パラスとケンタウロス

3連休は雨模様らすぃと予想されてたので
土曜日の夜のバイト以外には外出予定は入れずに
手芸三昧できたら゚+.(・∀・)゚+.゚イイなと思ってたが
日曜日は思いの外晴れたのと
ダンナが二日酔いで寝たきりなのを好都合に
チャリンコで上野の東京都美術館まで行って来た

とゆーのもウフィツィ美術館展をやってて
今回の目玉はボッティチェリの『パラスとケンタウロス』で
ケンタウロスが好きな自分にはこれだけでも観に行く意義があったのだ

それにしてもケンタウロスとパラスとは変な組み合わせだ
パラスとはギリシアで言うアテナ、ローマで言うミネルウァの別名だが
この知恵と闘いの女神がケンタウロスと対峙してるシーンは
ギリシア・ローマ神話には記述がなく
ボッティチェリがいったい何を描きたかったのか
もしくは依頼主がどういう趣旨でこんな絵を描かせたのか
様々な憶測が飛び交ってるが自分には決定的と思われるモノはナイ

それに専門家らの概ねの見解にありがちな
悪のケンタウロスが善のパラス・アテナに懲らしめられてる
なんて単純な図式を当て嵌めたかったら
何の係わりもナイこの2人をわざわざ描きはしナイだろうに
ましてやケンタウロスが肉欲の象徴なら
アトリビュート(象徴的な持ち物)が弓矢であるのも腑に落ちナイ
そう、専門家らの解釈に沿うならば、例えば
シュリンクス(パン・フルート)を吹くサテュロスに向かって
弓矢を構える処女女神アルテミスならわかりやすい

あれこれ考えを巡らせながら
遂に本物の大きな絵の前に立った瞬間
ケンタウロスの繊細な表情には憂いが読み取れたが
それはパラス・アテナに懲らしめられてるからではなく
もっと深い悲しみに沈んでるようだった
確かにパラス・アテナはケンタウロスの髪をつかんではいるが
いかんせん懲らしめてるようには見えなかったのだ

そして2人の間にある一艘の船の存在に気付いてみると
アキレウスの命運がトロイ戦争で尽きたのを嘆くケイロン(※)と
諦めを諭すパラス・アテナに見えてきた
この辺りの詳しい事情は[アキレウスとケイロン]参照

パラス・アテナはトロイの守り神として
そのパラディオン(神像)がトロイ建国時に神殿に祀られたが
これがある限りトロイは不落であるとされてたので
例の木馬作戦を実行する前にオデュッセウスらが盗み出した

パラディオンがギリシア陣営にあって
トロイの守護を放棄せざるを得なくなったパラス・アテナは
地理的には遠く離れてはいたが
アキレウスの訃報(※)に悲嘆にくれるケイロンと
お互いに守り育てた大切なモノを失う
その喪失感を共有してるのを感じて通じ合った
そんな図に思えてきた・・・
映画によってはトロイの木馬にアキレウスも参加してるが、知り得る限りの文献ではとっくに死んでて
アキレウスの代わりに息子のネオプトレモスが戦地に赴き、トロイの王を討ったのはこのネオプトレモスとされてる

人の子を育てた獣神であるケイロンと
人々の営みを育んできた女神であるパラス・アテナ

と、ここまでが頭の中で一気に展開して
何かが怒涛のように押し寄せてきて魂がスパークした
時間軸と空間を結ぶ点から存在が解き放たれると
現実や真実や事実より真意の重みを感じる

絵の前にいたのはほんの1分程だろうが
時空を超えて魂が旅をしてた
こういう感覚をまさにトリップと言うのだろう

薬物などでこの感覚を得てる人が
抜けられなくなるのはわかる、確かに爽快だ・・・
なので、この感覚を呼び覚ますモノでなければ
芸術として完成されてるとは自分には認められナイのだ

そんなだから、あとは数点しか
自分にとって有用な作品がなかったので
まあいつものコトだが15分ほどで会場を後にしたヽ(゚∀。)ノ

帰路、冷静になって考え直してみれば
ケイロンとパラス・アテナが手塩にかけた対象を
無慈悲に奪い去ったトロイ戦争が
開戦に及んだきっかけとなった大元の原因はと言えば
3柱の女神らの誰が1番美しいかの諍いで
その女神の内の1柱は誰あろうパラス・アテナだったし
戦争での勝利を約束するコトで審判を買収しようとさえした

とすると、パリスの審判でパラス・アテナが選ばれてたら
トロイは滅亡しなかったのだろうか?

九十三年

ヴィクトール・ユゴーの『93年』を読み返しながら
アキレウスとケイロンに想いを馳せる

秋の夜長・・・

読書の夏




世間では読書の秋とか・・・
しかし自分は真夏の夜に読書に興じるのが好きだ

熱帯夜よりも熱いファブリスの情熱にくらくらしながら
スタンダールの『パルムの僧院』とか読むのぱ+.(・∀・)゚+.゚イイ

でも今夏はトロイ戦争関連の本ばかりを読み返して
トロイの都と共に燃え尽きた気がするるる~

何と言っても今年1番の古本屋巡りの収穫は
人文書院から自分の生まれる前に出てたサルトル全集の33巻
戯曲『トロイアの女たち』だったからね!
(今年はあと4ヶ月あるけどこれ以上はあり得ナイ、と断言してしまおう)

古代ギリシア三大悲劇詩人の1人であるエウリピデスのこの作品が
現代の哲学者サルトルの脚色によって蘇り(1965年初演)
賛否両論を巻き起こした、ときたら
トロイ戦争ヲタでサルトルファンの自分がこれを読んでナイってのは
お話にならんて!!

