の主旋律だ!!
しかしタイトルは『テクメッサの嘆き』だったが・・・

そして弦楽器で奏でられると物悲しさは増して
自分の脳裏に残ってる曲の印象からだと
まだ希望の光が見えてた部分があったのだがこれは全く失われてる
途中から主旋律は打楽器に変わり陰鬱さがいや増し
悲愴感の中に置き去りにされて終るるる~

深い悲しみに包まれた『テクメッサの嘆き』ぱ+.(・∀・)゚+.゚イイ
でも自分はやはりフルートとハープのVer.の方が好ましいがね
聴き慣れてるのと失ったモノに対する哀惜を差し引いても

そして全編を何度か通して聴いてるうちに改めてはっきり認識したが
フルートの音自体が好きなのだな、自分
このCDの中ではシュリンクスとゆーパンフルート(葦笛)なのだが
金属製のモノより音に温かみがあって゚+.(・∀・)゚+.゚イイ

透明感のある美しい音色のフルートには鳥肌が立つほど感動するけど
シュリンクスは素朴な優しさに触れた時のように癒される・・・ホゥ(*-∀-)

ギリシア悲劇〈2〉ソポクレス (ちくま文庫)
夏の寓話 (山岸凉子スペシャルセレクション 6)
Ovid Metamorphoses

ところで『テクメッサの嘆き』のテクメッサは
トロイ戦争のギリシア方の英雄アイアスの妻なのだが
その嘆きはアイアスが狂気に陥って自殺してしまったコトによる・・・

アキレウスの遺物の武具をアイアスとオデュッセウスで奪い合い
まんまとオデュッセウスに出し抜かれてしまったアイアスはプライドを傷つけられ
その夜、ギリシアの武将たちを皆殺しにしてしまおうと決心したが
女神アテナによって狂気を齎されたアイアスが殺したのは
ギリシア勢でなく家畜だった。(゚д゚lll)ギャボ
正気に戻ったアイアスは笑い者になるコトに耐えかねて自決・・・バタリ ゙〓■●゙

妻のテクメッサにしてみれば夫の死はそれだけでも無念だろうが
狡猾なオデュッセウスに陥れられた末の死は納得が行かなかっただろう

テクメッサを想いながら聴けば悲愴感に加えて
生半可ではなかった憤慨や憤怒にぞっとさせられるモノがある・・・
曲の主題からはこの演奏の方が確かに的を得てるのだった

そんなワケで今まで『アポロン讃歌』だと思って聴いてた1番好きな曲は
『テクメッサの嘆き』の別Ver.だった

確かにポイボス(光り輝く)と冠されるアポロンを讃えた歌にしては
似つかわしくナイ陰鬱な調べだとはうすうす感じてたのだが
主旋律のフルートの甘やかな音色と伴奏のハープの瑞々しい響きが
その思いを撤回させ続けてきたのだった

そもそもアポロンの伝承には【太陽神】としての輝かしい英雄譚はナイ
比する者のナイ美貌と予言の能力と医術の心得と弓矢の技量と音楽の才気を持つ
神々の中でも格別に恵まれた神でありながら悲恋の物語ばかりだw

唯一アポロンの息子パエトーン(※)とのエピソードは悲恋ではナイが
最終的にパエトーンは死んでしまったし・・・
そう言えばアポロンの恋人たちは皆、死んで植物に身を変えてしまったので
沈痛な調べの哀歌が『アポロン讃歌』であるのは正しいのか?!
山岸凉子による『パエトーン』がe-BOOKで公開中

アポロンの恋人、とゆーか想い人だったキュパリッソスは
オウィディウスの『変身物語』によれば
ケオス島一の美少年であったが
いつも一緒にいた仲良しの鹿をうっかり槍で傷つけて
殺してしまい
これを嘆き悲しむ余り糸杉になり
糸杉となったかつての美少年を想って
【太陽神】アポロンは悲嘆にくれた、とある

溺愛してる無垢な動物の突然の死はそれだけで痛ましいが
ましてや自分が殺めてしまったとなれば
キュパリッソスの悲痛はいかばかりか・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

