牧神の午後

フィギュア・スケートの1番好きな女子選手カロリーナ・コストナーが
『牧神の午後への前奏曲(プレリュード)』を演じてた

筑摩世界文学大系の43巻には
ステファヌ・マラルメの『L’Aprés-midi d’un Faune』が
鈴木信太郎訳で『半獣神の午後』(※)となってるが
マラルメのこの詩からインスピレーションを得て
ドビュッシーが『牧神の午後への前奏曲』を作曲して
これに振付けて踊ったのがニジンスキーの『牧神の午後』で
フィギュア・スケートでも演じられるようになった
「半」も「獣」も「神」も旧字

牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

付け加えれば山岸凉子がニジンスキーの伝記を『牧神の午後』とゆー少女漫画にした(*^^*)

牧神の午後 マラルメを読もう (慶應義塾大学教養研究センター選書)
ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)

オウィディウスの『変身物語』や
これに倣ったブルフィンチの『ギリシア・ローマ神話』によれば
牧神パンはニンフのシュリンクスに欲情して追いかけ
逃げ場を失ったシュリンクスは水に飛び込んで葦に姿を変えてしまった
パンが諦めきれずにこの葦を手折り残念がって溜息を漏らすと
振るえる葦から美しい音色が奏でられたので束にして葦笛を作成した
葦笛をパンの笛とかシュリンクスと呼ぶのはこのためだ

これが葦笛の起源とされてるのだが
なぜか発明したのはパンでなくメルクリウス(ヘルメス)だとされてたりする

オウィディウスは(ブルフィンチも)これを独立した物語でなく
「ヘルメスのアルゴス退治」と結び付けてて
身体中に眼があるアルゴスを眠らせるためにヘルメスが寝入り話をする筋立てで
その寝入り話の内容こそがこのパンとシュリンクスの挿話なのだが
とゆーコトはヘルメスはパンが葦笛を発明する様子を見てたのだろうか?
それなら正しくは発明者でなく発見者なのか?

ちなみにこの「ヘルメスのアルゴス退治」は
ギリシア神話の定番ネタとも言うべきゼウス(ユピテル)の浮気に始まる(苦笑)

浮気相手は正妻のヘラ(ユノー)に遣える美少女イオで
ゼウスは欲情のままに襲ってしまうのだが(実害があるだけにパンよりタチが悪いよなw)
ヘラにバレそうになると往生際の悪いゼウスはイオを牛に変えてまでシラをきる。(゚д゚lll)ギャボ

ヘラは女のカンなのか牛に姿を変えたイオを所望し
疑念を晴らすためゼウスは仕方なく牛のイオをヘラに与えたが
牛の姿で草を食むイオが可哀想になってきて
ヘラから牛を盗むように息子のヘルメスに言いつける。(´д`;)ギャボ

しかしヘラはまたしても女のカンなのか身体中に眼があるアルゴスに牛を見張らせたので
さすがのヘルメスもそんな怪物相手では盗む隙がなく
まずは葦笛を吹いてうっとりさせながらアルゴスに近寄って葦笛の起源について語り始めると
まもなくアルゴスが身体中の目を閉じて眠ったので
ヘルメスはその首を切り落としてまんまと牛を盗むのに成功!
と思いきや牛は逃亡!!

哀れなイオは牛のまま各地を彷徨う破目に陥るのだったヽ(゚∀。)ノ

しかしアポロドーロスの『ギリシア神話』では葦笛の起源はなくて
ヘルメスはアルゴスに石を投げつけて退治してたりして・・・

またヘルメスが葦笛の発明者とされてる話ではこれをパンに譲り受けたのか真似て作ったのかは謎だが
アポロンのケーリュケイオン(魔法の杖)と交換してるるる~

そもそもヘルメスは竪琴の発明者でもあるのだが
それとゆーのもヘルメスはアポロンから牛を盗んで牛を返す代わりに竪琴を作って与えたのだったw
そうして葦笛と竪琴をもらいうけたアポロンが楽人の神になり
ヘルメスは職人と商人の神となったが牛を盗んだので泥棒の神ともされるのだった
そういえばヘラからも牛を盗もうとしてた・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

『牧神の午後』は牧神パンがニンフのシュリンクスに欲情して
追いかけたが逃げられてやり損なって残念がってる、そんな午後・・・
って概略を述べたらミもフタもナイ話だったりするのだが
これがマラルメの詩で表現されると実に甘美な出来・・・らしい!
仏語を解さナイのでどの辺がどう、とかは言えナイがポール・ヴァレリーがそう絶賛してるし
ドビュッシーやニジンスキーなど異分野のアーティストに創作意欲を湧かせてるし
それだけでマラルメの霊感の威力は語るに及ばず・・・ホゥ(*-∀-)

しかしながらマラルメ自体が難解な上に鈴木訳がこれに輪をかけた冷や汗モノの難解さで
眉間にシワを寄せて口をへの字に結んで頭から「?」マークを放出しながら
読んでも読んでも一向に理解し得なかったり・・・バタリ ゙〓■●゙

他の詩人ならたいてい旧訳の方が断然好きなので
わざわざ新訳を読む気は起きナイのだが
もう少し解り易い新訳を読んでみたい気もしたりして(苦笑)

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そう言えばQUEENの『I Want to Break Free』のプロモ・ビデオでの
フレディ・マーキュリーのパロディ版『牧神の午後』はどういう意味なのか?
単にフレディがニジンスキーを模したかったんだろうか(-_-;)???

今だったらマラーホフ辺りが踊るなら観てみたいが
ググってみたら既に来日してニジンスキーの振り付けを完璧に再現してたとか・・・
とゆーコトは物議を醸した腕立て伏せの振り付けを
つまり「ニンフが残してった衣を使って自分で埒を開ける」のもやっちまったのか?!

ブラボー、マラーホフ!!
とはいえその素晴らしさはいかんせんわからん!
オスの自慰の切なさがわからんと無理なのだろうか?

