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モーパッサンの短編『水の上』の導入部では
主人公の(恐らくモーパッサン自身の)川への想いが炸裂してるが
せいぜい公園に流れる半ば人工的な小川と皇居のお堀しか知らナイ自分でも
水辺には深い想い入れがある、と改めて自覚させられた

それくらい故郷の水辺は誰にでも郷愁を抱かせるワケだが
ましてや世界に名だたるような川が流れてるなら尚更なのだろうから
モーパッサンがセーヌに恋するのは尤もな気がするるる~

自身の記憶にはなくとも総ての生命は海由来なので
始原的な心象風景としてDNAに刷り込まれてるのだろうか。(゚д゚lll)ギャボ

実際にほんの1日か2日東京を離れて帰ってきた際には
何よりもお堀を目にするとほっとするので
地下鉄で帰りたくなくてJRで車中からでもお堀を見ながら帰宅するが
たまに衝動に駆られてお堀沿いを1時間ほど歩いて帰ったりもした

昔からよくお堀に沿って土手縁を散歩してたが
水辺には自然があり、季節によって様々な動植物と出合えるので
例えばトンボを目にしては『とんぼのめがね』を歌うなんてのが楽しかった

さすがに大きな声では歌わなくなったが
白鳥に出会えばサン・サーンスの『白鳥』が脳内には流れるので
鼻歌交じりでバレエの『瀕死の白鳥』を想い起こしながら
うっかりひらひらと踊りながら歩いてたりもする

瀕死の白鳥/アンナ・パヴロヴァを讃えて

しかもこれが近年ではトロックス(※)しか観てナイので
バラバラと羽根を撒き散らしながらユーモラスに舞うサマを想起して
思わず吹き出してしまったりしてw
トロカデロ・デ・モンテカルロ・バレエ団

ボート場に人影が見当たらナイ時間帯には
STYXの『Boat on the River』を口ずさむ・・・ってやっぱ歌ってるるる~
LINK:ボート・オン・ザ・リバー(Boat On The River) - STYX

この曲を書いたTommy Shawはアラバマ州の出身だが
『Boat on the River』にあるような川が実際に付近を流れてたそうだ
でも河川の名をはっきり口にしてナイので
モービル川とかアラバマ川のような大河ではなさそうだが
だからこそこの曲の哀愁が漂うようなひっそりとした光景なのだろう

隣接するミシシッピ州の名は原住民の部族語で「大きな河」を意味してるが
その名の通りの大きな河、ミシシッピ川が流れてるるる~
ミシシッピ川の全長は5,971kmで本流(ミズーリ川を除く)部分だけでも3,779km
日本列島の全長がおよそ3,000kmだからスケールの違いがわかろう

トム・ソーヤーの大冒険 [DVD]

そんな大河に寄せるマーク・トウェインの想いが
『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』に
瑞々しい少年の感性の中に溢れんばかりに表現されてて
読む度に心の中の宝石箱を開けるような愉しみを味わえるのだ(*^^*)

マイ・フレンド・フォーエバー [DVD]

若くして亡くなった映画俳優のブラッド・レンフロは
3作目で『トム・ソーヤーの大冒険(原題:Tom and Hack)』の
ハックルベリー・フィンの役を演じたのだが
2作目の『マイ・フレンド・フォーエバー』でも川を下るシーンがあり
自分はそこで既にハックルベリー・フィンを見出してたので
観る前からハマり役だと確信してた!
これが何度観ても゚+.(・∀・)゚+.゚イイ映画なのだがやっとDVD化された!!