ところがこの全集もだが
他にも『トロイアの女たち』が収録されてる本は
もうずっと入手困難になってたのだ
それが手に入るなんて・・・しかも安価で。・゚・(ノД`)・゚・。

サルトルは自分が読み始めた頃に亡くなったが
尊敬すべき人物の中で時代を共有できた数少ナイ1人なので
格別に想い入れがある

とはいえ哲学書から戯曲までサルトルの著作は多岐に渡るので
彼のファンと言いつつもその総てを網羅してはいナイ

また夫人のボーヴォワールについては
微妙な嫉妬からか著作を読むまでに至らずにいて
その辺がどうもしっくり行かなかったのだが
父親の本棚からボーヴォワールの『人間について』を見つけて
今更ながらやっと読むに至った次第ヽ(゚∀。)ノ

どうもボーヴォワールは【女】を良くも悪くも意識し過ぎてて
そこが凄く気持ち悪かったのだ。(゚д゚lll)ギャボ
自分のように分子生物学的解釈が先立つ人間にとっては
社会学的「第二の性」なんてのは既に全く的を得てナイ見解なのだよ
メスの方が「第一の性」なのだからして!

実際に自分はおよそ【女】を意識せずに生きてきてて
単に【女】としての不遇もなければ
格別に゚+.(・∀・)゚+.゚イイ【女】としての優遇もなく

男女関係なく美しければ優遇されるコトもあるがその分不遇も同じだけある

そういう風に割り切れてるのでね

でも『人間について』の中ではそういう息苦しい部分はなく
すらすら読めてしまった・・・すらすら読め過ぎてフックがなかったがw
理知的な女・・・とはつまらぬモノなのだな。(´д`;)ギャボ
サルトルが脚色したヘレネのバカっぷりとそれを真に受けるメネラオスは
それにくらべてなんておもしろいんだろうwww

そういえばボーヴォワールには『サドは有罪か』があった
これだけは是非とも読んでみたい1冊だな

さて『トロイアの女たち』には実に様々な女の不遇が語られるが
良妻賢母の鑑アンドロマケが夫を殺したアキレウスの息子の奴隷になるとか
美しき処女ポリュクセネがアキレウスの墓前で贄に供されるとか
英雄てのはかくも女を不憫にするものなのか?

そしてこれらの儚き犠牲者に比べて驚嘆すべきはヘレネの強さだヽ(゚∀。)ノ
世界一の美女は世界一の悪女であった・・・バタリ ゙〓■●゙

サルトルはメネラオスのバカさをちょっと羨んでたりするかもしれナイ?

アキレウスとケイロン

泣けた・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

『レ・ミゼラブル』より涙してしまったのは
『93年』の以下の件(くだり)だ

ゴーヴァンは勝利者だ。しかも民衆のために勝利をもたらした英雄であった。彼はヴァンデにおける革命の大黒柱であり、しかもこの柱石を共和国のために築いたのはシムルダンその人ではなかったか。この勝利者こそシムルダンが手塩にかけて育てた教え子であった。共和国のパンテオンにやがてはまつられるであろうあの若々しい顔にシムルダンが認めているかがやき、それすなわちシムルダン自身の思想であった。彼の弟子、そして精神上の子供は今の今から英雄となり、やがて近い将来に祖国の栄誉を一身に担うようになるだろう。シムルダンは擬人化した自分の魂と再会した心地であった。彼はつい今しがたゴーヴァンの戦うありさまをその目で見たばかりだった。それはアキレウスの戦闘を目撃していたケイロンのごとき心情であった。僧侶と半人半馬族(ケンタウロス)のあいだには不思議な類似がある。僧侶もまた上半身しか人間ではないからである。

ヴィクトール・ユゴー『93年』より今日出海訳(筑摩世界文学大系)

ボッティチェリ「パラスとケンタウロス」 インテリア アート 絵画 プリント 額装作品 フレーム:木製(黒) サイズ:XL(563mm X 745mm)

野蛮な習性とされるケンタウロスの中にあっては
変わり者であったらしいケイロンは
アキレウスを乳幼児~9歳まで養育してる
(この辺りの詳しい事情は[アキレウスの誕生]参照)

その後アキレウスはリュコメデス王の許で女として育ち
オデュッセウスに見破られてトロイ戦争に赴いて
最大の英雄であった敵の大将ヘクトルを討ち
超英雄の座を得た(のもつかの間で戦死する)が・・・
(この辺りの詳しい事情は[アキレウスのトロイ出征]参照)

そんなアキレウスのトロイ戦争での活躍を
ケイロンが目にしたとゆー記述はどこにもナイし
ギリシアの山奥でひっそりと暮らしてるはずのケイロンは
フツーに考えて物理的にトロイに出没しようもナイ
もちろんユゴーだって勘違いしてるのでなく
そうと知っていながら、わざとそんな例えを引き合いに出してるのだが
だからこそこの例えは胸を打つ!

英雄と女神(海の精)とゆー立派な両親の元に生まれながらも
乳飲み児の内に親元を離れた・・・
換言すれば親に捨てられたアキレウスが
ケイロンを師と敬う以上に(以前に)父とも母とも慕ってたのは明白で
それはケイロン自身も気付いてただろう

ところがケイロンからしてみれば
人間のアキレウスとはそもそも棲む世界が違うので
成長した暁には手放す運命が確定してるし
言い切ってしまうと、本来、引き取って育てる義理もなければ
どう育てたトコロで何の見返りもあるワケでもナイのだ

それでもケイロンがアキレウスを世話し
共に生活する中で必要な知識を与えてったのは
江戸っ子に言わせれば、人情ってヤツに他ならナイので
そこに感じ入ってしまうのだが
更にその教育が理想的に思えるから胸熱!!

