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トロイ戦争と言えばホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』だが
これらはむしろそのごく一部しか描かれてはおらず
一部始終となるとある程度までならたいていのギリシア神話にはあるが
詳細を描いた文献で、本来の伝承に忠実で、今日まで残存してて
しかも和訳されてるとなるとコルートス、トリピオドーロス、クイントゥス
そしてピロストラトス・・・いずれもローマ時代の再話作家だ


コルートス / トリピオドーロス『ヘレネー誘拐・トロイア落城』


ヘレネー誘拐・トロイア落城 (講談社学術文庫)

タイトル通りにコルートスの『ヘレネー誘拐』と
トリピオドーロスの『トロイア落城』が1冊に収まってるのだが
トロイ戦争のきっかけとなった【パリスの審判】と
トロイ陥落の作戦であった【トロイの木馬】とゆー
2つの最も有名なエピソードについてその詳細を知るコトができて
解説を含めて143ページとお手軽だ

但しこれらは5~6世紀にエジプト人によって書かれたモノなので
時代の変遷を経て付け加えられたのであろう間違い(勘違い)と思しき部分もあり
特に『ヘレネー誘拐』では大筋の設定自体がおかしい

とゆーのも【パリスの審判】の数日後にパリスがヘレネを訪ねてて
そのまま駆け落ちしてしまってるのだ
【パリスの審判】からパリスとヘレネの駆け落ちまでには
少なくとも10数年が経過してなくてはマズイだろう

なぜなら【パリスの審判】はアキレウスの両親の結婚式の直後の話で
この時点ではまだアキレウスは生まれてナイのだヽ(゚∀。)ノ

しかもそれでいてパリスとヘレネの出会いの時に
ヘレネが「アキレウスの武勇を知ってる」と語ってるのだ!
なので無理してこの物語に辻褄を合わせると
【パリスの審判】はアキレウスの両親の結婚式から10数年後で
その間、3柱の女神らは金の林檎を巡って延々といがみ合っていたとかw

そうでなくてもトロイ戦争が初陣でそれまで女装をして身を隠してたアキレウスの
「武勇」なんてモノがギリシア全土に伝わりようがナイのだ(-_-;)

『トロイア落城』の方は『イリアス』と『オデュッセイア』の間隙を埋める話で
つまり「ヘクトルの死後以降のトロイ戦争の成り行き」がわかるが
特筆すべきはやはり【トロイの木馬】のエピソードで何よりも詳述されてると思われ

但しその描写が緻密過ぎて
「弁慶の握ったこぶしはこのくらい」と握って示す講釈師の語り草のようで
講釈師 見て来たような 嘘を言い、なんて川柳を思い起こさせるが
臨場感溢れる筆致は嫌いではナイね

あと自分にはこれらがエジプト人によって書かれたギリシア文化の本として
アレクサンドロス大王が齎したヘレニズムの影響力をおおいに感じられるのも嬉しい♪


クイントゥス『トロイア戦記』


トロイア戦記 (講談社学術文庫)

これはこの『トロイア戦記』なるタイトルに語弊があるコトと
アキレウスの死に様に自分はどうも納得が行かナイのだが
それ以外は古典に忠実なので気に入ってるるる~

訳者の松田治の「まえがき」によれば
この作品には元より決まったタイトルがついてなかったのだが
内容から『ホメーロスの続き』とか『ホメーロス以降のことども』などと称されてたそうで

より正確には「ヘクトール没後のトロイア戦争の物語」となろうが、これも間延びするので本訳書では『トロイア戦記』とした次第である。

とゆーコトだがやはりタイトルは多少冗長になっても中身を反映してる方が好ましい(-_-;)

『トロイア戦記』のタイトルで本文444ページもあれば
スパルタ王妃レダの産んだ卵から始まるトロイ戦争の全般に渡る物語か
もしくは【戦記】なので『イリアス』より以前のアキレウスの出征くらいから終戦までとか
とにかく他ではなかなか読めナイ部分がてんこ盛りに入ってると思い込んでしまう。(´д`;)ギャボ

実際にはまさしく『イリアス』の続きでちょうど前述の『トロイア落城』と被り
アキレウスとアマゾンの女王ペンテシレイアとの戦いや
そのアキレウスの最期と追悼競技の様子
オデュッセウスに敗れたアイアスの自殺と悲嘆にくれる妻テクメッサ
パリスの最期「パリス散華」
アエネーアース(本文中アイネイアース)の活躍ぶり
オデュッセウスの【トロイの木馬】作戦
そしてトロイ陥落後に生き残った登場人物の行く末が
444ページのヴォリュームなのでどこよりも詳しく描かれてて圧巻なのだが
あくまでも『イリアス』後『オデュッセウス』までなのであるるる~

作者のクイントゥスは3世紀頃の小アジア(スミュルナ)の詩人なので
当然ながらフィクションの部分も多いのだろうが
話の辻褄は合ってて隙がナイ上に心理描写も的確と思えるので
この人に脚本を書かせた映画を観てみたいものだヽ(゚∀。)ノ

それにしてもトロイ戦争の世界観に浸ってると
絶世の美女ヘレネの悪女ブリと、にもかかわらず決して咎められナイトコロに
つくづく世の男たちが美女に甘いコトを痛感するね。(゚д゚lll)ギャボ


ピロストラトス『英雄が語るトロイア戦争』


英雄が語るトロイア戦争 (平凡社ライブラリー)