天使について

天使像はギリシア神話の勝利の女神であるニケが原型である
ニケはローマで言うトコロのヴィクトリアで英語のVictoryってのはこれが由来だ
またNikeはスポーツ用品メーカーが使ってるるる~

しかしニケはギリシア・ローマ神話にほとんど登場してなくて
最も系譜に詳述があるアポロドーロスの『ギリシア神話』にも誕生の記載しかナイ
ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』にも出てこナイから
もしかすると古来からの神ではなかったか地域限定だったのか?

天使像の原型となったニケの彫像はルーブル所蔵の『サモトラケのニケ』で
BC190年頃ロードス人が対シリア戦勝記念にサモトラケ島に建てたモノ
でもフランスまで観に行かなくても日本でも見れるるる~
ルーブル彫刻美術館てのがあるのだ
しかもちょうどTOPページに『サモトラケのニケ』が出てる
LINK:ルーブル彫刻美術館

『サモトラケのニケ』以外では片足の膝を上げてるニケの像が多数あり
これは全力疾走の表現なので
勝敗が決定した際に勝利の宣告を授かって
陣営から陣営と走って廻ったメッセンジャーの役割をしてた
俊足の女性・・・もしくは女性に見紛う容姿の美少年が神格化したのが起源
なんて妄想してるのだが実際はどうなのか不明

この正統派の大人の容姿の天使以外にも
日本の某食品メーカーが登録商標にしてるような乳幼児の姿の天使もいる

【プット】と呼ばれるこのタイプはルーベンスの作品に溢れかえってるが
ルネッサンス期に描かれるようになった比較的新しいモノで
ヴィクトリア朝のイギリスにおいてもブームだったらしく
「Victorian Angels」でググったらその手の画像がどっさりあった

原型としてはギリシア神話のエロス(ローマのアモルもしくはクピド)で
英語圏ではCupid(キューピッド)となるw

アモルとプシュケ (アモルとプシュケ叢書)
アモールとプシケー―女性の自己実現

ギリシア及びローマ神話のエロスの出自には異説が多々あって
これがヘレニズム期にアプロディテの息子とゆーコトで落ち着いた
アプロディテと言えばローマのヴィーナスで
愛と美の女神であるのは誰もが知るトコロだが
それで息子が【アモル:愛】だったり【クピド:欲望】だったりするワケだ

エロスが幼児として描かれるようになったのは
たぶんアプロディテとエロスの親子像が
美女と美少年ではどうにも親子らしくまとまらナイからではナイかと。(´д`;)ギャボ
だからってエロスを全くの赤ん坊にしてしまうとすると
今度はアプロディテが聖母ぽくなってしまう。(゚д゚lll)ギャボ
それで幼児がちょ~ど゚+.(・∀・)゚+.゚イイってコトになったのではなかろうか?

ニケは美術作品も少ナイので天使と見紛うコトはナイだろうが
エロスは数多く描かれてるから素人には見分けがつかナイだろう
周囲の人物がアプロディテやプシュケなどのあからさまな美女か美少女であるか
またはアトリビュートが弓矢であればエロスだ

ところで天使の背にあるのは翼であって羽でも羽根でもナイ

翼は飛行のための器官でその構成単位は羽
羽は翼の構成単位で生えてる状態のモノ
羽根は羽が抜け落ちたモノ

天使や鳥の翼を羽や羽根と誤用しがちだけどあれは翼が正しい
(実際に手元の本もほとんど誤用してるが)

昆虫には通常2枚づつ左右2対で計4枚の羽が生えてて
これらが翼の役割をするが翼ではなく羽(翅とゆー字も使うけど基本的には羽)である
昆虫に類似の羽を持つ妖精やハエそっくりの悪魔ベルゼブブも羽だね

ん(・_・?)
ベルゼブブ以外の悪魔や怪物によくあるコウモリ様のモノは翼なのか羽なのか?
そして飛行機は翼だなヽ(゚∀。)ノ
羽根と根がつくのは抜け落ちてる状態のモノで
羽根ペンはもちろん羽子板やバドミントンに使う羽根及びシャトルもこれに相当するるる~
日本語って難しいね( *゚Д゚)つ[酒]

【大天使】と【天使】では【大天使】の方が階級が上だが
そもそも階級(ヒエラルキー)なる語が初めて使われたのは
1c頃のギリシア人ディオニシウス・アレオパギタの著書『天上位階論』においてであった

この『天上位階論』によると天使は上級・中級・下級の3層に分かれてて
各々更に3隊に分かれてるので全9階級で構成されてるらしい
その中で【大天使】は上から8階級目なので
ガブリエル、ミカエル、ラファエルって実は下っ端?!
それなのにミカエルが総ての天使の総帥てのは辻褄が合わナイ気がするのだがw
ちなみに【大天使】の下の階級(つまり1番下っ端)は【天使】だ

後世になって『天上位階論』は偽書疑惑に曝されたが
にも関わらず「位階論」自体は325年のニケヤの宗教会議でキリスト教の教義として正式に取り入れられて
以降現代まで天使学(アンゲロロギア)において「位階論」が正しい認識としてまかり通ってるるる~
元より天使の階級に信憑性などナイのだがねヽ(゚∀。)ノ

だいたいにおいて天使は科学の法則に従ってナイモノなのでその姿形は人間の概念の便宜上でしかナイ
より人間に近い下級の【大天使】や【天使】には人間に似た姿形が割り振られたのだろう
美術の中で天使らしい姿となれば100%どちらかだ

逆に上級天使は人間の想像を絶する様相をしてる
顔だけで身体がなくて顔から直に翼が生えてたりするのだ

このラファエロの『エゼキエルの幻視』は

正面に人間の顔
右に獅子の顔
左に牛の顔
後ろには鷲の顔で
翼が4枚生えてる

との聖書の記述に基づいてるのだが複雑怪奇な姿は天使よりは怪物。(´д`;)ギャボ
ラファエロは天才的手腕で美的にまとめてるが
これで実際に人間の前に姿を現されたら妖怪だと勘違いするに違いナイ。(゚д゚lll)ギャボ
だがしかし上級の【智天使】だったりして・・・((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル

そんなだから実力者のミカエルが天使の総帥として
肩書きだけの上級天使をも従えてるのは尤もな気もしてきたりしてw

アキレウスの女性遍歴(後編)

トロイ戦争をアキレウスとパトロクロスは共に戦ったが
なんせ長い戦争だったのでむしろ戦闘をしてナイ期間も多かった


ブリセイス


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その間は略奪品や戦利品を何でも、つまり女でも分け合ってきたのだが
アキレウスはその中でブリセイスなる女を特に気に入ってた

ところがアポロン神の祭司の娘クリュセイスが捕虜となって
アガメムノンに辱めを受けるのは父親クリュセスにとっても辱めであり
しいては祀るアポロン神への冒涜であるが故に
クリュセスは身代金によるクリュセイスの返還をギリシア方に要求したのだが
これをアガメムノンが断固拒否したためにアポロン神の怒りを買い
ギリシア勢の中に疫病が齎されてしまった

惨状に見かねたアキレウスが会議を招集し
カルカスに占いをさせて前述の理由を導き出し
その解決策としてアガメムノンにクリュセイス返還を迫った

占いや神託は絶対的であった時代なので
アガメムノンは総大将と言えども渋々クリュセイス返還を承諾するが
このほとんど「嵌められた」としか思えナイアキレウスの遣り口やその際の
戦争する気ナイからもう帰国したい!、とゆーアキレウスの無責任な発言や態度に
総大将アガメムノンの怒りがまず心頭に達したと思われ(-人-;)

帰国したきゃ勝手に手ぶらで帰りやがれ!
それならオマエの戦利品のブリセイスはオレがもらうまでよ!!
とアガメムノンは即有言実行タイプだがこれに対してアキレウスは怒り
「ママ~!ボクの女(オモチャ)をアガメムノンがとった~p(-_-+)q」
と母親のテティスに何とかしてもらうまで拗ねて駄々を捏ねまくった
てのが『イリアス』の冒頭であるるる~

アキレウスにしてみると本人が言ってる通り、戦争に勝つより帰国したいのである
それに無垢な処女クリュセイスが粗野なアガメムノンなんかに犯されるのかと思ったら
その美意識に耐えかねて腹の立つコトしきり・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
また恐らくそんな真意が伝わってしまったのだろう
アガメムノンも余計に腹に据えかねて大人気ナイ仕返しをしたのだった

こうした諍いによってアキレウスが【怒り】のままに戦意喪失してうだうだしてるうちに
代わってなんとかしようとしたパトロクロスがヘクトルに殺されてしまい
アキレウスの【怒り】の矛先がヘクトルに変わり
敵を討たれてヘクトルが死んで『イリアス』は終わるのだが
こうして書き連ねてみると主題はかなり間抜けな気がヽ(゚∀。)ノ

とにかくブリセイスはその人物像が今一つはっきりしナイのだが
取り合いになるような美女ではあったに違いナイし
きっと色香の漂うタイプではなくて少女らしくアキレウス好みだったのだ
それがアガメムノンから見てもわかりやすかったからこそ
わざとブリセイスを所望した、と推察する次第!

ちなみにアポロドーロスの『ギリシア神話』ではなぜか
ブリセイスの訳注に「アポロン神の祭司クリュセスの娘」とあるのだが
「アポロン神の祭司クリュセスの娘」はクリュセイスで
このクリュセイスがアガメムノンの分け前となってたからこそ
アキレウスとアガメムノンは仲違いするコトになるワケで・・・???


ペンテシレイア


ペンテシレイアはアマゾネスの将だが
ヘクトルの死後にトロイ勢の応援に駆けつけたので『イリアス』には記載がナイ

オウィディウスの『変身物語』などによれば
ペンテシレイアはアキレウスに討たれて最期を迎えるのだが
アキレウスは殺した後で初めてその顔を見てから
余りの美しさに心を打たれて殺めてしまったのを悔いて悲嘆に暮れる

アポロドーロスの『ギリシア神話』にははっきりと

彼は彼女の死後このアマゾーンに恋し

と記されてるるる~

その様子を見てたのはギリシア勢で1番の嫌われ者テルシテスで
感傷的なアキレウスを嘲笑ったがためにアキレウスの逆鱗に触れ殺されるが
この件だけでもどれほどアキレウスが崇高な美意識の持ち主であるかが窺い知れる!
それにしても一応味方であるテルシテスを本気で殺してしまうとは
アキレウスの激昂ぶりは凄まじいったらナイ((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル


ポリュクセネ


最後のポリュクセネはトロイ王プリアモスの娘であり
その母はヘクトルやパリスと同じくヘカベだが末娘なのでうら若き乙女で
なるほどアキレウスの好みだったようで一方的に一目惚れをして
その後は正式に結婚の申し込みをした、とか、逢引を試みた、とか諸説があるが
いずれにしろアキレウスは敵国の王女であるポリュクセネにでさえ
この時代には当たり前の掠奪(rape)には至らなかったのだ

そうこうしてるうちにアキレウスは最期を迎え
この恋は成就できずに終わったかに見えたのだがこの後が凄まじい!
なんとアキレウスは亡霊となってかつての仲間の前に現れて
自分の墓の贄にポリュクセネを要求したのだ!!

アキレウスの望みが叶いポリュクセネがその墓前で最期を迎える様子は
オウィディウスの『変身物語』に詳細があり
母ヘカベと弟ポリュドロスも合わせてトロイ王家の凄惨過ぎる末路が生々しく描かれてる

それにしても片恋の相手に死後も想いを持ち続ける執念って。(゚д゚lll)ギャボ
アキレウスの美意識はやはり男の範疇ではナイな。(´д`;)ギャボ

アキレウスとパトロクロス

アレクサンドロス大王はホメロスの『イリアス』の愛読者で
自身と従者ヘパイスティオン(ヘファイスティオン)を
アキレウスとパトロクロスに擬えてたほどだ

東方遠征に生涯を費やして旅程で果てたアレクサンドロス大王にとっては
アキレウスとパトロクロスについて『イリアス』だけで十分だったのかもしれナイが
戦争にだけは巻き込まれずに一生を終えたい、と切に願う小市民の自分には
『イリアス』以外のアキレウスとパトロクロスがどうだったのか?
これこそが興味深いのだ!