神話を紐解いても詳細は見当たらナイが想像に難くナイのは
指導と呼ばれる思想の刷り込みや
最初から考えさせナイようにする洗脳といった
素直な子供であるほどに持って生まれた自身らしさを失い
不自然な大人にしてしまうような教育を施してなかっただろうからだ
たぶんルソーも納得の理想的な教育ではナイだろうか?

エミール〈上〉 (岩波文庫)エミール〈中〉 (岩波文庫)エミール〈下〉 (岩波文庫青 622-3 )

ケイロンはアキレウスをアキレウスとして育んだのだ

シムルダンもゴーヴァンをゴーヴァンとして育んだに違いナイ

もしもケイロンが立派に成長したアキレウスの姿を目にしたら・・・
ゴーヴァンと再会したシムルダンの心情を表現するのに
これほど的確な例えはあるまい

実の親と子の縁は切れナイがその縁より強い絆もある
血を分けた、それだけの理由に依らナイ人情がその絆を強くする
これは何も師弟関係に限らず、夫婦間や友人同士もそうだ

人情・・・無償の愛情、と言えばわかりやすいだろうか?
尤も無償ではなく何らかの補償が伴う愛は
相手を「愛してる」と錯覚してるだけの自己愛でしかナイがなw

自分はケイロンのようにシムルダンのように
愛する人を育みたい

そういう想いからケイロン=ケンタウロス、に対して
格別な敬意を抱くのだろう

九十三年〈上〉 (潮文学ライブラリー)九十三年〈下〉 (潮文学ライブラリー)

ギリシア奇談集

タイトルに「ギリシア」とあるが書かれたのはローマ時代になってからだ

筆者はAelianus・・・ギリシア語読みだとアイリアノスだが
本トはローマ人だからアエリアヌスが正しいのでは?
しかし本編がギリシア語で書かれてるので作家名もギリシア語読みなのだろう

また時代的にはラテン文学の頃なのだが
前述のようにラテン語で書かれてナイのだからラテン文学ではナイ(のか?)

ギリシア奇談集 (岩波文庫)

『ギリシア奇談集』の原題は単に『ポイキレ・ヒストリア』で
ポイキレ(色とりどりの)・ヒストリア(歴史)なので『多彩な歴史』で
内容は確かに多彩で何でもありの様相を呈してるが
例えれば電車の中吊りにあるようなゴシップネタの宝庫なのであるるる~

古代ギリシアからローマ時代までの様々な逸話が460余り掲載されてるが
本文が415ページで注釈がたっぷり付いてるので1つの話は数行のモノがほとんど!
なので最初から最後までをきっちり読破するタイプの本ではなく
目次や索引から興味を引いた部分だけを飛ばし読みするのが愉しい♪

内容的にも現代の雑誌を読む感覚に近いので
なんとなく傍らにおいといてぺらっとめくっては1人ほくそえむ(*^^*)
そんな読み方が似つかわしいのだが書かれてるコトの真偽についても
週刊誌くらいの信憑性と認識しておけば゚+.(・∀・)゚+.゚イイ
この著者の肩書きは政治家でも学者でもなく・・・もしかして著述業か。(゚д゚lll)ギャボ

特筆すべきは古代ギリシアでは非難されなかった男同士のカップルが
以下のように取り上げられてるのが喜ばしい・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

ソクラテスとアルキビアデス
アキレウスとパトロクロス
アレクサンドロス大王とヘファイスティオン
その他諸々ヽ(゚∀。)ノ

まあローマでもキリスト教なんかが蔓延る前は罪を問われなかっただろうが。(´д`;)ギャボ
徹底した男尊女卑の宗教ほど同性愛を認めナイのはなぜだろうw

アレクサンドロス大王についてはカナ~リ載ってて
その師傅(しふ)アリストテレスや父王フィリッポス2世についても然りである
ちなみにこの時代にはアレクサンドロスと言えば大王なので
トロイのアレクサンドロス・パリスについてはパリスとして区別されてる

その他にも
哲学者(ピュタゴラス、プラトン、クセノポン、エピクロス)
英雄(ヘラクレス、アイネイアス、スキピオ)
詩人(サッフォー)
芸術家、僭主、名士、美少年に遊女の四方山話
アテネ、スパルタ等のポリスやその他の諸民族の特性
etc.etc.・・・興味深い話題満載だ

変身物語(転身譜)

ギリシア神話としてオウィディウスの『変身物語』は正統派ではなく
ラテン文学においてギリシア神話を集大成した詩集で
専ら恋愛を中心とした娯楽的要素を重視しつつ
タイトルにもあるように「変身」が含まれるエピソードを編んでる

オウィディウスは第2回三頭政治(※)~初代皇帝アウグストゥスの頃の人だが
少し年長のウェルギリウスの『アエネーイス』と同様に『変身物語』も時代背景を反映してて
アウグストゥスの帝位に正統性を、むしろ神性をも付与するために
古代ギリシアでの神と英雄の系譜にアエネーアースからアウグストゥスまでが継ぎ足されてるるる~
アントニウス、レピドゥス、オクタウィアヌスによって結成

巻15まである大作で岩波文庫では上巻に巻1~8、下巻に巻9~15と収録してて
上下巻で計737ページのヴォリュームだけあってギリシア神話を網羅してる感があり
話が連続してて巻の間でも隙がなく一気にも読めるし拾い読みもまた愉しい
索引はナイのだが詳細な人名の目次なので辞典的な使用も可能だ