しかしアポロンはキュパリッソスの心痛を想って胸が痛む以上に
キュパリッソスを失ってしまったコトを悲しんでるようだ
もっと的確に言えばキュパリッソスの美貌に対して惜しんでるのだ

そして同じ本によれば
アポロンの恋人だったヒュアキントスは
スパルタの美少年であったが
いつも一緒にいた仲良しの【太陽神】が投げた円盤に当たって
死んでしまい
これを嘆き悲しんだ【太陽神】は彼をヒアシンスの花に変え
ヒアシンスとなったかつての美少年を想って
【太陽神】アポロンは悲嘆にくれた、とあるが
ヒュアキントスの方はもう歴然としたアポロンの恋人であったため
悲嘆にくれてる様子も2ページに渡って描写されてるるる~

美貌の恋人の若過ぎる死はそれだけで痛ましいが
ましてや自分が殺めてしまったとなれば
アポロンの悲痛はいかばかりか・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

ここでアポロンは最愛のヒュアキントスを失った悲しみと
その悲しみの原因が自分である無念さによって
まさに糸杉になったキュパリッソスと同じ嘆きを経験するワケだ!

この2つの変身譚は
間にガニュメデスを挟んではいるものの連続して編まれてるのは
オウィディウスが悲劇の応酬と再現による相乗効果を狙ってるのでは?!

それにしても輝ける【太陽神】であるアポロンの逸話は
どうしてこうも悲哀に満ちてるんだろうか?

そしてこの悲哀の「哀:アイ」だが
ちょうど古代ギリシアでも「AI:アイ」は悲しい際に発する言葉のようだ

こうして、この花には、「哀々:あいあい」という嘆きの文字がえがかれたのだ。

しかしヒヤシンスのどの辺がAIに見えるのかは謎だ???

また上の写真では白いが

テュロス染めの紅(くれない)よりも鮮やかな花

だったそうだ・・・
テュロス染めとはフェニキア開港都市テュロス(ティルス)の特産品の紫貝で染めた布だが
逆に言えばこの布が鮮紅色に程近い赤紫だったとゆーコトか(゚ ゚;)

常夏随想

常夏とは撫子(なでしこ)の異名である
なでしこJAPANの優勝がこの時季なのは偶然だろうが
折りしも撫子は満開ヽ(´▽`)/

清少納言は『枕草子』の中で
唐撫子はもちろんだけど大和撫子もとてもステキ、とか
絵にすると見劣りする=絵にも描けない美しさ、とか
なでしこを愛でてるが
自分はどうも撫子にはギクッとくるモノがある

撫子に蝶〃白し誰の魂

正岡子規のこの印象的な句のせいだろう・・・

写真の河原撫子は東御苑の二の丸の休憩所前で撮ったモノだが
ここには並んで桔梗(キキョウ)と女郎花(オミナエシ)が咲いてて
桔梗の紫と女郎花の黄色と撫子の淡いピンクが
まるでお互いを引き立て合ってる仲の良い三姉妹のよう(*^^*)

源氏物語―付現代語訳 (第10巻) (角川ソフィア文庫)
与謝野晶子の源氏物語〈下〉宇治の姫君たち (角川ソフィア文庫)

『源氏物語』の「手習」にこの三姉妹が並んで咲いてる情景の描写があるが
この場合は三姉妹ではなく
1人の美女浮舟と彼女を愛する2人の男薫と匂宮だ

「手習」自体も最後から2巻目だが
要するに浮舟は『源氏物語』における最後のヒロインで
光源氏の死後の話なのはもちろんだがだからこそこのヒロインは異色で
立派な2人の男に愛されながらどちらも選べずに身を引き
遂には自殺を図る・・・ものの一命を取り留めたが後に出家(-人-;)

モテる美女なんてのは
こうしてえてして不幸なのだが
それに比べて光源氏に愛された女が
例え一夜限りでもどれほど幸せだったか・・・いや、それもどうかとヽ(゚∀。)ノ