著者のフラウィウス・ピロストラトスはレムノス島出身のギリシア人で
2世紀後半~3世紀の半ばまで生きた人

タイトルの『英雄が語るトロイア戦争』の英雄とはプロテシラオスで
トロイ戦争が始まって最初に戦死したギリシア勢の将だが
この物語は著者ピロストラトスの時代にとあるフェニキア人が旅をしてて
トロイ北方のエレウスにてぶどう園に立ち寄りそこの主人を介して
英雄プロテシラオスの霊によって明かされたトロイ戦争秘話を語られる設定だ

トロイ戦争当時、既に死者であって
要するに誰に肩入れしてるでもなくなった英雄によって公平に見た
アキレウス、オデュッセウス、アイアスなどの英雄らの人物像が浮き彫りにされるのだが
これが自分の予想と合致してたので嬉しくなった。・゚・(ノД`)・゚・。

またトロイへの第一陣が目的地に辿り着けずにミュシアに上陸した際の話や
パトロクロスのためにアキレウスが髪を切った、とか
後にアレクサンドロス大王がテッサリアを征服してもプティアはアキレウスに意を示して手をつけなかった、とか
フツーに蔑ろにされがちな、でも自分にとっては重要な逸話が鏤められてて
トロイ戦争関連書籍でかつてこれほど満足感を得たモノはなかった・・・ホゥ(*-∀-)

まあブラピの『トロイ』しか知らナイ初心者が読むと
映画から抜け落ちてる部分ばかりなので何のコトやらさっぱりで
最も意味不明な1冊であろうが(-人-;)

いつかトルコを訪ねた時にはこのフェニキア人の旅人のように
ぶどう園でトロイ戦争を語り合えたら・・・と夢を見出だしてしまった!!
ディオニュソスの庇護の下に人生を再スタートさせねばp(-_-+)q

トロイ戦争をアキレウスとパトロクロスは共に戦ったが
なんせ長い戦争だったのでむしろ戦闘をしてナイ期間も多かった


ブリセイス


トロイ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

その間は略奪品や戦利品を何でも、つまり女でも分け合ってきたのだが
アキレウスはその中でブリセイスなる女を特に気に入ってた

ところがアポロン神の祭司の娘クリュセイスが捕虜となって
アガメムノンに辱めを受けるのは父親クリュセスにとっても辱めであり
しいては祀るアポロン神への冒涜であるが故に
クリュセスは身代金によるクリュセイスの返還をギリシア方に要求したのだが
これをアガメムノンが断固拒否したためにアポロン神の怒りを買い
ギリシア勢の中に疫病が齎されてしまった

惨状に見かねたアキレウスが会議を招集し
カルカスに占いをさせて前述の理由を導き出し
その解決策としてアガメムノンにクリュセイス返還を迫った

占いや神託は絶対的であった時代なので
アガメムノンは総大将と言えども渋々クリュセイス返還を承諾するが
このほとんど「嵌められた」としか思えナイアキレウスの遣り口やその際の
戦争する気ナイからもう帰国したい!、とゆーアキレウスの無責任な発言や態度に
総大将アガメムノンの怒りがまず心頭に達したと思われ(-人-;)

帰国したきゃ勝手に手ぶらで帰りやがれ!
それならオマエの戦利品のブリセイスはオレがもらうまでよ!!
とアガメムノンは即有言実行タイプだがこれに対してアキレウスは怒り
「ママ~!ボクの女(オモチャ)をアガメムノンがとった~p(-_-+)q」
と母親のテティスに何とかしてもらうまで拗ねて駄々を捏ねまくった
てのが『イリアス』の冒頭であるるる~

アキレウスにしてみると本人が言ってる通り、戦争に勝つより帰国したいのである
それに無垢な処女クリュセイスが粗野なアガメムノンなんかに犯されるのかと思ったら
その美意識に耐えかねて腹の立つコトしきり・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
また恐らくそんな真意が伝わってしまったのだろう
アガメムノンも余計に腹に据えかねて大人気ナイ仕返しをしたのだった

こうした諍いによってアキレウスが【怒り】のままに戦意喪失してうだうだしてるうちに
代わってなんとかしようとしたパトロクロスがヘクトルに殺されてしまい
アキレウスの【怒り】の矛先がヘクトルに変わり
敵を討たれてヘクトルが死んで『イリアス』は終わるのだが
こうして書き連ねてみると主題はかなり間抜けな気がヽ(゚∀。)ノ

とにかくブリセイスはその人物像が今一つはっきりしナイのだが
取り合いになるような美女ではあったに違いナイし
きっと色香の漂うタイプではなくて少女らしくアキレウス好みだったのだ
それがアガメムノンから見てもわかりやすかったからこそ
わざとブリセイスを所望した、と推察する次第!

ちなみにアポロドーロスの『ギリシア神話』ではなぜか
ブリセイスの訳注に「アポロン神の祭司クリュセスの娘」とあるのだが
「アポロン神の祭司クリュセスの娘」はクリュセイスで
このクリュセイスがアガメムノンの分け前となってたからこそ
アキレウスとアガメムノンは仲違いするコトになるワケで・・・???


