ブルフィンチの『中世騎士物語』

小学生の頃はスパロボアニメヲタだったので
フジテレビの日曜19時枠の番組は見逃せなかったが
『燃えろアーサー』のシリーズ(※)からスパロボではなくなってしまい
一応観てはいたがスパロボほどに心躍るモノはなかった
『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』と続編の『燃えろアーサー 白馬の王子』からなる

ANIMEX 1200シリーズ 76 組曲 円卓の騎士物語 燃えろアーサー

それでもこの頃から既に、お姫様より侍女、王子様より騎士の方が
断然カッコ゚+.(・∀・)゚+.゚イイと思えた自分としては
湖の騎士ランスロットと竪琴の騎士トリスタンには萌えたが
主人公のアーサーには特に続編のタイトルの「白馬の王子」てのに萎えたw
なぜ「白馬の騎士」でなく「白馬の王子」なのか。(´д`;)ギャボ

まあダサいアーサーはおいといて・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
とりあえずこのシリーズを毎回観てたのは
2人のカッコ゚+.(・∀・)゚+.゚イイ騎士がお気に入りで
その登場シーンを見逃したくなかったからに他ならなかった

世界史B用語集 改訂版中世騎士物語 (岩波文庫)アーサー王の死 (ちくま文庫―中世文学集)

当時はまだ特に意識してはいなかったのだが
間違いなくヲタ的な偏愛を着実に2人の騎士に降り注いでたのだろう
山川出版の『世界史用語集』の【中世騎士物語】の項の例に
『アーサー王物語』『トリスタンとイゾルテ』とあったのを目にした時

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!

単にアニメの原作(※)を見つけた、なんてレベルではナイ興奮状態に陥ったし
古本屋でタイトルもそのままの『中世騎士物語』を見つけて
目次にラーンスロットやトリストラムの名を目にした時には狂喜乱舞した!
ちなみに『燃えろアーサー』のシリーズの原作はトマス・マロリーの『アーサー王の死』と特定されてるようだ(Wikiより)

Bulfinch's Medieval Mythology: The Age of Chivalry (Dover Books on Literature & Drama)

そんな岩波文庫の『中世騎士物語』は
1858年にトマス・ブルフィンチが著した『The Age of Chivalry』の訳書で
構成が余りにも学術的だったのでより一層ヲタ魂に火がついた!!

  • はしがき
アーサー王とその騎士たち
【第1章】序説
騎士の修行
開放奴、賤奴、農奴、僧職者
試合
物語
韻文物語
【第2章】英国の神話的歴史
ブラダッド
リア
フェレクスとポレクス
ダンワロ・モルマティアス
ブレナスとベリナス
エリデュア
ラッド
カシベローナス
キンベリナスまたはシンベリン
アルモリカ
【第3章】マーリン
【第4章】アーサー
アーサー王
選王アーサー
ギニヴィア
【第5章】アーサー(続)
アーサー王、聖ミカエル山の巨人を征伐する
アーサー王、湖の女王から剣を受ける
【第6章】騎士ガヴェイン
騎士ガヴェインの結婚
【第7章】腕萎のカラドク
【第8章】湖の騎士ラーンスロット
騎士ラーンスロット
【第9章】荷車の冒険
【第10章】シャロットの姫
【第11章】王妃ギニヴィアの危難
【第12章】トリストラムとイゾーデ
【第13章】トリストラムとイゾーデ(続)
【第14章】トリストラムとラーンスロットの戦
狩猟者としてのトリストラム
【第15章】円卓
【第16章】騎士パラミディーズ
【第17章】騎士トリストラムの死
【第18章】パーシヴァル
【第19章】サングリアル(聖盃)
騎士ガラハド
騎士ガヴェイン
【第20章】サングリアル(続)
騎士ラーンスロット
騎士パーシヴァル
【第21章】サングリアル(続)
騎士ボゥホート
騎士ラーンスロット
騎士ガラハド
【第22章】騎士アグリヴェインの叛逆
【第23章】アーサーの死
マビノジョン
序説
【第1章】ブリトン人
ウェイルズ語とウェイルズ文学
ウェイルズ人の遊歴楽人
三句詩
【第2章】泉の女
カイノンの冒険
【第3章】泉の女(続)
オーウェインの冒険
【第4章】泉の女(続)
ガヴェインの冒険
獅子の冒険
【第5章】アービンの息子ジェレイント
【第6章】アービンの息子ジェレイント(続)
【第7章】アービンの息子ジェレイント(続)
【第8章】ダイヴェド公プウィル
【第9章】リアの娘ブランウェン
【第10章】マナウィダン
【第11章】キリッチとオルウェン
【第12章】キリッチとオルウェン(続)
【第13章】タリエシン
英国民族の英雄伝説
ベイオウルフ
アイルランドの勇士キュクレイン
油断のないヘレワード
ロビン・フッド
  • 注解

