天才は疎まれる

ライプニッツはマルチな天才だった

かのニュートンと微積分の発見についてどちらが先か優先権を争ったりしたので
数学者としての認知度が高かったが
神学、哲学、法学、科学と殆ど総てにおいて当時の専門家のレベルに至ってたのである

また自身の思想を体現するために積極的に各界の識者と書簡でやりとりしたり
ベルリンに科学アカデミーを設立したり、またプロシアの政治にも携わった

そんな社交的なライプニッツだったが
晩年は打って変わって孤独な日々を過ごし
彼の葬儀に参列したのは秘書だけだった、と知って思わず勘繰ってしまった

ライプニッツはどんだけ嫌われてたんだろうか?

数学史入門―微分積分学の成立 (ちくま学芸文庫)
数学は最善世界の夢を見るか?――最小作用の原理から最適化理論へ
ライプニッツ 普遍数学への旅 (双書・大数学者の数学)

凡人が他人に嫌われる要因はわかりやすい
たいてい【短所】や【欠点】など負の要素に限られてて
第三者からも忌み嫌う理由として尤もな気がする

しかしある程度の天才ともなれば
負の要素はもちろんだが加えて正の要素も嫌悪の要因となりやすい

その才気に対して誰もが賛嘆するとは限らナイからだ
1つの見解には必ず対立する見解が存在し反駁する相手には憎まれるワケだ
更に穿った見方をすれば賛同者だってうわべは好意的でも
実は妬んでるかもしれナイヽ(゚∀。)ノ

これがライプニッツくらい天才が過ぎると偏った見解を持たなくなるので
反対意見を述べられる者もなければ賛成のしようもなく
どちらからも支持されなくなり
結果として誰からも疎まれてしまうのだった。(゚д゚lll)ギャボ

1番顕著なのはキリスト教徒で
対立する2大宗派のカトリックとプロテスタントはお互いに皆殺しにしたいほど呪い合ってるが
唯一意見の一致があるとしたら、この2大宗派の統合の絶対的阻止だろうw

そんなコトは在り得ナイばかりか最初から誰も思いつきもしナイはずだが
人智を超えてそれを提案してしまったのが誰あろうライプニッツで
これで全キリスト教徒と敵対したも同然となった。(´д`;)ギャボ

元よりライプニッツが数学を選んだのも
【普遍数学】によって総ての学問を数学に還元して統一された世界観を構築しようとしてたからだ
換言すれば明確なコンセプトである数字を使って世界の総てを正しく表現しようとしたのだが
この計画は当然ながら未完に終わった

ところが科学アカデミーは設立されてしまった
既に科学アカデミーは他国にいくつかあり
それらを統合して頂点に君臨しようと息巻いてたのが後発のプロシア科学アカデミーで
その中心人物がライプニッツだったのだから学界で疎まれて然りだろう

真理は神が齎した唯一無二のモノであり
その真理に従って理念は統一されるべきモノだ

ライプニッツが目指してたのはそんな完璧主義もしくは理想主義の究極の形態で
なるほど【予定調和】なる超絶楽観主義思考もこの思想が根底に根付いてればこそだな

まあライプニッツとしては悪気はナイ、ドコロか
自身で最も正しく生きてる人間だ、と確信してただろう

前述したように誰からも支持されずとも
自身を人智を超えて神に近い唯一の人間だ、と自負してたに違いナイ
事実、頭脳の出来は格段にレベルが上だったのだから・・・

でも人としてはどうだったのか?

コンプレックスはまるでなかっただろうから、全く悪意を抱かナイ善い人ではあったか?
憐憫の情もなかったとしたら誤解されたか?

妻や子を持たなかったのは完璧な理想の家族を思い描いて妥協できなかったからだろうか?
世紀の天才も恋愛だけは苦手だったのか?

ヴォルテールは『カンディド』において
哲学者パングロスをしてライプニッツの楽天主義を徹底的にコケにしてて
自分も思わず吹き出してしまったがその境涯を知ったらなんだか切なくなってきたよ(;つД`)

誰よりも賢く生まれても孤独・・・
天はニ物を与えず、なのか、やっぱり(-_-;)