ペンテシレイア


ペンテシレイアはアマゾネスの将だが
ヘクトルの死後にトロイ勢の応援に駆けつけたので『イリアス』には記載がナイ

オウィディウスの『変身物語』などによれば
ペンテシレイアはアキレウスに討たれて最期を迎えるのだが
アキレウスは殺した後で初めてその顔を見てから
余りの美しさに心を打たれて殺めてしまったのを悔いて悲嘆に暮れる

アポロドーロスの『ギリシア神話』にははっきりと

彼は彼女の死後このアマゾーンに恋し

と記されてるるる~

その様子を見てたのはギリシア勢で1番の嫌われ者テルシテスで
感傷的なアキレウスを嘲笑ったがためにアキレウスの逆鱗に触れ殺されるが
この件だけでもどれほどアキレウスが崇高な美意識の持ち主であるかが窺い知れる!
それにしても一応味方であるテルシテスを本気で殺してしまうとは
アキレウスの激昂ぶりは凄まじいったらナイ((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル


ポリュクセネ


最後のポリュクセネはトロイ王プリアモスの娘であり
その母はヘクトルやパリスと同じくヘカベだが末娘なのでうら若き乙女で
なるほどアキレウスの好みだったようで一方的に一目惚れをして
その後は正式に結婚の申し込みをした、とか、逢引を試みた、とか諸説があるが
いずれにしろアキレウスは敵国の王女であるポリュクセネにでさえ
この時代には当たり前の掠奪(rape)には至らなかったのだ

そうこうしてるうちにアキレウスは最期を迎え
この恋は成就できずに終わったかに見えたのだがこの後が凄まじい!
なんとアキレウスは亡霊となってかつての仲間の前に現れて
自分の墓の贄にポリュクセネを要求したのだ!!

アキレウスの望みが叶いポリュクセネがその墓前で最期を迎える様子は
オウィディウスの『変身物語』に詳細があり
母ヘカベと弟ポリュドロスも合わせてトロイ王家の凄惨過ぎる末路が生々しく描かれてる

それにしても片恋の相手に死後も想いを持ち続ける執念って。(゚д゚lll)ギャボ
アキレウスの美意識はやはり男の範疇ではナイな。(´д`;)ギャボ

アレクサンドロス大王はホメロスの『イリアス』の愛読者で
自身と従者ヘパイスティオン(ヘファイスティオン)を
アキレウスとパトロクロスに擬えてたほどだ

東方遠征に生涯を費やして旅程で果てたアレクサンドロス大王にとっては
アキレウスとパトロクロスについて『イリアス』だけで十分だったのかもしれナイが
戦争にだけは巻き込まれずに一生を終えたい、と切に願う小市民の自分には
『イリアス』以外のアキレウスとパトロクロスがどうだったのか?
これこそが興味深いのだ!

尤もアレクサンドロス大王の時代には
トロイ戦争に関するエピソードは人口に膾炙してて
わざわざ書物に頼るまでもなく誰でもなんとなく知ってる話だったのだろうが
現代日本に生まれ育った自分には本を読むコトでしか知り得ナイし
『イリアス』【以前】が詳述されてる本が皆無に近い。(´д`;)ギャボ

一応トロイ戦争自体はギリシア神話の中に必ず入ってる話なので
まずはギリシア神話の本を片っ端から読み漁ったが
アキレウスとパトロクロスの出会い~トロイ出航までは
見事に抜け落ちてるモノばかりだったのだ。(゚д゚lll)ギャボ

そんな風に全貌が見え難いカップルだからこそ
想像(妄想?)の入り込む余地も多分にあり、そこが愉しみでもあるのだがw

The Song of Achilles: A Novel

ホメロスの『イリアス』はアキレウスの怒りが主題だが
いったい何にそんなに腹を立ててるのかと思えばその怒りの矛先は
まず味方のはずのアガメムノンへ向けられ
後に敵方のヘクトルに向けられた

アキレウスは10年に及んだトロイ戦争の間
ひたすらトロイ勢と戦うか物資の調達(近隣の村落を掠奪)するか
そんな日々を繰り返してて心は荒むばかりだったと思われ
人間にはそういう戦場生活は耐え難いモノだろうが
パトロクロスはアキレウスの縁者(※)で少し年長だが従順に仕えてて
いつでも傍らにいてくれる相手に対する安心感は
夫婦のそれと同様だろうかと・・・
パトロクロスは故意ではなかったが国で人を殺めてしまったので
アキレウスの父ペレウスの元に身を寄せてた

そうしてトロイ遠征に行く義務のあったパトロクロスは
その義務がなかったのに出征するコトになったアキレウスに伴い
ギリシア勢に加わりトロイを目指したが
アポロドーロスの『ギリシア神話』によれば
この時点でアキレウスは15歳・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

現代の日本では15歳は単なる子供だが
当時のギリシアでは15歳で子供も作り戦争にも参加してたのだヽ(゚∀。)ノ
しかしいくら後の世に英雄と語り継がれるアキレウスでも
15歳では身体も成長しきってなければ戦闘訓練も十分ではなかったはず
ましてやそれまで身を隠すために女装して生活してたのだw

ところがアキレウスの初陣は目的の地トロイに到達できずに終わり
8年後に改めて出航するまで一旦帰国してその間に鍛錬して
開戦時には20代前半、10年後の終結間際に死を迎えたのは30代前半・・・
この8年の日延べが生んだ時間のズレこそがアキレウスを英雄たらしめたのだ!
アキレウスが15歳で出陣したままトロイ戦争が始まってたら
英雄と称されるほどの活躍が出来たかどうかは甚だ疑問が残るるる~

とすると、アキレウスが英雄になれたのは
時の氏神の采配なのではなかろうか?!
時の氏神はギリシア神話だから運命の女神モイラあたりか???