尤もアレクサンドロス大王の時代には
トロイ戦争に関するエピソードは人口に膾炙してて
わざわざ書物に頼るまでもなく誰でもなんとなく知ってる話だったのだろうが
現代日本に生まれ育った自分には本を読むコトでしか知り得ナイし
『イリアス』【以前】が詳述されてる本が皆無に近い。(´д`;)ギャボ

一応トロイ戦争自体はギリシア神話の中に必ず入ってる話なので
まずはギリシア神話の本を片っ端から読み漁ったが
アキレウスとパトロクロスの出会い~トロイ出航までは
見事に抜け落ちてるモノばかりだったのだ。(゚д゚lll)ギャボ

そんな風に全貌が見え難いカップルだからこそ
想像(妄想?)の入り込む余地も多分にあり、そこが愉しみでもあるのだがw

The Song of Achilles: A Novel

ホメロスの『イリアス』はアキレウスの怒りが主題だが
いったい何にそんなに腹を立ててるのかと思えばその怒りの矛先は
まず味方のはずのアガメムノンへ向けられ
後に敵方のヘクトルに向けられた

アキレウスは10年に及んだトロイ戦争の間
ひたすらトロイ勢と戦うか物資の調達(近隣の村落を掠奪)するか
そんな日々を繰り返してて心は荒むばかりだったと思われ
人間にはそういう戦場生活は耐え難いモノだろうが
パトロクロスはアキレウスの縁者(※)で少し年長だが従順に仕えてて
いつでも傍らにいてくれる相手に対する安心感は
夫婦のそれと同様だろうかと・・・
パトロクロスは故意ではなかったが国で人を殺めてしまったので
アキレウスの父ペレウスの元に身を寄せてた

そうしてトロイ遠征に行く義務のあったパトロクロスは
その義務がなかったのに出征するコトになったアキレウスに伴い
ギリシア勢に加わりトロイを目指したが
アポロドーロスの『ギリシア神話』によれば
この時点でアキレウスは15歳・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

現代の日本では15歳は単なる子供だが
当時のギリシアでは15歳で子供も作り戦争にも参加してたのだヽ(゚∀。)ノ
しかしいくら後の世に英雄と語り継がれるアキレウスでも
15歳では身体も成長しきってなければ戦闘訓練も十分ではなかったはず
ましてやそれまで身を隠すために女装して生活してたのだw

ところがアキレウスの初陣は目的の地トロイに到達できずに終わり
8年後に改めて出航するまで一旦帰国してその間に鍛錬して
開戦時には20代前半、10年後の終結間際に死を迎えたのは30代前半・・・
この8年の日延べが生んだ時間のズレこそがアキレウスを英雄たらしめたのだ!
アキレウスが15歳で出陣したままトロイ戦争が始まってたら
英雄と称されるほどの活躍が出来たかどうかは甚だ疑問が残るるる~

とすると、アキレウスが英雄になれたのは
時の氏神の采配なのではなかろうか?!
時の氏神はギリシア神話だから運命の女神モイラあたりか???

アキレウスはヘクトルを討ち取れたからよかったものの
やられてたら英雄として名が残らなかっただろう
それに結果として名は残ったものの
実際にアキレウスが武術に長けてたのかはビミョーだ

尤もヘクトルもその強さの裏には
アポロン神の守護があると自負してたからだし
そこへ行くとアキレウスも(若くして戦死する運命であっても)
自身をある程度まで不死身だと信じてた

アキレウスやヘクトルに次いで英雄視されるオデュッセウスは
奸智に長けてはいたらしいが強くはなかったであろう
最前線で危ナイ目に遭うのをそれこそ奸智によって極力避けてきて
結果、生き延びたので英雄とされてるだけでしかナイかと・・・
まあ神の加護を持たナイ生身の人間でしかなかったのだから仕方がナイがね

ところでアレクサンドロス大王がアキレウスを英雄視してて
なおかつ自身に投影したのは境遇が似てるからだろう
戦勝によって成り上がった父親と神憑りな力を持つ母親の間に産み落とされ
母親に手を掛けてもらえずに育ちながらも
いざとなると母親の(魔)力の庇護を受ける、とゆーw

アキレウスの性癖

英雄に美女は付き物だがトロイ戦争の英雄アキレウスは
美少女好きでとりわけ処女が好みらしく簡単に言えばロリコンで
別途、従者パトロクロスとは禁断の愛を育んでたw

ケンタウロス

アキレウスは乳呑み児の時にケンタウロスのケイロンに預けられ
その後はトロイ出征までリュコメデス王の許に匿われてたが
この間に王女の1人デイダメイアと子を儲けてて
トロイ戦争でアキレウスの死後に
息子ネオプトレモス(別名ピュロス)が代わって参戦して
プリアモス王を討ったのだった

そんなワケでアキレウスは両親によって育てられてナイが
自身も子供の顔を1度も見ずに戦死したのだった

それにしてもアキレウスは当時ローティーンではなかろうか?
相手の王女デイダメイアもアキレウスと近い年齢だったと考えられるが
しかもアキレウスは王女たちに混じって女装してたのだし
それで子作りって想像を絶する、いや、創造力を掻き立てるるる~

とにかくデイダメイアに子供ができて
これをアキレウスが知ってたのかどうかは謎だが
オデュッセウスに女装を見破られてトロイ行きを強要されて
一旦は父親ペレウスの元へ帰り、ここで遠縁のパトロクロスと出会う

この時、パトロクロスがアキレウスの父の元に身を寄せてたのは
国元で誤って人を殺めてしまった(※)かららしいが
元よりパトロクロスはトロイへ行く義務があった
この辺りの詳細は自分が探した範囲ではどこにも見当たらナイ

ヘレネに結婚を申し込んでる過去がある男は
その際に交わした誓約上、ヘレネ奪回のための戦争に参加する義務があり
明らかにヘレネの結婚後に生まれてるアキレウスにはその義務はなく
パトロクロスはアキレウスより少し年長とはいえせいぜい幼児だったろうから
もちろん当人の意志で申し込んでるとは考えられナイ(※)が
パトロクロスには申し込んでる過去があり、義務を果たさねばならなかった
恐らくヘレネの父スパルタ王テュンダレオスに形ばかりの表敬の意として
パトロクロスの近親者が代理で申し込んだと見るのが順当である

要するにパトロクロスは自国に帰るも叶わず
今後の身の振り方を考えれば戦争に参加して手柄の1つも立てよう
とか思っていたとしても無理はナイのだが
若くして戦死するが英雄として名を残す、との予言を齎されてたアキレウスが
早死にするためにオデュッセウス如きに従って戦地に赴く必要はナイ

ここで結果的に2人がトロイ戦争に参加したのは
2人の間に愛があったからに他ならナイ!