ハックフィンの大冒険 [DVD]

その後『ハックフィンの大冒険(原題:The Adventures Of Huck Finn)』では
イライジャ・ウッドがハックルベリー・フィンをやったが
どうもイライジャのピュアな愛らしさが憐憫の情をそそってしまい
トムの方が俄然悪びれて見えるので調子が狂うのだった。(´д`;)ギャボ

☆・・・☆・・・☆

Tommy Shawは動物をたくさん飼いながら暮らしてたらしく
とりわけ『Sing for the Day』で歌われてるHannaなる女性が
人間ではなく犬だった、とインタビューにあったり
「小鳥の餌やり機」なるモノで近所中の小鳥に餌をやってた、とか
知れば知るほど総てのエピソードに心打たれまくりで
ミュージシャンとして以上に人として実に好ましい・・・ホゥ(*-∀-)

7月3日はモーパッサンの命日だった
亡くなったのは1893年で1650年8月5日生まれなので
43年足らずの生涯だった

文壇デビューは1875年で25歳の時だったが
本格的な作家デビューは1880年の『脂肪の塊』以降だろうし
1891年には発狂して翌年は自殺未遂で精神病院送りになってるので
実質的にはわずか10年ほどで長編6篇と短編300篇余りも書いてたコトになるが
更に地中海をヨットで航行しながら紀行『水の上』も書いてて
これが出版されたのが1888年で書いてたのは前年だ

晩年の心境がうかがわれるヨットでの地中海旅行記。アルプスの遠望、鉄仮面が幽閉された城塞等数々の情景が巧みな筆致で描かれる。

紀行『水の上』の表紙をめくったカバー部分にそんな概要があるのを見つけて
確かにモーパッサンが亡くなる6年前ではあるが
モーパッサン自身はまるで「晩年の心境」などではなかったと思われ
なんせまだ四十路にもなってなかったのだからヽ(゚∀。)ノ

また【鉄仮面】については
幽閉されてた城塞の場所についての記述が僅か数行あるのみで
上記の概要を鵜呑みにして読んだらガッカリするコト請け合いだが
訳注に【鉄仮面】の噂を流布した人物としてヴォルテールの名があるのには
自分としてはにやりとせずにはいられなかった( ̄ー ̄)ニヤリ

ダルタニャン物語〈第10巻〉鉄仮面 (fukkan.com)

で、【鉄仮面】が幽閉されてたのは
カンヌ南方の地中海上に浮かぶサント・マルグリット島だが
その近隣の島には別の興味深い伝説があった

 パガニーニの遺骸が、5年の間埋め隠されていたのは、海上の、この奇怪な岩の上なのである。こうした数奇な運命も、天才的で、しかも妖気のただよう、この芸術家の生涯にはふさわしいものだ。彼は悪魔にとりつかれた人物と伝えられていたが、それほど、行動も体躯も容貌も奇怪だったし、その超人的な技倆と異常な痩躯とは、彼を伝説的人物に、一種ホフマン流の人物に仕上げてしまったんである。

科学的に無理っつ(;つД`)
とは思いつつも悪魔憑きだと噂されてた人物なので
にわかに信じてしまうのはわかるし
ガセだとしても(ガセだろうが)ネタ元は明らかに実在の人物なのだから
少なくとも【鉄仮面】よりはリアリティーがあるるる~
最近になって改めてググってみてガセだとされてるソースを発見したが・・・
LINK:サン・フェレオル

それにしてもホフマンかよ。(゚д゚lll)ギャボ
かつて『金の壺』を読んでドイツ・ロマン派に対して苦手意識を持ったのだったw

黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ (光文社古典新訳文庫)

とゆーのもその荒唐無稽過ぎる展開について行けなかったのだが
恐らく今や世界的な人気を誇る日本製の異世界アニメの方が
まだ話に整合性があるだろうと納得できるるる~

『金の壺』のあらすじを述べれば
主人公はフツーの大学生なのだがリラの木の下で会った緑の蛇と恋に落ちるのだ!
しかもこの緑の蛇の恋人が奇遇にも大学生の雇い主の娘だったのである!!
蛇の娘を持つくらいだから当然ながら雇い主も人間ではなく
実は火の精サラマンデルだったのだが
かつてアトランティスで恋人だった百合の花との間に生まれたのが3匹の蛇で
その内の1匹だったワケだ。(´д`;)ギャボ

人間の(と断りを入れるのもなんだが)女に横恋慕されたり
りんご売りの老婆に化けた魔女がこの女に加担したので
ガラス瓶に閉じ込められたりしながらも大学生と緑の蛇は愛を貫き
アトランティスにて幸せに暮らしました、めでたしめでたし(なのか?!)