アキレウスはヘクトルを討ち取れたからよかったものの
やられてたら英雄として名が残らなかっただろう
それに結果として名は残ったものの
実際にアキレウスが武術に長けてたのかはビミョーだ

尤もヘクトルもその強さの裏には
アポロン神の守護があると自負してたからだし
そこへ行くとアキレウスも(若くして戦死する運命であっても)
自身をある程度まで不死身だと信じてた

アキレウスやヘクトルに次いで英雄視されるオデュッセウスは
奸智に長けてはいたらしいが強くはなかったであろう
最前線で危ナイ目に遭うのをそれこそ奸智によって極力避けてきて
結果、生き延びたので英雄とされてるだけでしかナイかと・・・
まあ神の加護を持たナイ生身の人間でしかなかったのだから仕方がナイがね

ところでアレクサンドロス大王がアキレウスを英雄視してて
なおかつ自身に投影したのは境遇が似てるからだろう
戦勝によって成り上がった父親と神憑りな力を持つ母親の間に産み落とされ
母親に手を掛けてもらえずに育ちながらも
いざとなると母親の(魔)力の庇護を受ける、とゆーw

英雄に美女は付き物だがトロイ戦争の英雄アキレウスは
美少女好きでとりわけ処女が好みらしく簡単に言えばロリコンで
別途、従者パトロクロスとは禁断の愛を育んでたw

ケンタウロス

アキレウスは乳呑み児の時にケンタウロスのケイロンに預けられ
その後はトロイ出征までリュコメデス王の許に匿われてたが
この間に王女の1人デイダメイアと子を儲けてて
トロイ戦争でアキレウスの死後に
息子ネオプトレモス(別名ピュロス)が代わって参戦して
プリアモス王を討ったのだった

そんなワケでアキレウスは両親によって育てられてナイが
自身も子供の顔を1度も見ずに戦死したのだった

それにしてもアキレウスは当時ローティーンではなかろうか?
相手の王女デイダメイアもアキレウスと近い年齢だったと考えられるが
しかもアキレウスは王女たちに混じって女装してたのだし
それで子作りって想像を絶する、いや、創造力を掻き立てるるる~

とにかくデイダメイアに子供ができて
これをアキレウスが知ってたのかどうかは謎だが
オデュッセウスに女装を見破られてトロイ行きを強要されて
一旦は父親ペレウスの元へ帰り、ここで遠縁のパトロクロスと出会う

この時、パトロクロスがアキレウスの父の元に身を寄せてたのは
国元で誤って人を殺めてしまった(※)かららしいが
元よりパトロクロスはトロイへ行く義務があった
この辺りの詳細は自分が探した範囲ではどこにも見当たらナイ

ヘレネに結婚を申し込んでる過去がある男は
その際に交わした誓約上、ヘレネ奪回のための戦争に参加する義務があり
明らかにヘレネの結婚後に生まれてるアキレウスにはその義務はなく
パトロクロスはアキレウスより少し年長とはいえせいぜい幼児だったろうから
もちろん当人の意志で申し込んでるとは考えられナイ(※)が
パトロクロスには申し込んでる過去があり、義務を果たさねばならなかった
恐らくヘレネの父スパルタ王テュンダレオスに形ばかりの表敬の意として
パトロクロスの近親者が代理で申し込んだと見るのが順当である

要するにパトロクロスは自国に帰るも叶わず
今後の身の振り方を考えれば戦争に参加して手柄の1つも立てよう
とか思っていたとしても無理はナイのだが
若くして戦死するが英雄として名を残す、との予言を齎されてたアキレウスが
早死にするためにオデュッセウス如きに従って戦地に赴く必要はナイ

ここで結果的に2人がトロイ戦争に参加したのは
2人の間に愛があったからに他ならナイ!

アキレウスにしてみれば
うっかり孕ませたデイダメイアとの結婚生活より
愛するパトロクロスとの戦場生活を望んだに違いナイ!!

そう考えるのは現代のJUNEやALLANの愛読者だけではなく
古代ギリシアよりアキレウスとパトロクロスはただならぬ関係と目されてたし
アレクサンドロス大王などは自らをアキレウスに擬え
従者ヘパイスティオン(へファイスティオン)をパトロクロスに擬えてたりw
ローマ時代になると『ギリシア奇談集』などでは
パトロクロスは完全にアキレウスの愛人として扱われてたりもするるる~
肉体関係があった、とはっきりとはどこにも記されてナイが
戦場において共に生死を分かつコトは肉体関係以上に結び付きが大きいだろう

ところがそこに女が介入すると面倒なコトになるのだが
これが『イリアス』冒頭の「ブリセイス事件」で
アガメムノンと揉めた挙句にアキレウスは戦闘拒否に至ったのだった

アキレウスもパトロクロスもそれぞれ女を戦利品としてあてがわれてたのに
アガメムノンにアキレウスの女ブリセイスだけが取り上げられて
均衡が狂ったのだヽ(゚∀。)ノ

ここでアキレウスはブリセイスに未練があったワケではなく
持ち前の女性的な性格を発揮して
「パトロクロスには女がいるのに自分にはいナイ~p(-_-+)q」
そんなヒステリックな怒りが爆発したのだ!
確かに『イリアス』の主題は「怒れるアキレウス」だがな。(´д`;)ギャボ

しかもそれを母親のテティスに言いつけるアキレウスもどうかと思うが
「お前の望みを叶える」とゼウスに約束させてあげる、って
ゼウスに色仕掛けで迫ってしまう母親は更におかしいだろうが。(゚д゚lll)ギャボ
尤もフツーの人間の母親だったら息子のご機嫌伺いに戦地まで赴きますかいな(←てか無理っつ)