この浮舟が女郎花に例えられてるが
確かに女郎花は繊細で儚げで何とも美しいだに物悲しい・・・

与謝野晶子の新訳『源氏物語』の「手習」冒頭では
晶子が次のような歌を詠んでる

ほど近き法(のり)の御山(みやま)をたのみたる女郎花かと見ゆるなりけれ

東御苑の三姉妹の背後には萩が
ピンクの小花をたくさんつけた枝を風にそよがせてる
花札では7月の絵柄だが満開はもう少し後で
9月になれば向島百花園で萩のトンネルをくぐるコトができる

萩、女郎花、撫子は秋の七草に数えられてるが
これは『万葉集』の山上憶良の次の歌からきてる

萩の花 尾花葛花 瞿麦の花 をみなへし また藤袴 朝貌が花

瞿麦が撫子(の異名)で尾花はススキのコト
桔梗が入ってナイのがなんか残念だな

毒草の虜

科学雑誌Quarkでの植松黎の「毒草の饗宴」の連載は毎回楽しみだった

毒を持つ植物を毎回1種づつカラー見開き2ページ(※)で紹介してて
3年3ヶ月に渡り39種の毒草の魅力を堪能した
稀に4ページとか6ページの時もあった

毒草の誘惑 (Quarkスペシャル)
毒草を食べてみた (文春新書)

購読してたのでその総ては確かに手元にはあったのだが
どの号に何が入ってるのか探し当てるのは容易ではなかったので
1997年5月に『毒草の誘惑~Quarkスペシャル~』として
109ページオールカラーの大型本にまとめられた際にはすぐさま購入した

これを元に文庫本『毒草の誘惑―美しいスズランにも毒がある』として
310ページ巻頭カラーで2001年6月に(再?)発刊されたのは
さすがに購入しなかったのだが文庫本が別にあった方が更に便利なワケで
後からやはり購入しようと思い立ってアマゾンで探したのだが
時既に遅し、どちらも絶版となってた

カラー図説 毒草の誘惑―美しいスズランにも毒がある (講談社プラスアルファ文庫)

『毒草の誘惑』で紹介されてたのは以下の39種だった

ケシ、アサ、フクジュソウ、サンギナリア、コブシ、トリカブト、スズラン、イヌサフラン、クサノオウ、ジギタリス、チョウセンアサガオ、シキミ、クリスマスローズ、コカノキ、スイセン、イチイ、マムシグサ、コンドデンドロン・トメントスム、ストリキノス・トキシフェラ、ストロファンツス・グラツス、ニガヨモギ、キンポウゲ、ハシリドコロ、キョウチクトウ、マオウ、ウルシ、トウワタ、イラクサ、タバコ、アセビ、ヒヨス、ドクウツギ、ペヨーテ、ヨウシュヤマゴボウ、バイケイソウ、ヒガンバナ、ドクムギ、ドクササゴ、ゲルセミウム・エレガンス

上記2冊とは別に2000年4月に『毒草を食べてみた』なる本が出てて
これはまだ入手可能だったので購入してみた

著者が同じなのでダブってる部分も多いが
『毒草を食べてみた』では44種の植物が名を連ねてる

ドクウツギ、バイケイソウ、キョウチクトウ、トリカブト、フクジュソウ、キナ、バッカク、シキミ、ドクゼリ、アサ、スイトピー、ヒガンバナ、スズラン、タバコ、コカ、ジギタリス、イヌサフラン、インドジャボク、クラーレノキ、マチン、ストロファンツス、イラクサ、ケシ、クサノオウ、スイセン、オトギリソウ、アセビ、マンドレーク、ヒヨス、ベラドンナ、アイリス、イチイ、ポインセチア、クリスマスローズ、ビンロウ、マオウ、トウワタ、チョウセンアサガオ、ペヨーテ、ドクニンジン、ニガヨモギ、エゴノキ、ミトラガイナ、ゲルセミウム・エレガンス

歴史上の事件や推理小説などのネタもあるので
単に雑学好きな方にも楽しめるかと・・・