QUEENのBohemian Rhapsodyは荘厳な曲調の部分が気に入ってて
そこだけよく脳裏で回ってたりもするが
歌詞が謎めいてるのも鼻歌で歌ってておもしろい
I see a little silhouetto of a man
Scaramouch, scaramouch will you do the fandango
Thunderbolt and lightning – very very frightening me
Gallileo, Gallileo, Gallileo, Gallileo, Gallileo Figaro – magnifico
この曲を初めて聴いた時には小学生で「ガリレオ」だけ聴き取れたが
歌詞を見るまでずっと空耳してるのだと思い込んでたから
本トに「Gallileo」だったのに驚いたw
これはしかし天文学者のガリレオなのだろうか?
次のFigaro(フィガロ)はあのオペラの主人公のか?
その前にfandango(ファンダンゴ)とあるのだからそうか?(※)
続くmagnifico(マニフィコ)はボッティチェリの『マニフィカトの聖母』てのがあるから
これらの人物を称えてるのだろうと予想を立てた
※モーツァルト作曲の『フィガロの結婚』第3幕でファンダンゴの旋律が使われてる
で、Scaramouch(スカラムーシュ)って何だ???
やっぱイタリア語なのかな?
今のようにググれなかった当時
解けなかった疑問は答えに巡り会うまで脳内倉庫に保管しとくしかなく
いつももどかしさに苛まれつつもしつこくくどく格納しておいた
それが間もなくパスカルの『パンセ』を読み始めたら
冒頭の12章に載ってるじゃナイか。(゚д゚lll)ギャボ
そうしてスカラムーシュが古い(※)イタリア喜劇に出てくる道化役の呼称と知った
しかもパスカルの時代(17世紀)のパリで
イタリア人俳優のチベリオ・フィオレリが黒尽くめの衣装で演じ
それが当たり役でこの呼称もチベリオかららしいとわかり
歌詞の情景がにわかに目の前に現れて感動した
※パスカルの時代からしても前時代で、要するにルネサンス期なのでは?
現在『パンセ』は中公世界の名著版と筑摩世界文学大系版を持ってるが
両方から該当部分を引用してみるるる~
一つのことしか考えないスカラムッシュ。
何もかも言ったあとで、まだ15分間もしゃべるほど、言いたくてしかたがない博士。
一つのことしか考えないスカラムーシュ。
何もかも言ったあとで、なお15分間もしゃべる博士。それほど彼は語りたい思いでいっぱいなのである。
前者はパスカル研究者として名高い前田陽一訳で
後者は松浪信三郎訳だがスカラムーシュについての注は後者の方が詳しい
松浪の注によれば続けて出てくる博士も同じくチベリオ・フィオレリの当たり役で
グランシアン(グラチアーノ・パロアルド)博士らしい
道化と博士の対極的な2人を取り上げて
パスカルが何を言い表したかったのかは明らかではナイが
フレディーがスカラムーシュを登場させたのと何か通じる気がする
なんせ恋愛に縁がナイ道化のスカラムーシュにからかい混じりで
恋人同士の情熱的な舞踊であるファンダンゴを
踊るまいと思いながらわざと「踊らナイのかい?」と!
そうなると次の行の落雷の衝撃を非常に恐れてるのは
恋愛に臆病になってるスカラムーシュの心情なのではナイか?!
ここでセビリアの理髪師だったフィガロが出世して結婚できたのを
讃辞するのは謎ドコロかむしろわかりやすい
だがしかし!!
その間に挟まって連呼されてるガリレオが謎だ(゚*゚;)
万が一フレディーがこの部分を『パンセ』からインスパイアされてたら
グランシアン博士としたかったのをガリレオにしたとか・・・
いや、ひねり過ぎだろうヽ(゚∀。)ノ
今更ちょいとググってみたら
QUEENの楽曲を使ったミュージカル『We Will Rock You』では
主人公の少年にガリレオ・フィガロと称させ
相手役の少女にはスカラムーシュと名づけたそうだが
どうして何でもミュージカルになると意味が存在しなくなるんだかな
幻滅しつつもプロダクションに
愛するロバート・デ・ニーロの名があって笑うしかなくなった
何もしなくても世界が存在するのに
世界観に意味なんか求める自分が間違ってるんだろう(苦笑)
でも自分は意味を希求するのが愉しくて生きてるんだから
まあ間違ってても正すつもりはナイがな(*^^*)