こうしてアキレウスが拗ねてる内に最愛のパトロクロスが殺されてしまう!!
10年一緒に、ましてやそのほとんどを戦場で過ごして来たのだから
肉体関係の有無を差し引いても(いや、信じてるけどw)
お互い最愛の相手であるコトは否定しようもナイ!
ここでアキレウスはまたしても女性的な性格を発揮して
「愛するパトロクロスを自分から奪ったヤツは許せナイ~p(-_-+)q」
そんなまるで我が子に危害を加えられた母親のような凄まじい怒りに奮い立った!!
情の深い女特有の執念による激昂のようでもあるがな(-_-;)

そしてアキレウスは怒りのままになんと敵の大将ヘクトルを討ち
トロイ戦争での1番の英雄の座をモノにしたのだが
ヘクトルの死を持って『イリアス』が終わるコトからも明らかなように
この戦争においての1番偉大な英雄はヘクトルなのだ、アキレウスに倒されるまでは・・・

だから英雄ヘクトルを討ち取ったアキレウスは超英雄になってしまったワケだ
そこでアキレウスを討ったのがパリスでも
パリスは英雄に似つかわしくナイってコトで捨て置かれる・・・
それ以上に苛まれてるし(;つД`)
アキレウスだってロリコンでホモの上にマザコンだから(←酷い言い様)
そのダメっプリなら決してパリスに引けをとらナイと思うのだがね

アキレウスが9歳になった時にテティスは今一度予言を思い起こして
今度はアキレウスをそうとわからナイように女装させて
リュコメデス王に預けた

またこの間に父親のペレウスは結婚前のイザコザの後始末をしてたようだが
そんなの結婚前に片付けとけってw

リュコメデス王の許で女装したアキレウスが
王の娘(デイダメイア王女)を孕ませたりしてる間に
トロイの王子がスパルタの王妃を掠奪した、との名目で戦争が始まろうとしてた

ギリシア軍はアキレウスを参戦させようとして
オデュッセウスにその任務を遂行させる

アキレウスの居所を嗅ぎつけたオデュッセウスは
リュコメデス王の元にやってきたが
よほど女装が板についてたらしいアキレウスは巧く王女たちの中に紛れてた!

しかしそこは奸智に長けたオデュッセウスのコト
商人と偽り王女たちに宝飾品を見せてこの中に武具を混ぜておいて
アキレウスならきっと武具を手にする、と睨んだのだった

まんまと引っかかって武具を手にしたアキレウスは
遂にオデュッセウスに女装を見破られて断りようもなく
アキレウスの父ペレウス所縁のパトロクロスとポイニクスが同行してトロイへ出征した

ホメロスの『イリアス』によるトロイ戦争の経過は
アキレウスとアガメムノンの戦利品の女を巡る諍いから
ヘクトルの葬儀までが確認できる

ちなみに『イリアス』の24歌のうち
豪勇(のはずの)アキレウスの戦闘シーンは僅かに20歌から22歌までだヽ(゚∀。)ノ

タイトルからしてイリアス、つまりイリオンの歌(トロイの歌)なので
トロイの将ヘクトルの死をもって物語が終わるのだな
なのでヘクトルの死後は『イリアス』にはナイが
クイントゥスの『トロイア戦記』やトリピオドーロスの『トロイア落城』などによれば
アキレウスも死んでパリスも死んでしまった後で
オデュッセウスの奸計【トロイの木馬】作戦でトロイは灰燼と化し
ギリシアが勝利を収めて戦争が終結する

トロイ ディレクターズ・カット [Blu-ray]

ところがブラピ主演の映画『トロイ』では
とっくに死んでるはずのアキレウスが【トロイの木馬】に入ってたりして
トロイの炎上中にアキレウスはやっと(?!)死ぬのだった

そんなワケでアキレウスの息子のネオプトレモスは参戦し損なってるし
パリスまで一緒に生き延びて、てか、死に損なって
結局パリスの最期のシーンは映画では見られナイままに終了
但しアキレウスの死に様としては
パリスの矢がアキレウスの踵に命中する、とゆー定説を再現してた

このパリスの放った矢は陰ながらアポロンが射させた、ともされてるが
これが休戦中の出来事だったとしてるモノには
アキレウスは騙し討ちにあった、とか
戦時であってもパリスの武勲は全く無視されてて
弓を引いたのはアポロンがパリスに力を与えてた、とか
パリスの実力だったとしても
弓矢は卑怯な武器である、とか
要するに英雄アキレウスが最期に射られたのが
パリス「なんか」である理由付けに四苦八苦なのだった(-_-;)

ブルフィンチの『ギリシア・ローマ神話』では
アキレウスはヘクトルの葬儀でポリュクセネ(※)を見かけ
その美しさに心を奪われて彼女を妻にする条件でギリシアの撤退を働きかける、と
トロイ側に歩み寄りを見せてるトコロをやられるのだ
プリアモス王の末の娘で母親はヘカベ、トロイ陥落後にアキレウスの墓前に供えられる(-人-;)

troy

ホメロス作とされてる叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』は
実際はもっと前の時代から語り継がれてきたものだが
古代ギリシアの識者たちがホメロス作としてるので一応そうしておこう

Iliad (Wordsworth Classics)

The Odyssey (Wordsworth Classics)