アーサー王と円卓の騎士たちに関して充実してるのは言うまでもナイが
騎士とは何なのかがよくわかる解説が冒頭の「序説」にあり
先に物語の出所(出典や典拠)の詳細を紹介してから
順を追って時代に沿って次から次へと様々な伝承が紹介されてくのだが
かのシェイクスピアが題材にしてる『リア王』『シンベリン』の原典もあったし
巻末にはロビン・フッドやベオウルフ(ベイオウルフ)など
聞いたコトはあってもなんとなくしか知らナイような伝承も収録されてた

シェイクスピア全集 (5) リア王 (ちくま文庫)シェイクスピア全集22 シンベリン (ちくま文庫)

さて『中世騎士物語』とはゆーものの
騎士が活躍した時代は中世全般においてではなく後期に限定されるだろう

ローマ帝国滅亡からルネサンスまでの西欧の時代区分は
古代と近代の間として漠然と中世とされてるが
暗黒の中世、と称されるのが似つかわしく思えるこの時代において
はっきりしてる事柄は陰鬱とした事象ばかり(※)だった
キリスト教(宗教戦争と異端審問)とペストが蔓延した

古代のおおらかな奴隷制度から近代の窮屈な資本主義への過渡期で
領主が領土と領民を支配する封建制度が確立されて
初めて騎士なる存在が生まれたのである

換言すれば基本的には封建社会において
領主が護ってる領土で農業を営んでたのが領民であり
領主に雇われて武装して領土を護る戦いに参加したのが騎士なのだが
状況によっては騎士も領民を手伝って農作業もやったようだし
いずれにしろガテン系の流れ者だったのでは・・・ヽ(゚∀。)ノ

原初の愛の物語

『七つの愛の物語』の巻頭の「はじめに」を読めばわかるが
著者はアメリカ人女性ダイアン・ウォークスタインで
なんとストーリーテラーを生業としてるとな。(゚д゚lll)ギャボ

ストーリーテラーてのは日本語的には語り部かね?!
もしくは現代の吟遊詩人・・・まるでホメロスのようだ・・・ホゥ(*-∀-)

七つの愛の物語―「イシスとオシリス」から「トリスタンとイゾルデ」まで

そんな彼女が謳ってるのはやはり古来からの神話や伝承で
彼女なりの解釈の再話が『七つの愛の物語』に収められてるのだろう

  • はじめに
イシスとオシリス
百万年の太陽の船
イナンナとドゥムジ
聖なる結婚
シヴァとサティー
宇宙の永遠の舞踏
雅歌
私を連れていってください、さあ急いで!
プシュケーとエロース
愛の探求はよろこびをもたらす
ライラーとマジュヌーン
ただ愛のために愛させてください!
トリスタンとイゾルデ
ひとりの男、ひとりの女
  • 訳者あとがき

自分としては目当ての「トリスタンとイゾルデ」では
媚薬または惚れ薬を飲まずに自然に愛し合って欲しかったのだが
ある意味その部分は忠実に再現したのでがっかりだった。(´д`;)ギャボ

愛し合う2人だから引き離されてしまうコトが試練なのだが
試練のために愛し合うように仕向けられるのは変だ

それにしてもどの物語でも愛し合う2人の間には必ず試練があるが
ただ愛し合うのがなぜこんなにも困難なのか?

むしろ愛し合えナイ状況だからこそ、より求めてしまうのか・・・?

心に求める人を追い続けるのが恋愛だが
求める人と結ばれるコトを願いつつ
叶わずとも想い続ければやはり成就なのだと自分は確信してる

だがしかし!
愛する人と共にありたい
そんな至福を夢見るから現実が霞んで不幸になるとも思える
夢を見るより現実に努力をした方が少なくとも不幸にはならナイのでは?!