とにかくそんな不可思議な感覚の物語と比べたら
2次元でもフィギュアでも人間の(形態の)女の子を好きならば
それはもう全く正常で何も問題がナイと思えてくるワケでヽ(゚∀。)ノ

まだしももう少しヒューマニズムが盛り込まれてれば
相手が動物だとしても舞台が異世界だとしても
そうして乗り越えられナイ障壁が歴然とあるからこそ
乗り越えた時の感動も一入なのだがね
心の琴線に触れるような出来事がナイので意味不明でしかナイのだ(-_-;)

とはいえ「ロマン派は病的だ」とのゲーテの言もあるが
自分には『金の壺』だけでドイツ・ロマン派を総括して病的とは断言できナイ
『金の壺』も原文(独語)で読めると印象が違ったりするかもしれナイし
ロマン派ってくらいだから内容如何よりもドイツ語の文体からくる表現の美しさに
ただひたすらうっとりするためだけにあるような文学だったりするのかも?!

それにしたって上記引用の例えからすれば
モーパッサンにとってドイツ・ロマン派自体はともかくとして
ホフマンについては異様なモノの代名詞として使ってるのは間違いナイw

ところでホフマン自身は作家で画家で音楽家でもあったのだが
それを目指してたってよりは多才だったので生計を立てるのに役立てただけで
奇行遍歴などは一切(と言って問題ナイくらい)なくて
司法官の職にも就いてた(と年譜にはある)ので
社会的には奇人変人扱いされる謂われはナイ
要するにそれだけ文学作品の異様な印象が強いのだろうか?

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ググってみたら『ホフマン物語』なるオペラがあって
これはネタがホフマンの3篇の小説なのだが作者ホフマンを主人公としてて
Wikiから引用すれば

歌う人形のオランピア、瀕死の歌姫アントーニア、ヴェネツィアの娼婦ジュリエッタと次々に恋に落ちるが何れも破綻するという内容。

これがバレエ『コッペリア』の原作で
しかもメタリカのEnter Sandmanに通じるとは思わなんだ(゚ ゚;)

louis14

ヴォルテールの『ルイ十四世の世紀』第1巻は
当時のフランスはもちろんだがイギリスにも詳しいし
ヨーロッパ全体の動きがわかりやすくまとめられてるので
フランス革命前のヨーロッパの情勢の史料としては優れてるのだが
ルイ14世の人となりについて描かれてる部分が皆無なので
いかんせん面白みには事欠く。(´д`;)ギャボ

続く第2巻も第24章まで第1巻と同じ調子で淡々とした政局の変遷が続き
第24章で早くも主人公のルイ14世は死んでしまうのだが
ここまででルイ14世について想うトコロがナイので
死に際しても感傷的になりようがナイ。(゚д゚lll)ギャボ

そこがヴォルテールの狙いなのかどうかの結論は読後に譲るとして
第25章から一転して面白くなるのは人間関係が赤裸々に描かれるからだ

しかもその端々にコルネイユ、モリエール、ラシーヌといった古典劇に触れてて
特に第26章で32歳まで人前でバレエを踊ってたルイ14世が
ラシーヌの『ブリタニキュス』を観て以来、人前で踊らなくなった
即ち、詩人が君主に態度を改めさせた、とゆーのは笑えたw