自分のようなヲタになれば『Ilias』と『Odysseia』を原典で読む野望さえ持つが
単純にギリシア語がしゃべれれば読めるなんてシロモノではナイ
口語と文語の隔たりは2,000年の時代を超えてるのだし
ましてや韻文なのでリズムを整えるための語句やお決まりの枕詞や常套句など
わかってナイと意味を履き違えてしまいかねナイ。(゚д゚lll)ギャボ

まあ韻文の邦訳も原典に忠実になればなるほど
上記のような意味を成さナイ言葉が何度も出てくるのが煩わしく思えるし
意味不明な部分には当然ながら訳注が付き
これがまた親切といえばそうなのだが鬱陶しく思うのも事実。(´д`;)ギャボ

ヲタ的には慣れてしまえばどうってコトナイのだが
散文しか読んだコトがナイような初心者には敷居が高いし
慣れる前に目がストライキを起こして読み進めなくなるコト必至だろう

散文でも然りで主要でナイ人物の出生とか事細かに出てくるけど
殺されるために出てるような人物のバックグラウンドより
話がスムーズに進んで欲しかったりヽ(゚∀。)ノ

そもそも古代ギリシアでは苗字がなくて
代わりに出自が明らかな父親の名を引き合いに出してから
例えば「ペレウスの子アキレウス」とか呼ぶのだが
それが正式な呼び方なのは仕方ナイにしても毎度毎度では萎えてくるし
緊迫した場面でも明らかな出自に辿り着くまでの系譜を語られたりすると
気の短い江戸っ子には「また始まったか~チッ( -∀-)、」

そういう無駄は一切排除して本文中に自然に注釈が入って
待たずに遮られずに初心者でも楽しく読み進められるホメロス本って
ナイかな~、と思ってたらあった!
阿刀田高の『ホメロスを楽しむために』だ!!

ホメロスを楽しむために (新潮文庫)

この人の小説となるとどうも余り好きな向きではナイのだが
エッセイは・・・エッセイも趣向が今一つ噛み合わナイ気がするのだが
初心者にぱ+.(・∀・)゚+.゚イイのかと・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

そして『イリアス』は初心者には驚愕だろうが
トロイ戦争の開戦10年目からヘクトルが死ぬまでしか載ってなくて
全貌を知りたいと思って読んでも肝心の「トロイの木馬」も謎のまま終わるのだ

そこで『オデュッセイア』のオデュッセウスの回想シーンを読むと
「トロイの木馬」の話が出てきたりしてそれなりに顛末を知るコトになるが
この2つを読破するのにはたいした根性が必要かと思われ

そんなワケでトロイ戦争の初心者にはこの本がオススメだが
表紙をめくった本文の前には簡易ながらわかりやすい以下の地図もあるのも
概要を把握しやすいのではナイかと・・・
「ギリシア神話関連」「オデュッセウス関連」「イタキ島周辺」

夫のメネラオスはスパルタ国王とはいえボンクラだった

世界一と言われる美貌を持て余す妃ヘレネには9歳の娘ヘルミオネがいたので
結婚して10年ほどと思われ、間違いなく倦怠期にあったろう

そんな時に夫の居ナイ留守宅にやってきたトロイの王子パリスが
葡萄の房の巻き毛(なんて甘美な形容!)をした美しい青年だったら
これはヘレネとしては誘惑しナイ手はナイw

取っ掛かりは出来心にしても出来過ぎのシチュエーションは恋心を触発し合う
だいたい絶世の美女と葡萄の房の巻き毛の美青年が恋をするのに
いったい何の理由が必要だろうか?

トロイ ディレクターズカット(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]

ブラピがアキレウスをやった『トロイ』では
どういう意図なのかパリスとヘレネの関係は純愛の様相を呈してて
ヘレネはまるで身も心も美しい乙女に描かれてるが
本トは1番条件の良かったメネラオスと結婚しておいて
美しくも純朴なパリスを誘惑して不貞をして
挙句に娘を置き去りにしてかけおちした悪女なのだ

しかもそれが元で大戦争になって死者累々でも
ヘレネ自身はちゃっかり助かって何事もなかったかのように夫の許に戻り
【絶世の美女】とゆー肩書き(?)のせいか誰からも咎められナイのだヽ(゚∀。)ノ
世間は美女にはどうしてこうも甘いのだろうか(;つД`)

そして片やパリスにも実はオイノーネなる女がいたのだった!
この時代の妙齢の王子なら妻の一人はいて然るべきで
むしろあちこちに王家の子供を作らナイようにとりあえずあてがわれるのだろう

ギリシアは一夫一婦制だがトロイは一夫多妻なので
身分の高い女を1人正妻にしてれば他に何人の愛妾を持とうが構わナイワケだ
゚+.(・∀・)゚+.゚イイ手本が父王のプリアモスで
アポロドーロスの『』によればなんと55人の子持ちだw

ギリシア神話 (岩波文庫)

このオイノーネは予言の能力を持ち
薬の知識にも明るいので人間でなく妖精だったとする説もあるのだが
とにかくパリスがまだ王子ではなかった時から見知ってた女で
もしかすると幼なじみだったりするかもしれナイ

羊飼いのパリスとイデ山に暮らす少女オイノーネは
まるで『アルプスの少女ハイジ』のようだが
ハイジがフランクフルトのお屋敷での生活に馴染めなかったように
オイノーネもどうやら王宮では暮らせなかったのか
王子になったパリスとは別れてイデ山に残った・・・らすぃ