ピュグマリオン効果―シミュラークルの歴史人類学

自分はオルフェウス(本文中オルペウス)の物語から始まる巻10を【美少年奇譚】と称してるが
他にキュパリッソス、ガニュメデス、ヒュアキントス、アドニスが登場し
ついでにフィギュアヲタの元祖ピュグマリオンも同じ巻にあるのだが
ナルキッソス(ナルシス)だけが巻3収録だ

Ovid Metamorphoses

そして美少年より気がかりなのが酒の神ディオニュソスや牧神パーンの存在だ
シュリンクスを追う牧神パーンは牧神パンだが
怪物テュポン(本文中テュポエウス)から逃れるのは酒の神バッカス(本文中バッコス)で
アポロンの竪琴と競って葦笛を演奏したのは獣神(サテュロス)のマルキュアスで
ミダス王の願いを叶えるのは獣神(サテュロス)のシレノスだ

ローマ時代にはディオニュソスは完全にバッカスに取って代わられたのか?
それともヘルメス→メルクリウス、アプロディテ→ウェヌスのように呼称の変化だけだろうか?

トロイ戦争については巻12~13を中心に収録されてて
特に巻14はヘクトルの死後(『イリアス』以降)に詳しく
アエネーアース(本文中アイネイアス)の新しいトロイ建国への出航と
オデュッセウス等ギリシア勢の帰国譚がある

またアキレウスの両親やトロイのプリアモス王の嫡男アイサコスも巻11にあり
アキレウスを養育したケンタウロスのケイロンの過去についても
巻2の「大鴉・コロニス・小鳥」「オーキュロエ」「バットス」にあったりして
トロイ戦争関連の記述は充実してる

メタモルフォーシス ギリシア変身物語集 (講談社文芸文庫)

惜しむらくはヘラクレスの凶暴なドSからMへの転身の話がなかったコトだが
この逸話はもっと後世に作られたのかもしれナイな

それにしてもタイトルから予想される通りに
何かに変身(転身)した話に限定されて載ってるはずなのに
ギリシア神話の殆どを網羅してるって
どれだけギリシア神話では変身が日常化されてるのだろうか(゚ ゚;)

ところで岩波文庫の邦題は『変身物語』だが
自分の愛用してる山川世界史用語集には『転身譜』となってて
こちらの方が優美なカンジで好みなのだが・・・ホゥ(*-∀-)

トロイのヘレン

ブラピの『トロイ』の半世紀前に制作された『ヘレン・オブ・トロイ』を観た

題材が同じなので当然ながら登場人物も同じなのだが
こちらはタイトル通りにヘレン(ヘレネ)が主役なだけあって
アキレウスが主役の『トロイ』とはキャスティングのポイントが違う

主役のヘレンは万人が認めるであろう正統派の美人で
相手役のパリスも見合うように精悍な美青年で
いかにも悪役らしい悪漢面のアガメムノンとメネラオスの兄弟は存在感があるが
アキレウスもオデュッセウスもヘクトルもチョイ役で記憶に残らナイし
予期してたコトだがパトロクロスは出てさえいナイ(;つД`)

Helen of Troy [VHS] [Import]

ヘレンに扮してるのは全然知らなかったがロッサナ・ポデスタなる女優で
一筋の乱れも許さずに編み込まれた輝く金髪
優雅な物腰を引き立てるドレープのたっぷり入った衣装
そして不倫妻であるコトは否めナイはずなのに
その道ならぬ恋の方が正しいような気がしてくるほどの圧倒的な美貌!
更に今時の女優には見受けナイ毅然とした態度がその美しさを冴え冴えとさせる!!

ヘレン・オブ・トロイ 特別版 [DVD]

パリスがアプロディテ(ヴィーナス)と見紛うのも肯けるほどに
見れば見るほど隅から隅まで美しさに隙がナイ・・・ホゥ(*-∀-)

これほどの美男美女が巡り逢ってしまったら
どうして恋に落ちずにいられようか・・・とその見映えだけで納得できるるる~

まあ逆に言えば美女ありきのメロドラマ風になってるきらいもあり
『イリアス』に忠実な戦闘シーンを期待してると
肩透かしを食らわせられるか、途中で飽きてしまうだろう

でも自分としては命を懸けた恋愛にひた走るこの運命のカップルが
『トロイ』の儚く可憐なヘレンと顔が命のヘタレパリスでは
まるでおままごとのように微笑まし過ぎて説得力不足に感じてたので
2人とも大人の『トロイのヘレン』には溜飲が下がった

それ以上に自分の好みと解釈から行けば
不可能ではあるがこの大人のヘレンと『トロイ』のヘタレパリスが゚+.(・∀・)゚+.゚イイ

故国と幼い娘を捨ててきたヘレンは
日が経つにつれて望郷の念と罪悪感に苛まれるが
その苦悩に全く気づかナイ脳天気なパリスに段々と嫌気が差してきて
悪気のナイのはわかっててもパリスに辛く当たるようになり
開戦を迎えてトロイ中の非難を受けて
さすがに素直に落ち込んでしまったパリスに対して
「ヘタレ!」とか止めの一言で毒づいてもらいたい・・・へo(゚∀゚*)ビシィ

失意のパリスを演じる蒼ざめたオーリーを想像しただけで
うきうきしてしまう自分はサドだヽ(゚∀。)ノ

ところでこのヘレン役の金髪美女ロッサナ・ポデスタは実は黒髪の麗しいラテン美女であった!

