セネカの猥談

ディドロの『運命論者ジャックとその主人』は
知ったかぶりの主人とその従者ジャックの
珍道中の物語ではあるが
話が脱線しまくって
もう珍道中ドコロではなくなってるw

しかし、脱線の方向性が
ドストライクに興味の範疇だったりして
もれなくいちいち面白いのは
著者のディドロと自分が
思想も趣向も似通ってるんだろう

古代ローマにおいて
恐らく最も悪名高い皇帝ネロと
その師傅(しふ)だったセネカと
ネロの指南役に収まったペトロニウスが
三度の飯よりも好きな自分だが
ディドロもその辺りが大好物だったのは
『クラウディウスとそのネロの治世、
およびセネカの生き方と著作に関する試論
―この哲学者の読書案内』
なんてのを書いてたくらいなので明らかだ!
残念ながら邦訳がナイので未読だがp(-_-+)q

『運命論者ジャックとその主人』では
ジャックの主人の台詞に
以下のようなツッコミがあり・・・

 身持ちがよくって、哲学を鼻にかけている良識の士が、どうしてこんな猥褻な話をしておもしろがることができるのですか?
――まず第一に、読者諸君、これはコント(作り話)ではなくてイストワール(実話)なのだ。
 だからぼくはジャックの愚かなおこないを書いたからって、スエトニウスがわれわれにチベリウス帝の放埓三昧を伝える時以上にわるいことをしているとは思わない。
たぶんそれより罪は軽いと思っている。なぜ諸君はスエトニウスを読み、何ら彼を非難しない。
なぜ諸君はカトゥルスやマルチアリスやホラチウスやペトロニウスやラ・フォンティーヌその他に眉をしかめないのか?
どうして諸君はストア派のセネカに、凸面鏡に映ったあなたの奴隷の淫猥な姿がわれわれには必要なんですか、と言わないのか?
どうして諸君は故人にだけ寛大な態度を示すのか?

チベリウス帝=ティベリウス帝は
訳注(※)には「=ネロ帝」となってたが
スエトニウスの『ローマ皇帝伝』で
ティベリウス帝と言えば
第2代皇帝ティベリウス・ユリウス・カエサルで
第3巻に出てくるし
別途、第5代皇帝ネロは
第6巻に出てくる
自分が読んでる『運命論者ジャックとその主人』は古い筑摩世界文学大系収録のモノで訳者は小場瀬卓三

一般的にはネロ帝と言えば
第5代皇帝ネロで
クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス
もしくは
クラウディウス・カエサル・ドルスス・ゲルマニクス
なのでティベリウス帝とネロ帝は別人だが
同じ本にあったので
ジャックの主人は勘違いをしてるんだろうが
訳者も勘違いをしてるんだろうか?

そもそも『ローマ皇帝伝』は
カエサルと以降の11人の皇帝について
歴史的な事象よりは
個人的な趣味が描かれてて
だから伝記ってよりは
全体的にゴシップ色が強いのは否めず

それにしたってティベリウス帝を
やり玉に上げずともよかろうにとは思うがね

だがしかしここで肝心なのは
最後の方の「ストア派のセネカ」と
「凸面鏡に映ったあなた(セネカ)の奴隷の淫猥な姿」で
これはセネカの著書のどこかに
自身の奴隷の凸面鏡に映った淫猥な姿について
描写があるかもってコトだ!

なんせティベリウス帝のように
ガセネタも多いので
セネカの猥談なんてのは
大いに勘違いの可能性があるるる~

しかしこれが予想に反して
一応、記述されてるのが確認できたヽ(゚∀。)ノ

【16 ホスティウス・クアドラの忌まわしい物語】で
それは『セネカの自然研究(全)―自然現象と道徳生活―』の
「第一巻 大気中の火(光)について」にあった

まずホスティウス・クアドラが誰かと言えば
アウグストゥス帝の頃(b.c.27~a.d.14)の男で
後の芝居にエロキャラとして登場する程
その猥褻ぶりが知られてたそうだが
この男の奴隷たち(性の別など拘らず)が
凸面鏡だらけの部屋で
のべつ幕なしに行為を致してたのだ(゚*゚;)

セネカ自身が奴隷にやらせてた
とゆー疑いは晴れたw

そしてセネカは紀元元年前後に生まれてるが
どうやらホスティウス当人の痴態を
直接は見てなくて
ホスティウスの如きエロキャラが
登場する芝居を観てたぽい

セネカの詳述した淫猥な事態の描写は
実際に参加してなかったとしたら
まるでごく近しい友人でもあったかのように
思えてしまう程なのだが
と言うコトはセネカはこの芝居を
どんだけじっくり鑑賞してたんだかね?!

ストイックなストア派のイメージが・・・。(´д`;)ギャボ

いや、既にそれを
どうやって芝居にしてたのかがもうね
謎過ぎるるる~・・・バタリ ゙〓■●゙

いかに妄想力自慢の自分でも
想像図が追い付けず。(゚д゚lll)ギャボ

古代ローマにおいても
人類始まって以来の放縦さ極まった時世で
それこそ『サテュリコン』の世界観をもってすれば
芝居としてフツーに上演されてるのも
「あり」だったのだろうか?!

想像力を欠きつつ読みながら
自分が真面目に疑問を抱いたのは
当時の鏡に映る鏡像の精度と
当時の照明の明るさだ・・・( *゚Д゚)つ[酒]

何がどういうアングルで映ってるか
はっきり認識できるレベルではなかった気がするのだが
それでもかぶりつきになるくらい
興奮が出来たのだろうか?

いかん、エロについては
生真面目に考えるだに論点がずれてくw