この際の詳しい事情がどこにもナイので状況から推察するしかナイが
羊飼いだったパリスの世界はイデ山だけで
イデ山には羊とオイノーネしかいなかったので
パリスは必然的に羊とオイノーネを愛してたのだと予想できる
他に愛する対象がなかったのだからね
もちろんオイノーネの方も羊とパリスを愛するより他なかっただろうし
そこで突然パリスが王子の身分になろうが2人の愛は変わりようもナイ

但し、パリスにとっては単純に嬉しかったに違いナイのだ
肉親の元へ帰る、とゆーコトがね
そして家族の期待に応えてパリスは立派な王子となっていき
そんなパリスにオイノーネは引け目を感じずにはいられなかっただろう

そこへきてスパルタからヘレネを連れてトロイに戻り
いつのまにか戦場に引き出された元羊飼いの王子パリスは
なんとか逃げ延びたが頼りのヘクトルも亡くなり
致命傷を負ってみれば最期はイデ山のオイノーネの元へ還るのだ

瀕死のパリスはオイノーネに助けてくれるよう懇願するが
オイノーネは救う手立てをなんらとらず見殺しにして
自身も自害する、しかもパリスの遺骸を燃やしてる炎へ投身自殺だ。(゚д゚lll)ギャボ

オイノーネはパリスに捨てられたのを恨んでいたから助けなかった
などとバカバカしい理由を持ち出す恋愛音痴もいるが
だったら自殺の仕方も別の手段をとるはずだし
そもそもオイノーネが死ぬ必要はナイのだ。(´д`;)ギャボ

オイノーネはやっと自分の元に帰還した愛しいパリスが
もう2度と再び他の女の元に行って欲しくなかっただけなのだp(-_-+)q

トロイア戦記 (講談社学術文庫)

以上、おなじみ(?)アポロドーロスの『ギリシア神話』と
クイントゥスの『トロイア戦記』を参照した

たいていはトロイ戦争の原因を
トロイの王子パリスによるスパルタ王妃ヘレネの掠奪、としてて
パリスが元凶でヘレネには罪がナイとされてるが
2人が結ばれるよう導いたのは美の女神アプロディテだ

それとゆーのもイデ山で羊飼いをしてたパリスは
突然現れた3柱の女神たち(ヘラ、アテネ、アプロディテ)の「美の審判」を委ねられ
その中からアプロディテを選んだからだ

3柱の女神たちは自身こそが「最も美しい女神」と自負してるワリには
パリスに選んでもらうために
ゼウスの妻ヘラは政治権力とそれによって齎される富を
軍神アテナは戦勝とそれによって齎される栄誉を
美の女神アプロディテは世界一の美女によって齎される官能を
と、要するに各々賄賂を約束してて
アプロディテが選ばれたためにパリスは世界一の美女ヘレネを得たのだ

遡ればこの【パリスの審判】に至ったのはゼウスの差し金で
当初はゼウスこそが審判役を任されたのだったが
これをイデ山の羊飼いパリスに転嫁したのだ

ところでパリスはトロイの王プリアモスと正妻であるヘカベの子だが
生まれてすぐに捨てられたので王家で育っておらず
拾われて成長してからはイデ山で羊飼いをしてたのだが
トロイ王家では古くはガニュメデス王子も
イデ山で羊を放牧させてる時にゼウスにさらわれてるから
王子の身分でも羊飼いをするのが常なのか?!

パリスが捨てられた経緯はヘカベが出産の直前に見た夢によるが
燃える木を産んでその火が町を焼き尽くす、とゆー不吉な夢で
パリスはこの夢のような災いを招く、とされてイデ山に捨てられたのだった

この時パリスを捨てるように助言したのは
プリアモスの先妻アリスベの息子アイサコスだったが
なんとプリアモスには合計55人(!)の子がいて
アポロドーロスの『ギリシア神話』にはその全員の名前があるるる~

ヘカベはヘクトルとパリスの後に息子8人と娘4人を産んでて
アリスベとヘカベだけでもプリアモスには15人の子供がいるのだが
それ以外の女たちからも36人の息子と4人の娘を得てて
跡継ぎには一向に困らナイプリアモスだったのに
まさか自分の代で継ぐべき国が滅ぶとはね。(´д`;)ギャボ

ギリシア神話 (岩波文庫)

アポロドーロスの『ギリシア神話』には

イデ山に捨てられたパリスは熊の乳によって育てられた

なんてあるが夢のお告げや神託によって捨てられた子が
獣の乳によって生き延びて更に成人して素性を知って最終的に王になった、てのは
この辺りの神話・伝承にはよくあるパターンで例を挙げてたらキリがナイが
パリスの場合は捨てる役目を受けた召使が一旦は捨てたものの
5日後にまた拾ってきてパリスと名付けて育てたので
熊に乳をもらったにしてもせいぜい5日間に限定されてると思われ

成長してイデ山の羊飼いとなったパリスが
アレクサンドロスと呼ばれるようになったのは
盗賊から羊を守ったコトによる(※)
とはいえ、パリスは弓の名手ではあったようだが
なんせ羊飼いだったので武芸に秀でてはいなかっただろうから
大切な羊を必死に庇っただけに違いナイ
Alexandrosはalex-(護る)とandr-(男)の合成語である

パリスは当然ながら王子としての教育は全く受けておらず
実はトロイの王子であるとわかったトコロで
さっきまで羊飼いだったのにいきなり王子としての風采なんか持てるはずもナイ

でもパリスには王家の者には持ち得ナイ純朴さが備わってたはずだ
そして純朴な人間ほど神様に逆らったりしナイし
妖艶な美女には惑わされて然るべきだ

【パリスの審判】の際にアプロディテを選んだのは
羊飼いのパリスにとっては政治も戦争も別世界の話だったから
消去法で美女を選ぶしかなかったのではナイだろうか?