Wikiによれば彼女の出演作って興味深い題材ばかりで
この『ヘレン・オブ・トロイ』の前に『Ulysses(ユリシーズ)』に出てた。(゚д゚lll)ギャボ
オディッセウスはカーク・ダグラスで彼女はナウシカアやってたのだが
ペネロペイアはシルヴァーノ・マンガーノだったりして
これは観たい!観なけりゃ!!
と思ったがアマゾンでもImportのDVDしかナイ。(´д`;)ギャボ

他にも『Sodom and Gomorrah(ソドムとゴモラ)』とか
新しめの1983年の『超人ヘラクレス』では女神ヘラだったりして
アマゾンで衝動的に買い集めてしまうトコロだったが
何もかも日本ではDVD化されておらず断念した次第である・・・(-_-;)

ホメロス以外のトロイ戦記

トロイ戦争と言えばホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』だが
これらはむしろそのごく一部しか描かれてはおらず
一部始終となるとある程度までならたいていのギリシア神話にはあるが
詳細を描いた文献で、本来の伝承に忠実で、今日まで残存してて
しかも和訳されてるとなるとコルートス、トリピオドーロス、クイントゥス
そしてピロストラトス・・・いずれもローマ時代の再話作家だ


コルートス / トリピオドーロス『ヘレネー誘拐・トロイア落城』


ヘレネー誘拐・トロイア落城 (講談社学術文庫)

タイトル通りにコルートスの『ヘレネー誘拐』と
トリピオドーロスの『トロイア落城』が1冊に収まってるのだが
トロイ戦争のきっかけとなった【パリスの審判】と
トロイ陥落の作戦であった【トロイの木馬】とゆー
2つの最も有名なエピソードについてその詳細を知るコトができて
解説を含めて143ページとお手軽だ

但しこれらは5~6世紀にエジプト人によって書かれたモノなので
時代の変遷を経て付け加えられたのであろう間違い(勘違い)と思しき部分もあり
特に『ヘレネー誘拐』では大筋の設定自体がおかしい

とゆーのも【パリスの審判】の数日後にパリスがヘレネを訪ねてて
そのまま駆け落ちしてしまってるのだ
【パリスの審判】からパリスとヘレネの駆け落ちまでには
少なくとも10数年が経過してなくてはマズイだろう

なぜなら【パリスの審判】はアキレウスの両親の結婚式の直後の話で
この時点ではまだアキレウスは生まれてナイのだヽ(゚∀。)ノ

しかもそれでいてパリスとヘレネの出会いの時に
ヘレネが「アキレウスの武勇を知ってる」と語ってるのだ!
なので無理してこの物語に辻褄を合わせると
【パリスの審判】はアキレウスの両親の結婚式から10数年後で
その間、3柱の女神らは金の林檎を巡って延々といがみ合っていたとかw

そうでなくてもトロイ戦争が初陣でそれまで女装をして身を隠してたアキレウスの
「武勇」なんてモノがギリシア全土に伝わりようがナイのだ(-_-;)

『トロイア落城』の方は『イリアス』と『オデュッセイア』の間隙を埋める話で
つまり「ヘクトルの死後以降のトロイ戦争の成り行き」がわかるが
特筆すべきはやはり【トロイの木馬】のエピソードで何よりも詳述されてると思われ

但しその描写が緻密過ぎて
「弁慶の握ったこぶしはこのくらい」と握って示す講釈師の語り草のようで
講釈師 見て来たような 嘘を言い、なんて川柳を思い起こさせるが
臨場感溢れる筆致は嫌いではナイね

あと自分にはこれらがエジプト人によって書かれたギリシア文化の本として
アレクサンドロス大王が齎したヘレニズムの影響力をおおいに感じられるのも嬉しい♪


クイントゥス『トロイア戦記』


トロイア戦記 (講談社学術文庫)

これはこの『トロイア戦記』なるタイトルに語弊があるコトと
アキレウスの死に様に自分はどうも納得が行かナイのだが
それ以外は古典に忠実なので気に入ってるるる~

訳者の松田治の「まえがき」によれば
この作品には元より決まったタイトルがついてなかったのだが
内容から『ホメーロスの続き』とか『ホメーロス以降のことども』などと称されてたそうで

より正確には「ヘクトール没後のトロイア戦争の物語」となろうが、これも間延びするので本訳書では『トロイア戦記』とした次第である。

とゆーコトだがやはりタイトルは多少冗長になっても中身を反映してる方が好ましい(-_-;)

『トロイア戦記』のタイトルで本文444ページもあれば
スパルタ王妃レダの産んだ卵から始まるトロイ戦争の全般に渡る物語か
もしくは【戦記】なので『イリアス』より以前のアキレウスの出征くらいから終戦までとか
とにかく他ではなかなか読めナイ部分がてんこ盛りに入ってると思い込んでしまう。(´д`;)ギャボ

実際にはまさしく『イリアス』の続きでちょうど前述の『トロイア落城』と被り
アキレウスとアマゾンの女王ペンテシレイアとの戦いや
そのアキレウスの最期と追悼競技の様子
オデュッセウスに敗れたアイアスの自殺と悲嘆にくれる妻テクメッサ
パリスの最期「パリス散華」
アエネーアース(本文中アイネイアース)の活躍ぶり
オデュッセウスの【トロイの木馬】作戦
そしてトロイ陥落後に生き残った登場人物の行く末が
444ページのヴォリュームなのでどこよりも詳しく描かれてて圧巻なのだが
あくまでも『イリアス』後『オデュッセウス』までなのであるるる~

作者のクイントゥスは3世紀頃の小アジア(スミュルナ)の詩人なので
当然ながらフィクションの部分も多いのだろうが
話の辻褄は合ってて隙がナイ上に心理描写も的確と思えるので
この人に脚本を書かせた映画を観てみたいものだヽ(゚∀。)ノ

