アキレウスとパトロクロス

アレクサンドロス大王はホメロスの『イリアス』の愛読者で
自身と従者ヘパイスティオン(ヘファイスティオン)を
アキレウスとパトロクロスに擬えてたほどだ

東方遠征に生涯を費やして旅程で果てたアレクサンドロス大王にとっては
アキレウスとパトロクロスについて『イリアス』だけで十分だったのかもしれナイが
戦争にだけは巻き込まれずに一生を終えたい、と切に願う小市民の自分には
『イリアス』以外のアキレウスとパトロクロスがどうだったのか?
これこそが興味深いのだ!

尤もアレクサンドロス大王の時代には
トロイ戦争に関するエピソードは人口に膾炙してて
わざわざ書物に頼るまでもなく誰でもなんとなく知ってる話だったのだろうが
現代日本に生まれ育った自分には本を読むコトでしか知り得ナイし
『イリアス』【以前】が詳述されてる本が皆無に近い。(´д`;)ギャボ

一応トロイ戦争自体はギリシア神話の中に必ず入ってる話なので
まずはギリシア神話の本を片っ端から読み漁ったが
アキレウスとパトロクロスの出会い~トロイ出航までは
見事に抜け落ちてるモノばかりだったのだ。(゚д゚lll)ギャボ

そんな風に全貌が見え難いカップルだからこそ
想像(妄想?)の入り込む余地も多分にあり、そこが愉しみでもあるのだがw

The Song of Achilles: A Novel

ホメロスの『イリアス』はアキレウスの怒りが主題だが
いったい何にそんなに腹を立ててるのかと思えばその怒りの矛先は
まず味方のはずのアガメムノンへ向けられ
後に敵方のヘクトルに向けられた

アキレウスは10年に及んだトロイ戦争の間
ひたすらトロイ勢と戦うか物資の調達(近隣の村落を掠奪)するか
そんな日々を繰り返してて心は荒むばかりだったと思われ
人間にはそういう戦場生活は耐え難いモノだろうが
パトロクロスはアキレウスの縁者(※)で少し年長だが従順に仕えてて
いつでも傍らにいてくれる相手に対する安心感は
夫婦のそれと同様だろうかと・・・
パトロクロスは故意ではなかったが国で人を殺めてしまったので
アキレウスの父ペレウスの元に身を寄せてた

そうしてトロイ遠征に行く義務のあったパトロクロスは
その義務がなかったのに出征するコトになったアキレウスに伴い
ギリシア勢に加わりトロイを目指したが
アポロドーロスの『ギリシア神話』によれば
この時点でアキレウスは15歳・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

現代の日本では15歳は単なる子供だが
当時のギリシアでは15歳で子供も作り戦争にも参加してたのだヽ(゚∀。)ノ
しかしいくら後の世に英雄と語り継がれるアキレウスでも
15歳では身体も成長しきってなければ戦闘訓練も十分ではなかったはず
ましてやそれまで身を隠すために女装して生活してたのだw

ところがアキレウスの初陣は目的の地トロイに到達できずに終わり
8年後に改めて出航するまで一旦帰国してその間に鍛錬して
開戦時には20代前半、10年後の終結間際に死を迎えたのは30代前半・・・
この8年の日延べが生んだ時間のズレこそがアキレウスを英雄たらしめたのだ!
アキレウスが15歳で出陣したままトロイ戦争が始まってたら
英雄と称されるほどの活躍が出来たかどうかは甚だ疑問が残るるる~

とすると、アキレウスが英雄になれたのは
時の氏神の采配なのではなかろうか?!
時の氏神はギリシア神話だから運命の女神モイラあたりか???

アキレウスはヘクトルを討ち取れたからよかったものの
やられてたら英雄として名が残らなかっただろう
それに結果として名は残ったものの
実際にアキレウスが武術に長けてたのかはビミョーだ

尤もヘクトルもその強さの裏には
アポロン神の守護があると自負してたからだし
そこへ行くとアキレウスも(若くして戦死する運命であっても)
自身をある程度まで不死身だと信じてた

アキレウスやヘクトルに次いで英雄視されるオデュッセウスは
奸智に長けてはいたらしいが強くはなかったであろう
最前線で危ナイ目に遭うのをそれこそ奸智によって極力避けてきて
結果、生き延びたので英雄とされてるだけでしかナイかと・・・
まあ神の加護を持たナイ生身の人間でしかなかったのだから仕方がナイがね

ところでアレクサンドロス大王がアキレウスを英雄視してて
なおかつ自身に投影したのは境遇が似てるからだろう
戦勝によって成り上がった父親と神憑りな力を持つ母親の間に産み落とされ
母親に手を掛けてもらえずに育ちながらも
いざとなると母親の(魔)力の庇護を受ける、とゆーw