『ブリタニキュス』はネロ(作中ネロン)が
先帝の嫡子でネロの義理の弟のブリタニキュス(ブリタンニクス)を暗殺する話で
ネロと言えば芸術(詩や音楽)をこよなく愛したローマ皇帝で
度が過ぎてネロ祭なる発表会を催してたくらいだが
愚帝や暴君との呼び声も高い人物なので
ルイ14世は同じコトをやって近しいと思われたくなかったのだろうが
厳密に言えばネロは踊ってたのではなく謳ってたのだ(-_-;)

そして謳う皇帝ネロは
剣闘士として戦う皇帝コンモドゥスやアナーキストで女装の皇帝ヘリオガバルスと並び
自分の中では最も人間的な魅力溢れる3大皇帝なので
踊る王ルイ14世にも惹かれずにはいられナイ

映画『王は踊る』は未見だがどのくらい史実に忠実なのだろうか?
ルイ14世が太陽王と渾名されたのも太陽の役を踊ったかららしい(※)が
『王は踊る』のDVDやサントラCDのジャケットはまさに太陽役ってカンジだな
『ルイ十四世の世紀』には「王が太陽に扮した際・・・」とある

映画《王は踊る》サウンドトラック王は踊る [DVD]

章が前後してしまうが第25章には
モーパッサンの紀行文『水の上』の一文を読んで気になってた【鉄仮面】の話が載ってた

サント・マルグリットの、陸地よりの突端には、鉄仮面やバゼーヌが幽閉された有名な城塞がある。

それまで【鉄仮面】はデュマの『ダルタニアン物語』に出てくるのしか知らず
デュマの創作だと思い込んでたので仰天して註釈を見ると

この有名な伝説は、ヴォルテールらが流布しはじめたものらしく、事実は、黒ビロードの面をかぶせられた囚人で、イタリアの伯爵マッティオリのことである。彼は、国際関係の犯罪で、ヴェネツィアでとらえられ、1679年ころ、サント・マルグリット島に幽閉され、ついでバスティーユに移されて、1703年に死んだ。

ヴォルテールは『ルイ十四世の世紀』では【鉄仮面】の正体には言及しておらず
1661年のマゼラン枢機卿の死の数ヶ月後にサント・マルグリットに運ばれ
バスティーユに移されたのは1790年となってる

『水の上』の訳者は吉江喬松と桜井成夫で『ルイ十四世の世紀』を踏まえてはいるかもだが
この訳註はそれとは別の【鉄仮面】伝承を参考にしてるのは間違いナイ

またヴォルテールは仮面の状態を以下のように記してる

仮面を被りつづけ、これは、顎当に、鋼のばねがついていて、被ったまま、自由に物が食べられるようになっている。顔を出したら殺してしまう、という命令が出ていた。

更にヴォルテールは【鉄仮面】の男と遭遇した人物として
男の世話をしてたサン・マルス司令官、ルーヴォワ候、バスティーユの医師を挙げ
各々の対応の仕方から身分の高い人物であるとの確証はしてるが
ルイ14世の双子の片割れだと匂わすような部分はナイ

仮面の男―仮面の男とその背景 (竹書房文庫)
仮面の男 (角川文庫クラシックス)

それにしても映画『仮面の男』はデュマを原作にしてるらしいが
脚色し過ぎで全く違う話になってると思われ(※)
まあ予想以上に面白くて何度見ても飽きナイので文句はナイがヽ(゚∀。)ノ
角川文庫クラシックスの『仮面の男』と比較

藤本ひとみの小説『ブルボンの封印』と
それを漫画化した森川久美の『ブルボンの封印』も
【鉄仮面】の正体をルイ14世の双子の片割れとしてる点では同じだが
これはこれでまた違う話でしかも主題がラブ・ロマンスなので
1度読んで面白かったのは否めナイが2度目に読む気は失せた・・・バタリ ゙〓■●゙

【鉄仮面】抜きの『三銃士』なら映画でも漫画でも数限りなく存在し
近年、人形劇になってたのも欠かさず観てたが
自分的には田中雅子の少女漫画『風のダルタニヤン』が
絵柄も綺麗だしデュマの原作に忠実ながら面白いので気に入ってるるる~

最後に【鉄仮面】の正体は誰だったのかは
『鉄・仮・面―歴史に封印された男』で明かされてるらしいが
それが真実かどうかはまた別の話だ

なかなか核心に辿り着けずにいるが
アポロンとディオニュソスは実はこのブログのテーマ(なはず)で
そこにこのブログのタイトルにある【葦】が複雑に絡み合ってるのを
解いているのかむしろより一層こんがらからせてるのか?!