それにしてもトロイ戦争の世界観に浸ってると
絶世の美女ヘレネの悪女ブリと、にもかかわらず決して咎められナイトコロに
つくづく世の男たちが美女に甘いコトを痛感するね。(゚д゚lll)ギャボ


ピロストラトス『英雄が語るトロイア戦争』


英雄が語るトロイア戦争 (平凡社ライブラリー)

著者のフラウィウス・ピロストラトスはレムノス島出身のギリシア人で
2世紀後半~3世紀の半ばまで生きた人

タイトルの『英雄が語るトロイア戦争』の英雄とはプロテシラオスで
トロイ戦争が始まって最初に戦死したギリシア勢の将だが
この物語は著者ピロストラトスの時代にとあるフェニキア人が旅をしてて
トロイ北方のエレウスにてぶどう園に立ち寄りそこの主人を介して
英雄プロテシラオスの霊によって明かされたトロイ戦争秘話を語られる設定だ

トロイ戦争当時、既に死者であって
要するに誰に肩入れしてるでもなくなった英雄によって公平に見た
アキレウス、オデュッセウス、アイアスなどの英雄らの人物像が浮き彫りにされるのだが
これが自分の予想と合致してたので嬉しくなった。・゚・(ノД`)・゚・。

またトロイへの第一陣が目的地に辿り着けずにミュシアに上陸した際の話や
パトロクロスのためにアキレウスが髪を切った、とか
後にアレクサンドロス大王がテッサリアを征服してもプティアはアキレウスに意を示して手をつけなかった、とか
フツーに蔑ろにされがちな、でも自分にとっては重要な逸話が鏤められてて
トロイ戦争関連書籍でかつてこれほど満足感を得たモノはなかった・・・ホゥ(*-∀-)

まあブラピの『トロイ』しか知らナイ初心者が読むと
映画から抜け落ちてる部分ばかりなので何のコトやらさっぱりで
最も意味不明な1冊であろうが(-人-;)

いつかトルコを訪ねた時にはこのフェニキア人の旅人のように
ぶどう園でトロイ戦争を語り合えたら・・・と夢を見出だしてしまった!!
ディオニュソスの庇護の下に人生を再スタートさせねばp(-_-+)q

アキレウスの女性遍歴(後編)

トロイ戦争をアキレウスとパトロクロスは共に戦ったが
なんせ長い戦争だったのでむしろ戦闘をしてナイ期間も多かった


ブリセイス


トロイ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

その間は略奪品や戦利品を何でも、つまり女でも分け合ってきたのだが
アキレウスはその中でブリセイスなる女を特に気に入ってた

ところがアポロン神の祭司の娘クリュセイスが捕虜となって
アガメムノンに辱めを受けるのは父親クリュセスにとっても辱めであり
しいては祀るアポロン神への冒涜であるが故に
クリュセスは身代金によるクリュセイスの返還をギリシア方に要求したのだが
これをアガメムノンが断固拒否したためにアポロン神の怒りを買い
ギリシア勢の中に疫病が齎されてしまった

惨状に見かねたアキレウスが会議を招集し
カルカスに占いをさせて前述の理由を導き出し
その解決策としてアガメムノンにクリュセイス返還を迫った

占いや神託は絶対的であった時代なので
アガメムノンは総大将と言えども渋々クリュセイス返還を承諾するが
このほとんど「嵌められた」としか思えナイアキレウスの遣り口やその際の
戦争する気ナイからもう帰国したい!、とゆーアキレウスの無責任な発言や態度に
総大将アガメムノンの怒りがまず心頭に達したと思われ(-人-;)

帰国したきゃ勝手に手ぶらで帰りやがれ!
それならオマエの戦利品のブリセイスはオレがもらうまでよ!!
とアガメムノンは即有言実行タイプだがこれに対してアキレウスは怒り
「ママ~!ボクの女(オモチャ)をアガメムノンがとった~p(-_-+)q」
と母親のテティスに何とかしてもらうまで拗ねて駄々を捏ねまくった
てのが『イリアス』の冒頭であるるる~

アキレウスにしてみると本人が言ってる通り、戦争に勝つより帰国したいのである
それに無垢な処女クリュセイスが粗野なアガメムノンなんかに犯されるのかと思ったら
その美意識に耐えかねて腹の立つコトしきり・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
また恐らくそんな真意が伝わってしまったのだろう
アガメムノンも余計に腹に据えかねて大人気ナイ仕返しをしたのだった

こうした諍いによってアキレウスが【怒り】のままに戦意喪失してうだうだしてるうちに
代わってなんとかしようとしたパトロクロスがヘクトルに殺されてしまい
アキレウスの【怒り】の矛先がヘクトルに変わり
敵を討たれてヘクトルが死んで『イリアス』は終わるのだが
こうして書き連ねてみると主題はかなり間抜けな気がヽ(゚∀。)ノ

とにかくブリセイスはその人物像が今一つはっきりしナイのだが
取り合いになるような美女ではあったに違いナイし
きっと色香の漂うタイプではなくて少女らしくアキレウス好みだったのだ
それがアガメムノンから見てもわかりやすかったからこそ
わざとブリセイスを所望した、と推察する次第!

ちなみにアポロドーロスの『ギリシア神話』ではなぜか
ブリセイスの訳注に「アポロン神の祭司クリュセスの娘」とあるのだが
「アポロン神の祭司クリュセスの娘」はクリュセイスで
このクリュセイスがアガメムノンの分け前となってたからこそ
アキレウスとアガメムノンは仲違いするコトになるワケで・・・???