アキレウスにしてみれば
うっかり孕ませたデイダメイアとの結婚生活より
愛するパトロクロスとの戦場生活を望んだに違いナイ!!

そう考えるのは現代のJUNEやALLANの愛読者だけではなく
古代ギリシアよりアキレウスとパトロクロスはただならぬ関係と目されてたし
アレクサンドロス大王などは自らをアキレウスに擬え
従者ヘパイスティオン(へファイスティオン)をパトロクロスに擬えてたりw
ローマ時代になると『ギリシア奇談集』などでは
パトロクロスは完全にアキレウスの愛人として扱われてたりもするるる~
肉体関係があった、とはっきりとはどこにも記されてナイが
戦場において共に生死を分かつコトは肉体関係以上に結び付きが大きいだろう

ところがそこに女が介入すると面倒なコトになるのだが
これが『イリアス』冒頭の「ブリセイス事件」で
アガメムノンと揉めた挙句にアキレウスは戦闘拒否に至ったのだった

アキレウスもパトロクロスもそれぞれ女を戦利品としてあてがわれてたのに
アガメムノンにアキレウスの女ブリセイスだけが取り上げられて
均衡が狂ったのだヽ(゚∀。)ノ

ここでアキレウスはブリセイスに未練があったワケではなく
持ち前の女性的な性格を発揮して
「パトロクロスには女がいるのに自分にはいナイ~p(-_-+)q」
そんなヒステリックな怒りが爆発したのだ!
確かに『イリアス』の主題は「怒れるアキレウス」だがな。(´д`;)ギャボ

しかもそれを母親のテティスに言いつけるアキレウスもどうかと思うが
「お前の望みを叶える」とゼウスに約束させてあげる、って
ゼウスに色仕掛けで迫ってしまう母親は更におかしいだろうが。(゚д゚lll)ギャボ
尤もフツーの人間の母親だったら息子のご機嫌伺いに戦地まで赴きますかいな(←てか無理っつ)

こうしてアキレウスが拗ねてる内に最愛のパトロクロスが殺されてしまう!!
10年一緒に、ましてやそのほとんどを戦場で過ごして来たのだから
肉体関係の有無を差し引いても(いや、信じてるけどw)
お互い最愛の相手であるコトは否定しようもナイ!
ここでアキレウスはまたしても女性的な性格を発揮して
「愛するパトロクロスを自分から奪ったヤツは許せナイ~p(-_-+)q」
そんなまるで我が子に危害を加えられた母親のような凄まじい怒りに奮い立った!!
情の深い女特有の執念による激昂のようでもあるがな(-_-;)

そしてアキレウスは怒りのままになんと敵の大将ヘクトルを討ち
トロイ戦争での1番の英雄の座をモノにしたのだが
ヘクトルの死を持って『イリアス』が終わるコトからも明らかなように
この戦争においての1番偉大な英雄はヘクトルなのだ、アキレウスに倒されるまでは・・・

だから英雄ヘクトルを討ち取ったアキレウスは超英雄になってしまったワケだ
そこでアキレウスを討ったのがパリスでも
パリスは英雄に似つかわしくナイってコトで捨て置かれる・・・
それ以上に苛まれてるし(;つД`)
アキレウスだってロリコンでホモの上にマザコンだから(←酷い言い様)
そのダメっプリなら決してパリスに引けをとらナイと思うのだがね

アキレウスの誕生

トロイ戦争の発端はアキレウスの両親の結婚式まで遡る

アキレウスの父ペレウスはゼウスの孫に当たるが人間であり
一方、母テティスは海の妖精(ニンフ)であり
その父親である海の精ネレウスはポントス(海洋)とゲー(大地)の子なので
テティスは太古の神ゲーの孫に相当する

またペレウスの祖父に当たるゼウスもゲーの孫で
最初に世界を支配したウラノス(天空)がゲーを娶ってクロノスを生み
クロノスとレアの子がゼウスなのである

だからテティスは古い神話に度々登場してて
その美貌でゼウスとポセイドンに望まれてもいたのだが
テティスが産んだ子は父親より強くなるるる~、てな予言をされてたため
これにビビったゼウスもポセイドンもて退いたのだったヽ(゚∀。)ノ

確かにペレウスもアルゴ号の乗組員で英雄としての活躍があったが
息子のアキレウスの方が父親より名を馳せたのだから
預言通りになったと言えるかもしれナイ

ちなみにペレウスはゼウスの孫で祖母に当たるのはアイギナだが
アキレウスの従者であるパトロクロスも祖父はゼウスではナイがアイギナの孫に当たる

さてトロイ戦争の発端となったアキレウスの両親の結婚式は
神々を招いて盛大に執り行われたが
この時に招待を受け損ねた争いの女神エリスは
宴たけなわとゆートコロで黄金の林檎を投げ入れて去った