それでも夢を追わなければ現実を乗り切る勇気もナイのが
人間の弱さで
夢が叶わなくても見続けて、現実がどんな結果に終わろうとも本望だと納得できるのが
人間の強さでもある

原初の愛の物語に魅せられて
愛する相手に想いを馳せるための究極の1冊だな(*^^*)

『旧約聖書』の中で教義とは無関係に存在してる感がある「雅歌」は
この物語を読むまではすっ飛ばしてたのだが
こんなに酔い心地になるような愛の言葉が詠われてたとは知らなんだ(゚*゚;)

その唇でくちづけを。
あなたの愛はワインよりもすてき。

から始まり

わたしをあなたの胸に刻みつけてください、印章のように。
あなたの腕に、印章のように。

とか打たれるるる~・・・バタリ ゙〓■●゙

いとしのレイラ

ところで「ライラーとマジュヌーン」は
アラビア人(ペルシア人、セム族)に伝わる悲恋物語だが
このライラーはエリック・クラプトンの『Layla(邦題:愛しのレイラ)』のモデルだ

族長の跡継ぎとなるべく生まれたカイースは
眉目秀麗にして優秀な子供だったが
転校生のライラー(※)に一目惚れしてしまい
彼女の名を叫ばずにはいられなくなって遂には狂ってしまう
内容とはあまり関係ナイがライラーの名は「夜」を意味する

マジュヌーンは「狂人」の意だ(-_-;)

カイースの父親はライラーへの熱情を冷まそうと巡礼に連れて行くが
逆効果でこんな祈りを捧げてしまう

おお、神さま、ぼくの恋を癒さないで、むしろぼくの熱情を育ててください!
ただ愛のために愛させてください!
ぼくに残されている命をすべて取りあげて、ライラーに与えてください。
ぼくの愛を今日よりも百倍も大きなものにしてください!

ライラーの方も実はマジュヌーンに好意を抱いてたのだが
そこはそれ、イスラム圏の慎み深い女性なので
結局はそのまま嫁してしまい
絶望したマジュヌーン(となったカイース)は砂漠を彷徨う

そのまま(紆余曲折はあれど)最期を迎えるライラーと
それを知って後を追うように死ぬマジュヌーン

なんかもうね、不毛過ぎて悶え死にしそうな話なのだよヽ(゚∀。)ノ
そんな物語にあの旋律を当てるのはクラプトンてばさすがだ!

しかしそうなると歌詞の冒頭の部分は狂人の妄想なのか。(゚д゚lll)ギャボ
いずれにせよ、狂人になるほど一人の女だけを愛する男なんて
現実にはいやしナイワケでそこからして妄想か。(´д`;)ギャボ

それにしてもこの「ライラーとマジュヌーン」は
今となっては邦訳されてた東洋文庫の「ライラとマジュヌーン」が絶版で
アマゾンでも凄い値段がついてたりするが
偶然にもこの『七つの愛の物語』をゲトできた自分てラッキーヽ(´▽`)/

トリストラム

ロレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』は
5年前に1度読み始めて第1章で挫折したが
つまらなくて放棄したのではなく
余りにも興味深い語が頻出しまくるので
寄り道読書をし過ぎてなかなか次へ読み進めナイままに
結局は途中で迷子になってしまった(-_-;)

トリストラム・シャンディ 上 (岩波文庫 赤 212-1)トリストラム・シャンディ 中 (岩波文庫 赤 212-2)トリストラム・シャンディ 下 (岩波文庫 赤 212-3)

それに自分が持ってる版は筑摩世界文学大系で
箱入りのハードカバーで大きくて重いので
落ち着いてじっくり読む分には構わナイが持ち歩くのは無理っつ!
(余談だが、中身は3段組で字が小さくてびっしりなので
活字に抵抗があるような人は開いた途端に読む気を失うだろうて・・・)

そんなワケで老後の愉しみにとっておこうかと思ってたのに
電子書籍版を発見して、うっかり購入して再読し始めた

☆・・・☆・・・☆

とりあえず前回の迷子の原因は究明できたので
今回は迷子にならナイレベルで寄り道読書を堪能しようとした矢先
またしてもふりだしに戻ってしまったのは
タイトル、てか、トリストラムなる名前についての疑問が
再燃してしまったのだ・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

トリストラム=トリスタン、なのは
アーサー王の円卓の騎士に同じだろうが
この名前の綴り(発音)が時代と言語でどう分かれてるのか?
手持ちの本から表を年代順に起こしてみた

著者・監督タイトルトリスタンイゾルデ
ジョゼフ・ベディエトリスタン・イズー物語トリスタンイズー
トマス・ブルフィンチ中世騎士物語トリストラムイゾーデ
リヒャルト・ワーグナートリスタンとイゾルデトリスタンイゾルデ
ローズマリー・サトクリフトリスタンとイズートリスタンイズー
ダイアン・ウォークスタイン七つの愛の物語トリスタンイゾルデ
ケビン・レイノルズトリスタンとイゾルデトリスタンイゾルデ

言語的にはベディエがフランス語、ワーグナーがドイツ語で
他は英語圏なのだがこの英語圏にバラつきがあり
なぜこんな事態になるのかが引っかかってる部分だが
まず三省堂英和辞典を引いてみると

Tristramは男性名; 【アーサー王伝説】トリストラム, トリスタン(恋人はIseult [Isolde];別称Tristan).