ペンテシレイア


ペンテシレイアはアマゾネスの将だが
ヘクトルの死後にトロイ勢の応援に駆けつけたので『イリアス』には記載がナイ

オウィディウスの『変身物語』などによれば
ペンテシレイアはアキレウスに討たれて最期を迎えるのだが
アキレウスは殺した後で初めてその顔を見てから
余りの美しさに心を打たれて殺めてしまったのを悔いて悲嘆に暮れる

アポロドーロスの『ギリシア神話』にははっきりと

彼は彼女の死後このアマゾーンに恋し

と記されてるるる~

その様子を見てたのはギリシア勢で1番の嫌われ者テルシテスで
感傷的なアキレウスを嘲笑ったがためにアキレウスの逆鱗に触れ殺されるが
この件だけでもどれほどアキレウスが崇高な美意識の持ち主であるかが窺い知れる!
それにしても一応味方であるテルシテスを本気で殺してしまうとは
アキレウスの激昂ぶりは凄まじいったらナイ((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル


ポリュクセネ


最後のポリュクセネはトロイ王プリアモスの娘であり
その母はヘクトルやパリスと同じくヘカベだが末娘なのでうら若き乙女で
なるほどアキレウスの好みだったようで一方的に一目惚れをして
その後は正式に結婚の申し込みをした、とか、逢引を試みた、とか諸説があるが
いずれにしろアキレウスは敵国の王女であるポリュクセネにでさえ
この時代には当たり前の掠奪(rape)には至らなかったのだ

そうこうしてるうちにアキレウスは最期を迎え
この恋は成就できずに終わったかに見えたのだがこの後が凄まじい!
なんとアキレウスは亡霊となってかつての仲間の前に現れて
自分の墓の贄にポリュクセネを要求したのだ!!

アキレウスの望みが叶いポリュクセネがその墓前で最期を迎える様子は
オウィディウスの『変身物語』に詳細があり
母ヘカベと弟ポリュドロスも合わせてトロイ王家の凄惨過ぎる末路が生々しく描かれてる

それにしても片恋の相手に死後も想いを持ち続ける執念って。(゚д゚lll)ギャボ
アキレウスの美意識はやはり男の範疇ではナイな。(´д`;)ギャボ

アキレウスの女性遍歴(前編)

トロイ戦争における英雄アキレウスは
15歳から死を迎えるまでの20年弱を戦闘に明け暮れてたため
女性遍歴とゆーか恋愛経験が極めて少なく、概略は以下の通りである

★14~15歳頃
→リュコメデス王の娘デイダメイア

★トロイ戦争中
→戦利品ブリセイス

★トロイ戦争末期
→(アマゾンの女王ペンテシレイア)

★トロイ戦争の終焉の死ぬ間際~死後?
→(プリアモス王の娘ポリュクセネ)

以上、しかも( )は清い関係・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

基本的にアキレウスは好色ではナイ
てか、女装の似合う美少年が好色なワケはナイのだ
これは贔屓目でなくて、その辺の女よりも自身の方が綺麗なら
ナルキッソス(ローマのナルシス)よろしく女なんかに興味は湧かナイものだ

稀に絶世の美女に惚れてしまうような美少年もいるだろうが
美意識の高さによるプライドも邪魔をするから
埒をあけてるサマなんて醜態はよほどのコトがなければ人目に晒せナイはずで
相手に気持ちをすっかり預けてる状態でなければ適わナイ
そうなるとやはりパトロクロスが浮上するるる~

そもそもパトロクロスとデイダメイアのどちらかを選ぶかが
アキレウスの人生の分かれ道だったのだが
パトロクロスを選んだコトでアキレウスの運命が決定付けられたワケだ


デイダメイア VS. パトロクロス


アキレウスにはヘレネの身柄に対しての誓約が無効だったし
若くして戦場で死ぬ運命を知ってたのだから尚更
トロイへ行かナイ、とゆー選択権もあったにも拘らず行ったのは
死ぬ以上に逃れたい選択肢があったからではなかろうか?

それはつまりデイダメイアを孕ませてしまった責任を取って結婚するとか。(゚д゚lll)ギャボ

まがりなりにもデイダメイアは王女なので婢女にお手つきしたのとはワケが違う
それに匿って貰ってたのだから立場的にも弱いのでおざなりにはできナイ
アキレウスはただ単に結婚したくなかっただけなのか
もしくはデイダメイアとは結婚したくなかったのか・・・
真意がどちらかはおいといたとしてもこの結婚から逃れたかったのだろう

加えてアキレウスは命を懸けても惜しくナイ恋をしてたかも知れナイ?
相手は言うまでもなくパトロクロスだが
デイダメイアと結婚するか、パトロクロスと共に死ぬか?!
否、死ぬ運命はアキレウスのモノでパトロクロスは死ぬと決まったワケではナイし
2人とも生き延びる可能性だってナイコトもなかったのだからして・・・

そうしてアキレウスはパトロクロスとトロイへ赴き
運命には逆らえなかったか、結局2人とも死んでしまったので
アキレウスはデイダメイアにも生まれた子にも断絶状態のまま生涯を閉じてる

だからデイダメイアの妊娠以降の記述がナイのだが
そうなると余計にデイダメイアはどんな少女だったのか、興味が尽きナイ
ローティーンで女装してたアキレウスが
同じくローティーンであろうデイダメイアと
いったいどんな風に交わったのか???
考えれば考えるほど倒錯してて創作意欲を掻き立てるるる~

美少女同士の戯れが昂じたのか
アキレウスが女装のうちに秘める男を抑えられずに迫ったのか
はたまた早熟なデイダメイアが女を抑えられずに襲ったのか
どれをとっても甘美な場面が想像できて愉しめるが
自分の好みとしては、てかしっくり来る設定は
おませな年上の美少女デイダメイアにウブな美少年アキレウスが翻弄された
てなカンジかな、フフ(*^^*)

しかもこの時点ではまだ清廉潔白だったアキレウスは
デイダメイアとの関係が続くコトに困惑しつつも逆らって追い出されても困るから
言うなりにされてるしかなかった、なんてね?!