この林檎の争奪戦が女神たちの間で繰り広げられたのは
最も美しい方へ、とあったからだ。(゚д゚lll)ギャボ

林檎を最後まで譲らなかったのはゼウスの妻ヘラ、軍神アテナ、美の女神アプロディテで
誰が最も美しいかの判定を最高神ゼウスに求めた。(´д`;)ギャボ

ところがゼウスはこの重責から逃れようと画策して
この任をトロイのパリスに転嫁するよう、伝令の神ヘルメスに言いつけるるる~

そうしてヘルメスは林檎持参で女神らを伴ってイデ山に出現したが
驚いたのは羊を追ってたパリスだった

Paris of Troy

女神の中でもとりわけ美しい(と自負する)3柱が目前に突如として現れるだけでも驚くが
ヘラは富と権力を、アテナは軍功と覇権を、アプロディテは世界一の美女を、と
賄賂を提示しながら黄金の林檎を渡すように迫ってきたのだから
それはもう驚愕を超えて恐怖だろう(苦笑)

結果的に林檎を得たのはアプロディテだったのだが
この【パリスの審判】の時点では間違いなくアキレウスはまだ生まれてなかったし
パリスもまだトロイ王家に戻っておらずイデ山の羊飼いだったと思われ

その後テティスは男子を出産するが
息子は短命で戦場で死ぬ運命、なんてまた妙な予言をされてしまうΣ(゚д゚lll)ガーン
不憫な息子をなんとか不死の身にしようとして
ペレウスより受け継いだ人間の部分を火で焼いた、とか
身体中にアンブローシア(神の食物)を塗った、とか
スティクス(三途の川)の水に浸した、とか
方法は諸説あるのだがどうであれその際に踵(※)だけ有効ではなかった
踵を持ってた行ったから、あるいはうっかり忘れた、など
これも諸説あるが踵を射られて死ぬワケだ・・・バタリ ゙〓■●゙
踵、てか要するにアキレス腱の辺りだな

そうこうしてる内に神々に祝福されて結婚した夫婦の1人息子は
まだ乳呑児の内にケンタウロスのケイロンに預けられた

ケイロンはペレウスがテティスと結婚しようと猛アタックするのに
力を貸した人物・・・てか、ケンタウロスなのだが
それで結婚して子供ができたと思ったらその赤ん坊を預かる羽目になるるる~
人が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ・・・てか、ケンタウロスが゚+.(・∀・)゚+.゚イイw

ケンタウロスは上半身が人で身体は馬の半人半馬で
気性は粗野で猛々しいとされてるがケイロンは温厚な人柄(ケンタウロス柄?)で
医術や予言術にも長けてたので教育者としてはうってつけだったのもあるが
乳の代わりに獅子や猪の臓腑と熊の髄で養育する辺りはさすがケンタウロスだな

それにしてもテティスは人間ではなくてましてや海に棲まうモノだから
人間の世界では暮らせナイ何らかの事情があるのかもしれナイが
父親のペレウスにしても結婚前のごたごたを引きずったりしてて
息子と一緒に暮らすコトはなかった・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

なのでアキレウスの名を付けたのもケイロンだった

ヘレネの結婚

ブラピ主演の映画『トロイ』におけるヘレネは
従来の絶世の美女であり天性の悪女のイメージとはかけ離れてて
政略結婚で野獣のような男に嫁がされた純粋無垢で儚く可憐な美少女ヽ(゚∀。)ノ
なので可哀相にメネラオスはまるっきり悪役になってたw

『トロイ』より半世紀ほど古い『ヘレン・オブ・トロイ』では
ちゃんとした大人の女だったがやはり悪女の要素は微塵もナイ正統派の美女で
それに見合うように相手役のパリスまでが立派過ぎたっけ・・・

ヘレネは最終的にはメネラオスの元に戻るし
更にヘレネがゼウスの娘だって配慮からヘレネと共にメネラオスも不死の身となって
【エリュシオンの野】で永遠に仲睦まじくしてるって異説さえあるのに
映画ではどちらもメネラオスが戦争中に殺されてるるる~

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Helen of Troy: Goddess, Princess, Whore
The Memoirs of Helen of Troy: A Novel

だいたい映画になるとヘレネとパリスの出会いからトロイ陥落まで
20年の歳月を要してるのに1年にも満たナイように見えてしまう

トロイ戦争が10年に及ぶ戦争だったのは言わずと知れてるが
アポロドーロスの『ギリシア神話』によれば
開戦前にギリシア軍は戦備に2年かけて出航してるし
しかもそれでトロイに辿り着けなかったために一旦ギリシアに帰ってたりして
再びトロイを目指したのはそれからまた8年後!
つまりパリスとヘレネとの逃避行から開戦までにもなんと10年!!

ヘレネがパリスと駆け落ちする際に
一人娘ヘルミオネが9歳だったのでメネラオスとの結婚をほぼ10年とすると
トロイ戦争が始まった時点で既にヘレネとパリスは
メネラオスとの結婚期間と同じだけ夫婦生活を送ってしまってて
トロイ戦争の終焉でパリスが戦死する頃には
ヘレネはなんと20年間もパリスに連れ添ってたのだった

それにしても解せナイのは
メネラオスがヘレネとの結婚でスパルタ王家の婿養子になったコトだ
ヘレネに結婚の申し込みが殺到した頃には
双子の兄カストルもポリュデウケスも健在だったので
本来ならどちらかがスパルタ王家を継ぐべきだ

スパルタ王テュンダレオスにしてみたら
嫡子であるカストルに継いで欲しかったのではナイだろうか?
ポリュデウケスには間男(ゼウス※)の胤(たね)との噂があったしね
スパルタ王妃レダに横恋慕したゼウスが白鳥に化けて油断させといて襲ったのだが
この双子の出生については諸説あるし、そもそも非科学的な出産なので言及は避けたい
とにかくヘレネもゼウスの子とされてるが双子のクリュタイムネストラはそうとはされてナイ

ところがカストルとポリュデウケスは
故国スパルタを後にして冒険の旅に出てしまった。(゚д゚lll)ギャボ

この辺の真相は定かではナイがとにかくこの双子の兄弟は
ヘレネの結婚騒動の折にはいなかったようだ。(´д`;)ギャボ

そうしてギリシア全土から集まった王侯や富豪や勇士の中で
ヘレネの花婿が選り取り見取り状態となり
テュンダレオスは未来のスパルタ王にメネラオスを選んだのだが
これは勢力を拡大してたミュケナイ王アガメムノンが
メネラオスの兄だったからだろうか?