実はギリシア語で【葦】とある場合には
植物以外に弦楽器の駒(ブリッジ)を指すのだそうだ
(我ながら後出しジャンケンみたいな話題の振り方だがw)
とか言いつつも自分は弦楽器には全くの素人なので
それは例えばギターだとどの部分なのか指差せっても無理っつ・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

でもググったらわかりやすい画像が見つかった♪
しかも(少年ダビデのハープ)とあり『旧約聖書』に登場するダビデ王の竪琴か?!
LINK:おもちゃのハープ♪
→記事中ほどに竪琴の部位名称及び解説の画像が(*^^*)

しかしながらダビデは紀元前1000年頃の人なので
このダビデのハープは洗練され過ぎてるのではなかろうか?

ヘルメス(メルクリウス)が拾った亀から竪琴を作った、てのは神話にしても
そういう神話が生まれたのは古代ギリシアでは竪琴と言えば
亀の甲羅製の弦楽器だったからなのでは?

よく知らナイで購入したCD『古代ギリシャの音楽』には
古代ギリシアの楽器を再現して演奏してて
ブックレットに写真が載ってた

phorminx:ポルミンクス(フォルミンクス)

lira:リラ(リュラ、もしくはリュレ)

ついでに名前からしてギターの原型となったぽいkithara:キタラ

アポロンやオルフェウスの持ってた竪琴は
後代の絵画や彫刻で見る装飾過多の華美なモノのはずがナイよな。(´д`;)ギャボ

アポロンの竪琴は牛泥棒の見返りにヘルメスから譲り受けてるので
間違いなくヘルメスが拾った亀から作ったモノのはずで
ややこしいコトにオルフェウスの竪琴も
父(とゆー説もある)アポロンより与えられてるらしい

つまり3つとも同じ竪琴なのだろうか・・・竪琴パラドックス。(゚д゚lll)ギャボ

さて
生まれたばかりのヘルメスが揺籃を抜け出して
亀を拾って中身を抉り出して竪琴を作り
アポロンの牛を盗んではシラをきり
バレても竪琴を与えてごまかし
人の゚+.(・∀・)゚+.゚イイアポロンから錫杖までもらう
そんな一部始終が岩波文庫抄訳版『四つのギリシャ神話―ホメーロス讃歌より』
「ヘルメースへの讃歌」にある
LINK:「ヘルメース讃歌」

この「ヘルメース讃歌」中の竪琴の作成手順の冒頭には
葦の茎を~、とあってあえて【葦】と訳してるくらいなので
ブリッジとして使われてるパーツのコトではナイらしいが
だとするとどの辺に使われてるのかも不明瞭だw

とにかくヘルメスは亀で竪琴を作る際に葦を使ってるるる~
更に通説では葦笛(シュリンクス)は牧神が作ったとされてるが
「ヘルメース讃歌」では葦笛もヘルメス作だとしてるるる~

まあいずれにせよ
葦はそうして楽器に事欠かナイ植物だったのだ、実は!