またアプロディテに従ってスパルタにやってきたパリスが
絶世の美女ヘレネに心を奪われたのは人間の男として至極当然だ
それでもヘレネが誘惑しなかったら、つまりヘレネにちゃんと貞操観念があれば
パリスの方からは到底手が出せなかったのでは?

なのでアプロディテとヘレネに翻弄された、とゆーのが
パリスの実状のような気がするのだが。(゚д゚lll)ギャボ

ギリシア~ローマへの時代と場所の変遷の中で
キャラクター設定も移り変われば
話の筋の方がそれに見合うように書き換えられてもいるだろう

英雄は英雄らしさが誇張されて描かれるほどに
アキレウスは賛美されるようになるが
対照的にパリスはバッシングされるようになり
誘惑した、はずのヘレネが
誘拐された、と変貌するのだ

フツーに考えたら
一国の王妃がまんまと客に誘拐されるのはおかしいからp(-_-+)q
王妃の方こそが家来を出し抜いて客を誘惑してる以外ありえんw

トロイ ザ・ウォーズ 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]

映画『トロイ ザ・ウォーズ』はその辺の事情をとても美しく描いてるが
他のトロイ映画に比べて1番原典に忠実な作りだったりするるる~

トロイ戦争ヲタとして
これまで細々と資料を集めて生きてきて
まさか21世紀になってから
改めて映画化されるとは思わなんだが
そうしてヲタを自認しつつも
劇場公開時には行きそびれるとも思わなんだ。(´д`;)ギャボ

しかも発売日を待ち望んでDVDを購入するも
パッケージも開けずに数ヵ月経過・・・

それが昨夜、ようやく観るに至ったワケだが
いつまでもぐずぐずして乗り気ではなかったのは
原典とのズレが受け入れられナイのを
なんとなく予感してたからで
結果から言えば
その予感は残念ながら的中してた。(゚д゚lll)ギャボ

とはいえ
自分が目にした初のトロイ戦争映像化作品なので
ヲタとしてはそれだけで多少は贔屓目に観てしまったが
それにしたって全体的な感想としては
「ガッカリ」だったのは否めナイ

もちろん2時間ちょっとに詰め込むのには
無理がある内容だってのは
重々承知してるので
エピソードの盛り込みが手薄になるのは
物理的に仕方ナイと考慮できなくもナイ

でもそれに合わせて
基本的な設定まで変えられてたら
違和感を抱かずにはいられず
そのために愛着のあるキャラクターが
粗略に扱われて本領発揮できずにいたりしたら
そりゃあもう憤懣遣る方無いってモノで
違和感ドコロか反感さえ持った次第

はっきり言って
パリスもパトロクロスも酷過ぎて
見るに耐えなかった(゚*゚;)

いや、見映えは良かっただけに
役ドコロがお粗末過ぎて
見るに忍びなかった、が正しい!

これまでに自分が彼らに惹かれた部分が
微塵も反映されておらず
まるでただのバカみたいだったw

特にパリスは無類のダメ人間設定で
恐らく観てる人の殆どが
そんなパリスを腹立たしく感じてただろうが
そんなパリスを捏造してるコトにこそ
自分は腹が立ったね

逆にオデュッセウスやアキレウスは
゚+.(・∀・)゚+.゚イイ人に描かれ過ぎてしまってて
奸智に長けたオデュッセウスだのに
奸計からすっかり毒気が抜けてしまって
賢者みたいになってるし
キレやすくて駄々っ子でマザコンのアキレウスも
妙に貫禄があって落ち着いてて
別人のようですが誰得なんでしょう?

確かにアキレウスは主役なので
あくまでもカッコよくなくてはってので
誰得ったらブラピファン得かwww

それにしたって
主人公は死なず、なのでか
トロイの木馬に入る場面まで生き延びるとか
物語の整合性を乱しまくってるんだがね

唯一のハマり役はヘクトルだけだった気がするも
ヘクトルはどう転んでも生真面目なだけで
誰がどう脚色しようとも
それだけのつまらんキャラなのだとも言えるか?!

そう言えば
肝心のアキレウスの女装シーンが
見事にすっ飛ばされてたが
あのムキムキのブラピが女装したら
王女でナイのは誰の目にも明らかで
オデュッセウスの出る幕はナイ・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

そもそも根本的に間違ってると思うのは
人間以外が一切排除されてるコトで
アキレウスの母親のテティス(海のニンフ)だけが
老いた人間の女性になって登場してて
テティスに任されてアキレウスを養育したのに
ケンタウロスのケイロンは登場せず
神々も一切出てこず・・・
いや、これってギリシア神話なんすけど(-_-;)

そして世界一の美女であるはずの
トロイ戦争の要因となったヘレン(ヘレネ)は
可憐な美少女と言った風情で
この映画では完全に脇役になってて
その夫のメネラオスに至っては
兄アガメムノンと共に
単なるデブの悪漢キャラで
本来ならヘレンには9歳の娘がいて
少なくとも10年近くは夫婦って設定が
完璧に崩壊してる辺りが
よくもここまで軽薄な映画に仕上げられたと
ハリウッド映画の娯楽大作至上主義に
改めて心から嫌気が差したね

別次元でやはり名優だと感服したのは
トロイの王プリアモスに扮したピーター・オトゥールで
敵陣に息子の亡骸の返還を要求に行く場面では
不覚にも涙してしまった