仏語でTristan et Iseut、独語でTristan und Isoldeなので
もしかすると英語圏では元々はTristanてのはなく
英語名はTristramだったのだろうか?
そうだとするとスターンは18世紀のイギリス人だから納得だ

ワーグナー トリスタンとイゾルデ (オペラ対訳ライブラリー)

英語圏でもTristanが元のTristramと併用されるようになったのは
恐らく19世紀後半にワーグナーのオペラが大成功を収めたからだろうが
このオペラの初演が1865年なのでそれ以降と考えられ
19世紀のアメリカ人ブルフィンチがTristramとしてるのも
1867年に他界してるので辻褄が合う

トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)

またワーグナーが作曲の構想の際に基にしたのは
ゴットフリート・フォン・シュトラースブルクの叙事詩だとされてて
これは独語→独語なのでそのままなのだが
サトクリフはIseutが仏語なのからしてベディエに基づいてるのだろう

トリスタンとイズー

それにしてもサトクリフ版のこの表紙は
繊細な筆致でなんと美しいコトか・・・ホゥ(*-∀-)
山田章博て方が描いておられるのだが
それに比して(比べるのも何だが)洋書のイマイチ感たるや。(゚д゚lll)ギャボ

Tristan and IseultTristan and Iseult (Sunburst Book)Tristan and Iseult (New Windmills)

『七つの愛の物語』も表紙、てか、装丁が華麗だが
このビアズリー風タッチのイラストは杉本真文なる方が手掛けてて
中身も挿絵が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ雰囲気を醸し出してるるる~

七つの愛の物語―「イシスとオシリス」から「トリスタンとイゾルデ」まで

☆・・・☆・・・☆

『トリストラム・シャンディ』の第1巻 第19章には
このトリストラムなる名について本文中にこう説明されてる

ラテンのトリスティスから出て「悲しみの、悲しめる」の意を持つ

そう言えばブルフィンチの『中世騎士物語』では
第12章「トリストラムとイゾーデ」に似たようなくだりがあった

その子供は生れた時の憂愁にとざされた事情からトリストラムと名を呼ばれた。

トリストラムには*(訳注マーク)が付いてるので訳注を見てみると

トリストラムはトリストレムとも、トリスタンとも、トリスタムとも呼ばれる。

これではなぜそう呼ばれるのかは不明瞭だが
サトクリフの『トリスタンとイズー』でも以下のようにある

彼は子供に、悲しみを意味するトリスタンの名を与えた。

独語辞書によればtristは形容詞で
「悲しい」「悲惨な」「哀れな」「陰鬱な」「荒涼とした」とあった
仏語辞書でもtristeは形容詞で
「悲しい」「いやな」「つらい」「貧弱な」とあった
英語辞書も調べたが近い単語は見つからず
どうやら英語にだけ語源的な単語が欠落してるらすぃ(゚ ゚;)

☆・・・☆・・・☆

ところで自分が知らナイだけかもだが
『トリスタンとイゾルデ』の映画ってっこれだけなのだろうか。(´д`;)ギャボ

トリスタンとイゾルデ [DVD]

アーサー王と円卓の騎士に出てるのは別として
今世紀まで映画化されてなかったとは意外な事実ヽ(゚∀。)ノ

ビブロス(イシスとオシリス)

赤地に黒でセンシティヴで流麗なライン
ビアズリーかハリー・クラークのようなイラスト
中心には黒地で金枠に金の文字

七つの愛の物語―「イシスとオシリス」から「トリスタンとイゾルデ」まで

そんな表紙の美しい装丁の本『七つの愛の物語』には
ヨーロッパやオリエントの原初の愛の物語が
タイトル通りに7つ収録されてる

エジプト神話★イシスとオシリス
シュメール(メソポタミア)神話★イナンナとドゥムジ
インド神話★シヴァとサティー
ヘブライ人(イスラエル人、ユダヤ人)の伝承★雅歌
ギリシア神話・ラテン文学★プシュケーとエロース
アラビア人(ペルシア人、セム族)の伝承★ライラーとマジュヌーン
ロマンス(中世ヨーロッパの騎士物語)★トリスタンとイゾルデ

これらの中で「トリスタンとイゾルデ」は何冊も持ってるほどのヲタで
それでも飽き足らずに「トリスタンとイゾルデ」をググってて
この『七つの愛の物語』に出会った(のは2004年)