だからアポロンの竪琴と牧神マルシュアスの笛と
どちらが優れてるかなんて競い合いをしてアポロンが勝ったが
(そりゃあ音楽の神が負けたらマズイワケで)
所詮は葦を使って作られた原始的な楽器同士だったのだな

しかも牧神の笛はシュリンクスに相場が決まってると思ってたが
マルシュアスの笛はアウロス(もしくはアウルス)で
『ホメーロス讃歌』の「ヘルメース讃歌」でアポロンは
マルシュアスの吹くアウロスとヘルメスが吹くシュリンクスを比較して
シュリンクスの方が優れてる、とのたまってるのだった

アウロスはシュリンクスより先に存在してて
縦笛で2管笛でオーボエとかと同じくダブルリードだそうだ
画像の真ん中のがアウロスだろう
LINK:英語のWikipediaのAulos

シュリンクスの方は恐らく[葦舟と葦笛]にあげたラウネッダスに類似と思われ
3管笛でクラリネットと同様シングルリードだ
LINK:英語のWikipediaのLauneddas

ミダース王 (CenturyBooks―人と思想)

とか書いてはいても自分のように楽器に疎い人間には
詳細を辿るほどアウロスとシュリンクスの差異に実感が湧かナイのだが
牧神マルシュアスの吹くアウロスはアポロンの爪弾く竪琴に敗北し
それだけでは済まず木に吊るされて皮を剥がされてしまい
マルシュアスの方が勝者としたミダス王はロバの耳にされてしまう。・゚・(ノД`)・゚・。
このブログにはあえて掲載せずにおくが
「Marsyas」で画像検索すれば凄惨な場面が嫌になるほど出てくる(゚*゚;)

ところでこの牧神マルシュアスだが
マルシュアスてのは名前でその実体については
オウィディウスは牧神サテュロスとしてるが
ブルフィンチは牧神パーンとしてて
マルシュアスが仕える神も前者はバッカスで後者はディオニュソスだ

ギリシアではディオニュソスとパーン
ローマ(つまりラテン語)でバッカスとサテュロスで
ニーチェがディオニュソスと言うのは
ドイツ語がラテン語由来でナイからと勝手に思い込んでて
シンパの自分もニーチェに倣ってディオニュソスを使ってたが
改めて調べてみると各国語で混在してるのでどちらでも構わナイようだ

酒の神ディオニュソス(バッカス)に仕える牧神や巫女は
酒宴で神に音楽と舞踊を捧げるのだが
この様子をモチーフにしたバレエ(音楽)があり
バッカスから転じて仏語でBacchanales(バッカナール)だ(他国語も類似)
余談だがカフェのオーバカナルの店名の由来はこれだ♪

フィギュア・スケートの1番好きな女子選手カロリーナ・コストナーが
『牧神の午後への前奏曲(プレリュード)』を演じてた

筑摩世界文学大系の43巻には
ステファヌ・マラルメの『L'Aprés-midi d'un Faune』が
鈴木信太郎訳で『半獣神の午後』(※)となってるが
マラルメのこの詩からインスピレーションを得て
ドビュッシーが『牧神の午後への前奏曲』を作曲して
これに振付けて踊ったのがニジンスキーの『牧神の午後』で
フィギュア・スケートでも演じられるようになった
「半」も「獣」も「神」も旧字

牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

付け加えれば山岸凉子がニジンスキーの伝記を『牧神の午後』とゆー少女漫画にした(*^^*)

牧神の午後 マラルメを読もう (慶應義塾大学教養研究センター選書)
ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)

オウィディウスの『変身物語』や
これに倣ったブルフィンチの『ギリシア・ローマ神話』によれば
牧神パンはニンフのシュリンクスに欲情して追いかけ
逃げ場を失ったシュリンクスは水に飛び込んで葦に姿を変えてしまった
パンが諦めきれずにこの葦を手折り残念がって溜息を漏らすと
振るえる葦から美しい音色が奏でられたので束にして葦笛を作成した
葦笛をパンの笛とかシュリンクスと呼ぶのはこのためだ

これが葦笛の起源とされてるのだが
なぜか発明したのはパンでなくメルクリウス(ヘルメス)だとされてたりする

オウィディウスは(ブルフィンチも)これを独立した物語でなく
「ヘルメスのアルゴス退治」と結び付けてて
身体中に眼があるアルゴスを眠らせるためにヘルメスが寝入り話をする筋立てで
その寝入り話の内容こそがこのパンとシュリンクスの挿話なのだが
とゆーコトはヘルメスはパンが葦笛を発明する様子を見てたのだろうか?
それなら正しくは発明者でなく発見者なのか?

