映画『QUO VADIS(1951)』

児童版『クォ・バディス』から引用すれば
主役のビニキウス(映画ではヴィニシウス)は

たくましいからだとととのった目鼻だちとをそなえたビニキウスは、いかにもローマの青年貴族らしく、きびきびしていた

とあり、凛々しいラテン系美青年を想起する

原作では未婚なので20歳そこそこの設定だろうが
ヴィニシウス役のロバート・テイラーは1911年生まれで
映画出演時(1951年)には40歳。(゚д゚lll)ギャボ

【趣味の審判者】たる叔父のペトロニウスが
彫刻家がヘラクレスのモデルに使いたがると形容してて
確かにマッチョなハンサムではあるが
いかんせん、瑞々しさに欠く

ヴィニシウスの役ドコロは
惚れた女に洗脳されて
改心してキリスト教徒になって
持ち前の正義感を発揮して
仲間の救出に尽力するようになるも
結果的には叔父ペトロニウスを裏切って
皇帝ネロに反目する立場になるので
簡潔に表現すれば青二才だw

しかしローバート・テイラーでは
とてもそうは見えん。(´д`;)ギャボ

女のために信念を曲げるなんて
以ての外ってカンジに顔が締まってて
とても胡散臭い新興宗教にかぶれてる女に
のぼせてしまうようには見えんて

それに加えて
往年のスターだったのが鼻についたかもだ

それも年を追う毎に人気が低迷してきたので
起死回生を懸けて身体を鍛え上げて
アクションスターへ転向を計った第1作目p(-_-+)q
そんな意気込みが見て取れてしまう

それでもまだそこはかとなく
甘さを兼ね備えてて
どんなに荒々しく傍若無人に振舞っても
強面にはならぬ甘やかさがあるのが
この往年のスターの最大の魅力であろう
そこに頑なな聖少女さえも
つい心を許してしまうのはわかるるる~

こうしてヴィニシウスの年齢設定があがったせいで
相手役の年齢設定もあがったのだろう

児童版『クォ・バディス』には
アウルス将軍の息子とボール遊びをして
頬を紅潮させてるリギア(リジア)の挿絵があったので
せいぜい16~17歳と推定してたが
演じてたデボラ・カーは当時なんと30歳ヽ(゚∀。)ノ

尤もその神々しいまでの美貌で年齢を超越してたし
リジアを本トに10代の少女が演じてたら
四十路のヴィニシウスとのロマンスに
無理があるってモノだ

また児童版『クォ・バディス』によるリジアの容貌は

黒いふさふさした髪を持ち(中略)夢の楽園の天使のよう

とあるのから自分は勝手に
『緑園の天使』でのエリザベス・テーラーを当て嵌めてて
ブロンドのゴージャス美人のリジアには
正直、面食らったのだった

しかしその想起は自分だけではなかったようで
リジアに扮してカメラテストを受けてるリズの写真が
IMDbにアップされてた!

でもこの頃はもう色っぽ過ぎて
リジアにはミス・キャストだ(-_-;)

デボラ・カーはこの後
『ジュリアス・シーザー』にも出てて
ブルートゥスの妻を演じてるが
圧倒的な美しさを誇ってる

『黒水仙』での尼僧姿も
『キング・ソロモン』での探検家スタイル(?)でも
その美麗さには遜色がなく
むしろ装飾を取り払ってしまってこそ
ますます光り輝いて見える本物の美女だが
それが『クォ・ヴァディス』では
不遇な身上の元王女で
敬虔なキリスト教の信者なので
泥沼に咲く蓮のような清らかさが満ちてる

また、バレエをやってた人特有の
無駄な脂肪がナイ肢体を
三十路過ぎても保ってて
特に二の腕は賞賛に値する・・・ホゥ(*-∀-)

主役にロバート・テイラー
相手役にデボラ・カー
このキャスティングだけで
ハリウッド映画としては既に成功してるが
歴史大作としてはやはり
主役の美男美女だけでは納得できん!

ネロ、ペトロニウス、セネカ、ペテロなど
実在した人物が大多数なので
そのキャスティングの妙にこそ真価が凝縮されてる

自分はキャラ的にペトロニウスが大のお気に入りだが
レオ・ゲンのペトロニウスは
奴隷のユーニス役の美女とセットで好かった

ネロはローマ皇帝の中では1番好きなのだが
ピーター・ユスティノフのネロもなかなか可愛くて
ポッパエアの毒女ブリと好対照だった

惜しむらくは
もう少しセネカに活躍して欲しかったが
まあ史実的にも
ローマの大火の前に隠居してたからしかたナイ

但し、ローマの大火でネロが火付けを指図したなんて
歴史的事実に反してるんだがね・・・
だいたいネロに対する誹謗・中傷は
キリスト教徒の陰謀でしかナイ

そんなコトを言ってる自分も
初めて読んだ頃には
まだ世界観が確立してなくて
憐憫の情だけは持ち得てたので
迫害されるキリスト教徒に同情を禁じえず
逆にネロが悪の権化だと
うっかり真に受けそうになってたのだった