地図を見てもらうとわかりやすいが
ぺロポンネソス半島の下端に位置するスパルタの王からすると
同じ半島の上端一帯を勢力圏とするアガメムノンは脅威で
絶対に敵に回したくナイ相手だったに違いナイから手を組んでおくのは得策だ

しかしそれならそれで先にヘレネの姉クリュタイムネストラが
アガメムノンに嫁してるのだがね?

単純にメネラオスが次男だったから婿養子にちょうどよかったのか?!
それにしても選ばれたメネラオス然りだが
実際ヘレネの求婚者たちは皆が皆ヘレネの美貌に引き寄せられたのではナイと思われ

例えばアキレウスの従者パトロクロスはこの時まだ幼児で
テュンダレオス王に表敬の意を示すために近親者が代理で申し出てるとか?
また奸智に長けたオデュッセウスは表向きは「ヘレネに求婚をしに来た」のだが
ヘレネを妻にする気は全くなかっただろう典型的な求婚者だろう

オデュッセウスは小国イタケの王として
大国スパルタ王への訪問のきっかけに利用した、と見るのが正しい
結果その才気が如何なく発揮されてこの求婚騒動を丸く治めて
見返りにヘレネのいとこペネロペイアを娶る約束をテュンダレオスにとりつけるが
むしろが狙いドコロとしては最初からペネロペイアだったのかもしれナイ

そんなんでテュンダレオスはオデュッセウスに仕切られて
ヘレネの相手を選ぶ前に求婚者全員に
「誰が婿になってもその婿が誰かから害を蒙った際には皆で対処する」
とゆー誓いを立てさせたが
これってギリシア全土がスパルタに対する和平協定を結んだようなモノで
もっとはっきり言えば間違いなく軍事同盟ではナイのか?

さすがオデュッセウス!
とここまでの手腕に対しては言いたいトコロだが
自分自身もこの誓約のために20年もの間、故国を離れる羽目に・・・ ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

ちなみにカストルとポリュデウケスは黄道12星座の双子座で
先にカストルが死んでしまった時にカストルは人間なので冥界へ行き
ポリュデウケスは神々の住まう天上界へ帰り
一旦は離れ離れになったのだが
この双子はずっと一緒に生きてきたので離れ難く
ゼウスによって共にいられるように取り計らわれて星座となったのだった

葡萄の房の巻き毛のパリス

夫のメネラオスはスパルタ国王とはいえボンクラだった

世界一と言われる美貌を持て余す妃ヘレネには9歳の娘ヘルミオネがいたので
結婚して10年ほどと思われ、間違いなく倦怠期にあったろう

そんな時に夫の居ナイ留守宅にやってきたトロイの王子パリスが
葡萄の房の巻き毛(なんて甘美な形容!)をした美しい青年だったら
これはヘレネとしては誘惑しナイ手はナイw

取っ掛かりは出来心にしても出来過ぎのシチュエーションは恋心を触発し合う
だいたい絶世の美女と葡萄の房の巻き毛の美青年が恋をするのに
いったい何の理由が必要だろうか?

トロイ ディレクターズカット(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]

ブラピがアキレウスをやった『トロイ』では
どういう意図なのかパリスとヘレネの関係は純愛の様相を呈してて
ヘレネはまるで身も心も美しい乙女に描かれてるが
本トは1番条件の良かったメネラオスと結婚しておいて
美しくも純朴なパリスを誘惑して不貞をして
挙句に娘を置き去りにしてかけおちした悪女なのだ

しかもそれが元で大戦争になって死者累々でも
ヘレネ自身はちゃっかり助かって何事もなかったかのように夫の許に戻り
【絶世の美女】とゆー肩書き(?)のせいか誰からも咎められナイのだヽ(゚∀。)ノ
世間は美女にはどうしてこうも甘いのだろうか(;つД`)

そして片やパリスにも実はオイノーネなる女がいたのだった!
この時代の妙齢の王子なら妻の一人はいて然るべきで
むしろあちこちに王家の子供を作らナイようにとりあえずあてがわれるのだろう

ギリシアは一夫一婦制だがトロイは一夫多妻なので
身分の高い女を1人正妻にしてれば他に何人の愛妾を持とうが構わナイワケだ
゚+.(・∀・)゚+.゚イイ手本が父王のプリアモスで
アポロドーロスの『』によればなんと55人の子持ちだw

ギリシア神話 (岩波文庫)

このオイノーネは予言の能力を持ち
薬の知識にも明るいので人間でなく妖精だったとする説もあるのだが
とにかくパリスがまだ王子ではなかった時から見知ってた女で
もしかすると幼なじみだったりするかもしれナイ

羊飼いのパリスとイデ山に暮らす少女オイノーネは
まるで『アルプスの少女ハイジ』のようだが
ハイジがフランクフルトのお屋敷での生活に馴染めなかったように
オイノーネもどうやら王宮では暮らせなかったのか
王子になったパリスとは別れてイデ山に残った・・・らすぃ

この際の詳しい事情がどこにもナイので状況から推察するしかナイが
羊飼いだったパリスの世界はイデ山だけで
イデ山には羊とオイノーネしかいなかったので
パリスは必然的に羊とオイノーネを愛してたのだと予想できる
他に愛する対象がなかったのだからね
もちろんオイノーネの方も羊とパリスを愛するより他なかっただろうし
そこで突然パリスが王子の身分になろうが2人の愛は変わりようもナイ

但し、パリスにとっては単純に嬉しかったに違いナイのだ
肉親の元へ帰る、とゆーコトがね
そして家族の期待に応えてパリスは立派な王子となっていき
そんなパリスにオイノーネは引け目を感じずにはいられなかっただろう

そこへきてスパルタからヘレネを連れてトロイに戻り
いつのまにか戦場に引き出された元羊飼いの王子パリスは
なんとか逃げ延びたが頼りのヘクトルも亡くなり
致命傷を負ってみれば最期はイデ山のオイノーネの元へ還るのだ