ちなみにこの「ヘルメスのアルゴス退治」は
ギリシア神話の定番ネタとも言うべきゼウス(ユピテル)の浮気に始まる(苦笑)

浮気相手は正妻のヘラ(ユノー)に遣える美少女イオで
ゼウスは欲情のままに襲ってしまうのだが(実害があるだけにパンよりタチが悪いよなw)
ヘラにバレそうになると往生際の悪いゼウスはイオを牛に変えてまでシラをきる。(゚д゚lll)ギャボ

ヘラは女のカンなのか牛に姿を変えたイオを所望し
疑念を晴らすためゼウスは仕方なく牛のイオをヘラに与えたが
牛の姿で草を食むイオが可哀想になってきて
ヘラから牛を盗むように息子のヘルメスに言いつける。(´д`;)ギャボ

しかしヘラはまたしても女のカンなのか身体中に眼があるアルゴスに牛を見張らせたので
さすがのヘルメスもそんな怪物相手では盗む隙がなく
まずは葦笛を吹いてうっとりさせながらアルゴスに近寄って葦笛の起源について語り始めると
まもなくアルゴスが身体中の目を閉じて眠ったので
ヘルメスはその首を切り落としてまんまと牛を盗むのに成功!
と思いきや牛は逃亡!!

哀れなイオは牛のまま各地を彷徨う破目に陥るのだったヽ(゚∀。)ノ

しかしアポロドーロスの『ギリシア神話』では葦笛の起源はなくて
ヘルメスはアルゴスに石を投げつけて退治してたりして・・・

またヘルメスが葦笛の発明者とされてる話ではこれをパンに譲り受けたのか真似て作ったのかは謎だが
アポロンのケーリュケイオン(魔法の杖)と交換してるるる~

そもそもヘルメスは竪琴の発明者でもあるのだが
それとゆーのもヘルメスはアポロンから牛を盗んで牛を返す代わりに竪琴を作って与えたのだったw
そうして葦笛と竪琴をもらいうけたアポロンが楽人の神になり
ヘルメスは職人と商人の神となったが牛を盗んだので泥棒の神ともされるのだった
そういえばヘラからも牛を盗もうとしてた・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

『牧神の午後』は牧神パンがニンフのシュリンクスに欲情して
追いかけたが逃げられてやり損なって残念がってる、そんな午後・・・
って概略を述べたらミもフタもナイ話だったりするのだが
これがマラルメの詩で表現されると実に甘美な出来・・・らしい!
仏語を解さナイのでどの辺がどう、とかは言えナイがポール・ヴァレリーがそう絶賛してるし
ドビュッシーやニジンスキーなど異分野のアーティストに創作意欲を湧かせてるし
それだけでマラルメの霊感の威力は語るに及ばず・・・ホゥ(*-∀-)

しかしながらマラルメ自体が難解な上に鈴木訳がこれに輪をかけた冷や汗モノの難解さで
眉間にシワを寄せて口をへの字に結んで頭から「?」マークを放出しながら
読んでも読んでも一向に理解し得なかったり・・・バタリ ゙〓■●゙

他の詩人ならたいてい旧訳の方が断然好きなので
わざわざ新訳を読む気は起きナイのだが
もう少し解り易い新訳を読んでみたい気もしたりして(苦笑)

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そう言えばQUEENの『I Want to Break Free』のプロモ・ビデオでの
フレディ・マーキュリーのパロディ版『牧神の午後』はどういう意味なのか?
単にフレディがニジンスキーを模したかったんだろうか(-_-;)???