Children of Achilles: The Greeks in Asia Minor Since the Days of Troy

ところがそこにやってきたオデュッセウスに女装を見破られてしまい
戦争から逃れるために女装して匿われてたのがバレてしまっては元も子もナイ!

吹っ切れた(?)アキレウスは母親の言いつけを破り
オデュッセウスの戦線への勧誘にOKの返事をして
まずは出立の準備のために父親の元へ向かい
そこでパトロクロスと出会い
出会った瞬間に2人の間に愛が芽生え、手に手をとって駆け落ち・・・
ではなくて、戦地へ赴いた、とな♪

アキレウスとパトロクロス

アレクサンドロス大王はホメロスの『イリアス』の愛読者で
自身と従者ヘパイスティオン(ヘファイスティオン)を
アキレウスとパトロクロスに擬えてたほどだ

東方遠征に生涯を費やして旅程で果てたアレクサンドロス大王にとっては
アキレウスとパトロクロスについて『イリアス』だけで十分だったのかもしれナイが
戦争にだけは巻き込まれずに一生を終えたい、と切に願う小市民の自分には
『イリアス』以外のアキレウスとパトロクロスがどうだったのか?
これこそが興味深いのだ!

尤もアレクサンドロス大王の時代には
トロイ戦争に関するエピソードは人口に膾炙してて
わざわざ書物に頼るまでもなく誰でもなんとなく知ってる話だったのだろうが
現代日本に生まれ育った自分には本を読むコトでしか知り得ナイし
『イリアス』【以前】が詳述されてる本が皆無に近い。(´д`;)ギャボ

一応トロイ戦争自体はギリシア神話の中に必ず入ってる話なので
まずはギリシア神話の本を片っ端から読み漁ったが
アキレウスとパトロクロスの出会い~トロイ出航までは
見事に抜け落ちてるモノばかりだったのだ。(゚д゚lll)ギャボ

そんな風に全貌が見え難いカップルだからこそ
想像(妄想?)の入り込む余地も多分にあり、そこが愉しみでもあるのだがw

The Song of Achilles: A Novel

ホメロスの『イリアス』はアキレウスの怒りが主題だが
いったい何にそんなに腹を立ててるのかと思えばその怒りの矛先は
まず味方のはずのアガメムノンへ向けられ
後に敵方のヘクトルに向けられた

アキレウスは10年に及んだトロイ戦争の間
ひたすらトロイ勢と戦うか物資の調達(近隣の村落を掠奪)するか
そんな日々を繰り返してて心は荒むばかりだったと思われ
人間にはそういう戦場生活は耐え難いモノだろうが
パトロクロスはアキレウスの縁者(※)で少し年長だが従順に仕えてて
いつでも傍らにいてくれる相手に対する安心感は
夫婦のそれと同様だろうかと・・・
パトロクロスは故意ではなかったが国で人を殺めてしまったので
アキレウスの父ペレウスの元に身を寄せてた

そうしてトロイ遠征に行く義務のあったパトロクロスは
その義務がなかったのに出征するコトになったアキレウスに伴い
ギリシア勢に加わりトロイを目指したが
アポロドーロスの『ギリシア神話』によれば
この時点でアキレウスは15歳・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

現代の日本では15歳は単なる子供だが
当時のギリシアでは15歳で子供も作り戦争にも参加してたのだヽ(゚∀。)ノ
しかしいくら後の世に英雄と語り継がれるアキレウスでも
15歳では身体も成長しきってなければ戦闘訓練も十分ではなかったはず
ましてやそれまで身を隠すために女装して生活してたのだw

ところがアキレウスの初陣は目的の地トロイに到達できずに終わり
8年後に改めて出航するまで一旦帰国してその間に鍛錬して
開戦時には20代前半、10年後の終結間際に死を迎えたのは30代前半・・・
この8年の日延べが生んだ時間のズレこそがアキレウスを英雄たらしめたのだ!
アキレウスが15歳で出陣したままトロイ戦争が始まってたら
英雄と称されるほどの活躍が出来たかどうかは甚だ疑問が残るるる~

とすると、アキレウスが英雄になれたのは
時の氏神の采配なのではなかろうか?!
時の氏神はギリシア神話だから運命の女神モイラあたりか???

アキレウスはヘクトルを討ち取れたからよかったものの
やられてたら英雄として名が残らなかっただろう
それに結果として名は残ったものの
実際にアキレウスが武術に長けてたのかはビミョーだ

尤もヘクトルもその強さの裏には
アポロン神の守護があると自負してたからだし
そこへ行くとアキレウスも(若くして戦死する運命であっても)
自身をある程度まで不死身だと信じてた

アキレウスやヘクトルに次いで英雄視されるオデュッセウスは
奸智に長けてはいたらしいが強くはなかったであろう
最前線で危ナイ目に遭うのをそれこそ奸智によって極力避けてきて
結果、生き延びたので英雄とされてるだけでしかナイかと・・・
まあ神の加護を持たナイ生身の人間でしかなかったのだから仕方がナイがね

ところでアレクサンドロス大王がアキレウスを英雄視してて
なおかつ自身に投影したのは境遇が似てるからだろう
戦勝によって成り上がった父親と神憑りな力を持つ母親の間に産み落とされ
母親に手を掛けてもらえずに育ちながらも
いざとなると母親の(魔)力の庇護を受ける、とゆーw