ギリシア神話もラテン文学もヲタなので
「プシュケーとエロース(アモルとプシュケ)」も
アプレイウスの『黄金の驢馬』の挿話としてよく知った話だった

その『黄金の驢馬』の最後に登場するのがイシスとオシリスで
エジプト神話由来の夫婦(兄妹)神だとは知ってたが
なんせプルタルコスの論文『イシスとオシリスについて』でしか読んでなくて
この神話の内容はどうも朧気だったのだ

では、これから神話を物語りますが、できるだけ手短に、まったく無用の余計な部分は省略することにしましょう。

そう前置きしつつ『イシスとオシリスについて』でも一応あらすじを紹介してはいるが
むしろ逆に無駄にプルタルコスお得意の薀蓄を織り交ぜてくるので
話が横道に逸れまくるわ、1つの単語を深く掘り下げ過ぎるわ
輪郭がさっぱり掴めんてヽ(゚∀。)ノ

しかもそうしてストーリーもはっきりわからナイワリには
違和感を感じて引っかかってしまう箇所があって
例えば、イシスの父親がヘルメスだとか。(´д`;)ギャボ
セト=テュポンとか、オシリス=ディオニュソスとか。(゚д゚lll)ギャボ
まあこういった系譜の異説や異民族間でのすり替えは神話ではよくあるコトだがw

但し、プルタルコスは古代ローマの神官(※)だったが
古代ギリシアの哲学者のような自然哲学に対する考察力があり
神と称される信奉の根源的存在を一種の象徴と捉えてる部分があり
各民族の信仰の由来が近似だった神同士を結びつけてるので説得力はあるるる~
アポロンを祀るデルポイ神殿に仕えてた

それでもどうにも納得が行かナイのは
オシリスの棺が流れ着いたのがビブロスだったってコトで
ウェルギリウスの『アエネーイス』にしてもだが
古代ローマ人が信じてるフェニキア人の各都市の成立年代(※)ってのが
史実より明らかに古過ぎるのだよな(-_-;)
ヘロドトスの『歴史』がフェニキア人についての記述から始まってるのが誤解の元かと推測

エジプト創世神話の時代にビブロスが既に都市化してて
トロイ戦争の頃にはカルタゴが建国されてたなんて・・・バタリ ゙〓■●゙

いや、神話の中で1,000年のズレがあるのは気にならナイが
人類史としたら100年もズレてたら嘘になってしまう
神は1,000年生きるだろうが人は100年も歳をとらずにはいられナイのだ

だからフェニキア人の史実を誤って神話に取り入れたために
神話としても不確実性を露呈してしまってるのがなんとも惜しい気がするのだ

ちなみにゲルハルト・ヘルムの『フェニキア人』によれば
確かにビブロスの遺跡は他のレバノン海岸沿いの都市と比して最も古く
最古で紀元前4,500年頃の村落跡が発見されてるが
イシスが訪ねたような王宮となると村落などではなく
もっと都市化された紀元前2,900年頃より以降と想定されるので
エジプト第1王朝(紀元前3,100年頃)よりも新しい

そもそも同じく『フェニキア人』によればビブロスの呼称は

ブブロスあるいはビュブロスは単に、強大なフェニキアの共同体の名というだけでなく、また、パピルス、すなわち紙の原料を表わすギリシア語でもあったのだ。のちに、それからビブリオン、すなわち本という表現ができ、最後にルナンが集中的に研究していた聖書(ビブル)になった。

パピルスあってこその名称でそう呼んだのも古代ギリシア人てコトは
少なくとも紀元前2,000年以降と更に新しく想定せねばなるまいて(゚*゚;)

対するイシスとオシリスの年代の古さだが
まず混沌からアトゥム=ラーが生じて
シュー(空気もしくは大気)とテフヌト(蒸気もしくは湿気)を産み
シューとテフヌトがゲブ(大地)とヌト(天空)を
ゲブとヌトがイシスとオシリスを産んだとされてるのだから
実はエジプト第1王朝とかのレベルではナイのだ

それはそれとしてイシスとオシリスが1,000年以上とか生きてて
それより前の世代は億単位の年数を生きてるとすると
科学史とはある意味で辻褄が合ってるのだが?!

ゲブとヌトが生まれたのはその名の通りに大地と天空ができた時で
シューとテフヌトが生まれたのは地球ができた45億年前で
アトゥム=ラーが生まれたのはビッグ・バンとか?!

古代エジプト人が地球外生物かと疑われる所以はこの創世神話かΣ(゚д゚lll)ガーン