瀕死のパリスはオイノーネに助けてくれるよう懇願するが
オイノーネは救う手立てをなんらとらず見殺しにして
自身も自害する、しかもパリスの遺骸を燃やしてる炎へ投身自殺だ。(゚д゚lll)ギャボ

オイノーネはパリスに捨てられたのを恨んでいたから助けなかった
などとバカバカしい理由を持ち出す恋愛音痴もいるが
だったら自殺の仕方も別の手段をとるはずだし
そもそもオイノーネが死ぬ必要はナイのだ。(´д`;)ギャボ

オイノーネはやっと自分の元に帰還した愛しいパリスが
もう2度と再び他の女の元に行って欲しくなかっただけなのだp(-_-+)q

トロイア戦記 (講談社学術文庫)

以上、おなじみ(?)アポロドーロスの『ギリシア神話』と
クイントゥスの『トロイア戦記』を参照した

羊飼いパリス

たいていはトロイ戦争の原因を
トロイの王子パリスによるスパルタ王妃ヘレネの掠奪、としてて
パリスが元凶でヘレネには罪がナイとされてるが
2人が結ばれるよう導いたのは美の女神アプロディテだ

それとゆーのもイデ山で羊飼いをしてたパリスは
突然現れた3柱の女神たち(ヘラ、アテネ、アプロディテ)の「美の審判」を委ねられ
その中からアプロディテを選んだからだ

3柱の女神たちは自身こそが「最も美しい女神」と自負してるワリには
パリスに選んでもらうために
ゼウスの妻ヘラは政治権力とそれによって齎される富を
軍神アテナは戦勝とそれによって齎される栄誉を
美の女神アプロディテは世界一の美女によって齎される官能を
と、要するに各々賄賂を約束してて
アプロディテが選ばれたためにパリスは世界一の美女ヘレネを得たのだ

遡ればこの【パリスの審判】に至ったのはゼウスの差し金で
当初はゼウスこそが審判役を任されたのだったが
これをイデ山の羊飼いパリスに転嫁したのだ

ところでパリスはトロイの王プリアモスと正妻であるヘカベの子だが
生まれてすぐに捨てられたので王家で育っておらず
拾われて成長してからはイデ山で羊飼いをしてたのだが
トロイ王家では古くはガニュメデス王子も
イデ山で羊を放牧させてる時にゼウスにさらわれてるから
王子の身分でも羊飼いをするのが常なのか?!

パリスが捨てられた経緯はヘカベが出産の直前に見た夢によるが
燃える木を産んでその火が町を焼き尽くす、とゆー不吉な夢で
パリスはこの夢のような災いを招く、とされてイデ山に捨てられたのだった

この時パリスを捨てるように助言したのは
プリアモスの先妻アリスベの息子アイサコスだったが
なんとプリアモスには合計55人(!)の子がいて
アポロドーロスの『ギリシア神話』にはその全員の名前があるるる~

ヘカベはヘクトルとパリスの後に息子8人と娘4人を産んでて
アリスベとヘカベだけでもプリアモスには15人の子供がいるのだが
それ以外の女たちからも36人の息子と4人の娘を得てて
跡継ぎには一向に困らナイプリアモスだったのに
まさか自分の代で継ぐべき国が滅ぶとはね。(´д`;)ギャボ

ギリシア神話 (岩波文庫)

アポロドーロスの『ギリシア神話』には

イデ山に捨てられたパリスは熊の乳によって育てられた

なんてあるが夢のお告げや神託によって捨てられた子が
獣の乳によって生き延びて更に成人して素性を知って最終的に王になった、てのは
この辺りの神話・伝承にはよくあるパターンで例を挙げてたらキリがナイが
パリスの場合は捨てる役目を受けた召使が一旦は捨てたものの
5日後にまた拾ってきてパリスと名付けて育てたので
熊に乳をもらったにしてもせいぜい5日間に限定されてると思われ

成長してイデ山の羊飼いとなったパリスが
アレクサンドロスと呼ばれるようになったのは
盗賊から羊を守ったコトによる(※)
とはいえ、パリスは弓の名手ではあったようだが
なんせ羊飼いだったので武芸に秀でてはいなかっただろうから
大切な羊を必死に庇っただけに違いナイ
Alexandrosはalex-(護る)とandr-(男)の合成語である

パリスは当然ながら王子としての教育は全く受けておらず
実はトロイの王子であるとわかったトコロで
さっきまで羊飼いだったのにいきなり王子としての風采なんか持てるはずもナイ

でもパリスには王家の者には持ち得ナイ純朴さが備わってたはずだ
そして純朴な人間ほど神様に逆らったりしナイし
妖艶な美女には惑わされて然るべきだ

【パリスの審判】の際にアプロディテを選んだのは
羊飼いのパリスにとっては政治も戦争も別世界の話だったから
消去法で美女を選ぶしかなかったのではナイだろうか?

またアプロディテに従ってスパルタにやってきたパリスが
絶世の美女ヘレネに心を奪われたのは人間の男として至極当然だ
それでもヘレネが誘惑しなかったら、つまりヘレネにちゃんと貞操観念があれば
パリスの方からは到底手が出せなかったのでは?

なのでアプロディテとヘレネに翻弄された、とゆーのが
パリスの実状のような気がするのだが。(゚д゚lll)ギャボ

ギリシア~ローマへの時代と場所の変遷の中で
キャラクター設定も移り変われば
話の筋の方がそれに見合うように書き換えられてもいるだろう

英雄は英雄らしさが誇張されて描かれるほどに
アキレウスは賛美されるようになるが
対照的にパリスはバッシングされるようになり
誘惑した、はずのヘレネが
誘拐された、と変貌するのだ

フツーに考えたら
一国の王妃がまんまと客に誘拐されるのはおかしいからp(-_-+)q
王妃の方こそが家来を出し抜いて客を誘惑してる以外ありえんw

トロイ ザ・ウォーズ 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]

映画『トロイ ザ・ウォーズ』はその辺の事情をとても美しく描いてるが
他のトロイ映画に比べて1番原典に忠実な作りだったりするるる~