今だったらマラーホフ辺りが踊るなら観てみたいが
ググってみたら既に来日してニジンスキーの振り付けを完璧に再現してたとか・・・
とゆーコトは物議を醸した腕立て伏せの振り付けを
つまり「ニンフが残してった衣を使って自分で埒を開ける」のもやっちまったのか?!

ブラボー、マラーホフ!!
とはいえその素晴らしさはいかんせんわからん!
オスの自慰の切なさがわからんと無理なのだろうか?

『古事記』では冒頭の国産みの時に最初に産まれた蛭子が葦舟で流され
『旧約聖書』でもモーセが流されたのは葦舟だった

と表記されてる日本語訳を信じてたがモーセのはパピルス製であったコトが判明した

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パピルスは『聖書植物大事典』によればカミガヤツリと言うくらいでカヤツリグサ科だが
葦はイネ科で全くの別物であるるる~

葦は高さ2~6mで茎の太さは1cm程度だが
パピルスは高さ4~5mで茎の太さは最大6cmにも及ぶ

そんな葦を束ねて作っただろう蛭子の舟はすぐに浸水してしまいそうだし
流されたのも海では助かる可能性は無いに等しいが
これはきっと間違いなく帰ってこナイようにそうしたのだな(-_-;)

ところがモーセの方は親が殺すに忍びなく頑丈なパピルス・バスケットに入れて
誰かに拾ってもらえるようにとナイルに浮かべ運良くエジプトの王女に拾われたワケだ

今まで両方が同じ葦舟だと思ってて腑に落ちなかった部分がすごくスッキリしたw

それなら葦笛はどうなのだろう?

ググってみたがWikipediaには該当項目はなく
どうやら日本では葦の葉を鳴らす葦笛はあるが葦の茎で作られた葦笛は存在しナイらしい
尺八や雅楽の笙(しょう)などはどれも竹製だ(※)
尤も大陸より伝来してるので日本起源ではナイのだが・・・

バレエ『くるみ割り人形』に「葦笛の踊り」があるが
これは英語だと「葦笛」の部分はreed pipeで和訳すればまさに「葦笛」と訳せそうだが
残念ながらパイプオルガンのパイプ部分の呼び名でフランス語ではjeux d'ancheだ

それなら「葦笛の踊り」は仏語ではどうなのか?
「Danse des mirlitons」となるがこのmirlitonsとはkazooのコトだそうだ。(゚д゚lll)ギャボ

LINK:Kazoo

LINK先を見ての通りKazooも「葦笛」ではナイが邦題は英語からの誤訳で「葦笛」としてて
でも仏語から英語になる時点でも誤訳があったワケでなんともややこしい事態だ。(´д`;)ギャボ

基本的には日本語で「葦笛」と訳すのは
英語ではpan flute、もしくはpan pipe
仏語ではflûte de Pan、もしくはsyrinx
これらのpanは材料とする植物の名ではなく
ローマ神話に登場する牧神パン(パーン)に由来してて
仏語のsyrinx(シュリンクス)もこの挿話に因むが
それによれば確かにこの笛は英語ではwater reeds、仏語ではroseauxから作られてて
紛うこと無き「葦笛」なのだが・・・

この牧神パン所以の葦笛の形状は葦を長短に切り音階順に並べて束ねたモノで
前述のパイプオルガンの部品やハーモニカの原型となったようだ

そうしてやっと頭の中が整理できたと思ったら
普段は見もしナイのになぜかテレビをつけると『旅のアルバム・世界の工芸品』なんてのをやってて
しかもイタリアのサルディニアの職人が葦製の笛ラウネッタ(Launetta)を作るって?!

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !

ところがこれが直径2~3cmで葦より全然太いっつーのw
この番組も誤訳なのだった(-_-;)
LINK:ラウネッタ画像あり

☆・・・追記
あとからよくよく調べてみたら
イタリア語ではLauneddasだった
ラウネッタでなくラウネッダスが正しい表記なのでは・・・
さすが天下無敵のNHKクオリティw